知恵と勇気で困難に立ち向かう主人公が魅力
1848年、父の勧めによりパリの法律学校へ進んだ。そこでヴェルヌは多くの芸術家たちと交流した。これは、ヴェルヌの才能を見た母が、パリにいた親戚に取り計らったことによるものであった。パリでの生活は充実したものではあったが、金銭面においてはあまり余裕のない生活であったらしい。そのうちアレクサンドル・デュマ父子と出逢い、劇作家を志すようになった。大デュマがプロデュースした、ヴェルヌの処女作である戯曲『折れた麦わら』は好評を博し、2週間上演された。
その一方でヴェルヌは、自然科学の論文も読んでいた。そのような中1840年代に、彼のお気に入りの作家であったエドガー・アラン・ポーが、小説に科学的事実を取り入れることによって、物語に真実味を持たせるという技法を示し、これに興味を持つようになっていった。
友人フェリックス・ナダールが製作した気球に触発されて、1863年に書いた冒険小説『気球に乗って五週間』が大評判となり、流行作家となる。そして彼は編集者のジュール・エッツェルと契約を結んで、生涯にわたって科学・冒険小説の傑作を生み出してきた。
ジュール・ヴェルヌ - Wikipedia
(当時の)科学の力で、地底、海底、月旅行、孤島での暮らし、短時間での世界一周、などなどの様々な困難に立ち向かう小説を書き続けたジュール・ヴェルヌ。
どの作品にも共通しているのが、人間の力を前向きに書いてあるということです。安心して子どもにも読ませられますし、大人でさえ勇気が出るお話ばかりなのです。
この記事では、そんなジュール・ヴェルヌのおすすめ作品5作をランキング形式で紹介します!
目次
ランキング
まずランキングポリシーと所感を書いておきます。
- 独自ランキング
- SFの祖として世界的に有名
- 子ども向けの作品が基本だが、精密な未来予想は大人もうならせられる
それではランキングどうぞ!
5位 地底旅行
鉱物学の世界的権威リデンブロック教授は,十六世紀アイスランドの錬金術師が書き残した謎の古文書の解読に成功した。それによると,アイスランドの死火山の噴火口から地球の中心部にまで達する道が通じているというのである。教授は勇躍,甥を同道して地底世界への大冒険旅行に出発した。地球創成期からの謎を秘めた人跡未踏の内部世界。
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子どもの頃夢中で読んだ本のうちのひとつ。大人にはちょっと物足りないかもしれませんが、子どもには破壊力十分のSFです。
自分だったらどうするだろうか、教授のように行動できるだろうか(絶対できる!)と思いながら読んでました。のめり込んでまるで地底世界を追体験できるような感覚です。
4位 海底二万マイル
ときは1866年、大西洋に謎の巨大生物が現れた! 異形の〈怪物〉の目撃譚に人々はおののき噂した。白鯨か? 伝説の怪異か? はたまた超自然現象か? 議論が沸騰するなか、アロナクス教授はその正体を暴くため、使用人のコンセイユとともに高速フリゲート艦に乗り込む。それが、驚くべき旅の始まりになるとも知らずに──。少年から大人までをも魅了する海洋冒険ロマンの傑作
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2012年発売の新潮文庫版は、挿絵あり、詳しい解説ありの、完全版といって良いでしょう。色んな版がでていて、簡略版では200ページ程度のものもあるのですが、この新潮文庫版は上下あわせておよそ1000ページの大ボリュームです!
当時のイラストを完備していて、徹底的な解説の訳もあるので、子どもが熱中するのはもちろんのこと、大人もハマります。
3位 月世界へ行く
日本が明治維新を迎えるころ、アメリカ合衆国からふたりのアメリカ人とひとりのフランス人を乗せたロケット弾が月へ向けて発射された。しかしロケットの行く手には、流星の衝突、軌道の変化などの困難が待ちうけていた。SF史上不朽の名作。
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地底、海底(海中)ときて、残すはそう、宇宙のみ。もちろんジュールヴェルヌは書いています。それが本作月世界旅行。
SF史上に燦然と輝く記念碑的名作です。宇宙(や科学そのもの)に対する今とは違う認識がそこかしこにあって、逆に人類の進歩を感じれるかも。
2位 八十日間世界一周
1872年10月2日午後8時45分,ロンドンの謹厳な資産家にして知識人フィリアス・フォッグ氏は,多くの新聞が一斉にとりあげ狂気の沙汰と評した,80日間世界一周の旅に出た.彼はトランプ仲間と,1秒でも遅れると全財産を失うことになる賭をしたのだ.彼と忠実な従者パスパルトゥーを待ちうける波瀾万丈…
https://www.amazon.co.jp/dp/B00SF0V4SY
主人公フォッグの奇人的スーパーマンぶりがクールな名作小説です。登場人物、および世界各国の当時のステレオタイプな登場人物描写が非常に興味深く読ませます。
子どもの頃を懐かしんで読んでください。久々に、読書に夢中な時間が味わえるでしょう。
1位 十五少年漂流記
14歳のゴードンを頭に15人の少年たちだけを乗せたスクーナー船が、ふとしたことから荒海に出てしまった。大嵐にもまれたすえ、船は、とある岸辺に座礁。島か大陸の一部かもわからないこの土地で、彼らは生きるためにさまざまな工夫を重ね、持ち前の知恵と勇気と好奇心とを使って、スリルに満ちた生活を繰りひろげる……。
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これは全少年少女はもちろんのこと、少年少女の心を忘れてしまった大人全員が読むべき名著です。どんな困難にも知恵と勇気で立ち向かうことができるようになるはず、
また、ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』はこれを元に書かれたと言われてますが、こちらもとんでもなくおもしろい。これまでに読んだ全読書の中でもトップ100に必ず入る傑作小説です。
ただし読む順番は『十五少年漂流記』→『蠅の王』としてください。多くは語りませんが、そうすれば圧倒的な読書体験ができるはず。
おわりに
ジュール・ヴェルヌのおすすめ小説ベスト5を紹介しました。
ジュール・ヴェルヌの小説は、どんな困難が出てこようとも、知恵(科学の力)と正しい心を持って立ち向かっていくという非常に前向きなものばかりなので、子どもたちに超おすすめです!
読書の喜びも味わえて読書好きの子に育つし、知恵と勇気の大切さが学べて一石二鳥!もちろん大人も楽しめます。
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