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きゃすのキラキラブログ

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おすすめ小説満載!脳内旅行のできる名作に会いたいなら名翻訳家:岸本佐知子に頼ろう

小説
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はじめに:本選びで迷ったら翻訳者に頼ろう

書店には本がありすぎて、どれがおもしろいのかわからなかったり、海外作品は当たり外れが大きいから、チャレンジするのが怖い、そういうことが多々あると思います。

そういう時は名翻訳者に頼りましょう、必ずいい体験をあなたにプレゼントしてくれるでしょう。この記事では岸本佐知子翻訳のおすすめ小説を紹介します! 

www.quercuswell.com

上の記事でも紹介しましたが、岸本佐知子は超売れっ子翻訳家で、エッセイも川上弘美、小川洋子、北村薫など、売れっ子小説家に愛読されるなど、文章家としても優れています。

個人的にはセンチメンタルな感情表現や、奇想天外な世界観を翻訳させたら右に出るものはいない、と思っています。ほとんどの翻訳を読み込んで、新しい自分にたくさん出会って来ました。最も信頼する翻訳家のうちの一人です。

読書は脳内で行われる旅のようなもので、宇宙へだって、過去にだって未来にだって行くことができます。あなたの心が望めば。

目次



岸本佐知子略歴

兵庫県出身の会社員の娘として東京都世田谷区の社宅に育つ。小学校から中学校にかけての愛読書は中勘助『銀の匙』と志賀直哉『小僧の神様』とジュール・ルナール『にんじん』(岸田國士訳)の3冊だった。 女子学院中学校在学中、夏休みの英語の宿題で英語の絵本を一冊訳し上げて教師に大変褒められたことが後の翻訳への興味につながったという。また中学3年生のとき筒井康隆の作品を知り、「読む前と後とで人生が変わるくらいの衝撃」を受けた。
女子学院高等学校を経て1978年に上智大学文学部英文科入学。大学在学中に別宮貞徳のゼミで英文の翻訳を学ぶ。卒論のテーマはリチャード・ブローティガン。
1981年に大学を卒業してサントリーに入社、宣伝部に勤務。しかし「とにかくOLの仕事が向いていなくて、あるとき仕事をほとんど取り上げられてしま」い、急に余暇が増えたため、勤務帰りに週1回、翻訳学校で英文翻訳を学び直す。
6年半のサントリー勤務を経て退社後、翻訳家として独立。海外の先鋭的な小説作品の翻訳を行い、特にスティーヴン・ミルハウザー、ニコルソン・ベイカーの翻訳で広く知られるようになる。現在は「岸本の翻訳作」ということで、その作品・作者が「海外文学愛好家」にアピールする存在である。なお、中田耕治を翻訳の師匠と呼んでいる。
また、『翻訳の世界』編集部にいる友人の依頼で同誌に奇妙な味わいのエッセイを連載、このエッセイは翻訳の技術等に関わる内容ではなかったため一部の読者から苦情の投書を受けたが柴田元幸に高く評価される[6]。同誌に連載された文章を含む第一エッセイ集『気になる部分』を2000年9月に白水社より刊行。
『ちくま』に連載されたエッセイ「ネにもつタイプ」をまとためた第二エッセイ集『ねにもつタイプ』(筑摩書房)が、2007年の第23回講談社エッセイ賞を受賞。2012年11月、第三エッセイ集『なんらかの事情』を刊行。
現在も『ちくま』に上記エッセイ「ネにもつタイプ」を連載中。川上弘美、小川洋子、北村薫を愛読者に持つ。
2013年、第19回野間文芸翻訳賞選考委員
2014年、講談社エッセイ賞選考委員。
2015年、第一回日本翻訳大賞選考委員。

岸本佐知子 - Wikipedia

 

それでは作品紹介どうぞ!!

 

空中スキップ/ジュディ・パドニッツ

空中スキップ

空中スキップ

 

素っ頓狂ながら、ブラックに満ち、どこか現代のやるせない気持ちに通じる世界を描いたジュディ・バドニッツの23の短編。妄想爆発。シュールでブラック。救われない笑いの世界にようこそ。

https://www.amazon.co.jp/dp/4838715404 

装丁に惹かれてジャケ買いしたのですが、大当たり!ジャケ買いって、適当な感じするけれども、ピンと来る=感性が似てるということなので意外と当たりを引くことが多いのです。まぁ岸本佐知子訳なのでハズレはありませんが。。。

内容については相当ぶっ飛んでます。飼っている犬は実は人間だし、パン屋が焼くのは赤ん坊、病院では息子が母親に心臓移植を迫られ、巨大な赤ん坊がキッチンを這いまわる。しかも作中どこか不穏な影が漂い続けているという恐ろしさがあります。

 

妄想が肥大化して幻想的になって、様々な切り口で描かれています。超おすすめ!

 

【過去記事】

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もしもし/ニコルソン・ベイカー

もしもし (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

もしもし (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

 

全編これ2人の男女の電話の会話からなるおかしなおかしな「電話小説」。しかもこの電話は成人向けのいわゆる会員制セックス・テレフォン。2人は想像力の限りをつくして自分たちが何に一番興奮するかを語り合う。全米でベストセラーとなった本書のテーマはいわば、想像の世界の「究極のH」。

https://www.amazon.co.jp/dp/4560071187

180ページほとんどが男女2人だけの会話文。しかもテレフォンセックスをし続けているという、とんでもない小説。

終盤の怒涛の盛り上がりは笑っちゃうけどなぜか無駄におしゃれ。笑

 

 

ほとんど記憶のない女/リディア・デイヴィス

ほとんど記憶のない女 (白水Uブックス)

ほとんど記憶のない女 (白水Uブックス)

 

「とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた」
わずか数行の箴言・禅問答のような超短編から、寓話的なもの、詩やエッセイに近いもの、日記風の断章、さらに私小説、旅行記にいたるまで、多彩で驚きに満ちた〈異形の物語〉を収めた傑作短編集。カウボーイとの結婚を夢みている自分を妄想する「大学教師」、自分の料理を気に入らない夫の好みを記憶を辿りながら細かく分析していく「肉と夫」、思考する〈私〉の意識とメモをとる〈私〉の行為を、まったく主語のない無機質な文体で描く「フーコーとエンピツ」他、全51編を収録。「アメリカ小説界の静かな巨人」デイヴィスの、目眩を引き起こすような思考の迷路や言葉のリズム、また独特のひねくれたユーモアは、一度知ったらクセになる。

https://www.amazon.co.jp/dp/4560071748

哲学的、詩的な散文が集められた一冊です。

散文集として有名な作品言えば、フェルナンド・ペソア『不穏の書』で、言葉の迷宮にハマってしまう方も多かったと思います。

一方『ほとんど記憶のない女』も負けていません。寓話に満ちた短編、詩、エッセイ、旅行記、数学の命題のようなもの、催眠術雨のように同じ言葉が繰り返されるもの、取扱説明書のように番号が振られているもの、主語と動詞が省かれているものなど、趣向が凝らされているものばかりです。

 

擬古文、長さも数行のものから数10ページと、読み進めていても飽きることがなく、次は何が起こるのか、どんな仕掛けがあるのかワクワクしながら読めることでしょう。

新編 不穏の書、断章 (平凡社ライブラリー)

新編 不穏の書、断章 (平凡社ライブラリー)

 

 

サーカスの息子/ジョン・アーヴィング

サーカスの息子〈上〉 (新潮文庫)

サーカスの息子〈上〉 (新潮文庫)

 

 

サーカスの息子〈下〉 (新潮文庫)

サーカスの息子〈下〉 (新潮文庫)

 

カナダ在住の医師ファルークは、サーカスの小人の遺伝子を研究するために、時々故郷のボンベイに戻る。そんな彼には、息子同然の俳優ジョン・Dが主演する人気インド映画、「ダー警部」シリーズの覆面脚本家という顔もあった。昨今続発する映画を真似た娼婦殺人事件と、20年前遭遇した殺人との類似に気づいた彼は――。インドを舞台に奇想天外な物語が絡み合う、巨匠異色の大長編。

https://www.amazon.co.jp/dp/4102273131


ボンベイの連続娼婦殺人は、ファルークも知る美しい女装者の仕業らしい。性転換後に名前を変えた彼女の正体にようやく思い当たったファルークらは、犯人逮捕のために大芝居を打つ。ジョン・Dの生き別れの双子マーティン、元ヒッピー娘、少女売春婦に乞食少年、そしてサーカスの小人たち……強烈な個性の登場人物らが曼荼羅のごとく組み上げる、猥雑で奇怪な魅力に満ちた長編小説。 

https://www.amazon.co.jp/dp/410227314X

岸本佐知子の翻訳が本当に素晴らしい一作。

『居場所がない感覚』、『ここではない感』を日常で感じている人は是非読んでみてください。あなたを救う言葉がたくさん書かれているはずです。アーヴィング作品らしく、尖ったキャラクターがたくさん出てきます。中でも女性になるために去勢した、ヒジュラと呼ばれる人の描写とかは強烈です。


ラストまで読み終えたら、読書の喜びに包まれること間違いなし!

 

君がそこにいるように/トム・レオポルド

君がそこにいるように (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

君がそこにいるように (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

 

僕、ブロードウェイで役者稼業を営むサンディ・バヤード。キュートで演技力抜群なのになぜかさっぱり売れない。その上、前の恋人メアリが自殺したと聞いて大ショック……軽快にして真情あふれる語り口が『ライ麦畑でつかまえて』を思わせる、すっごくファニーでちょっぴりさびしいラブ・ストーリー。

https://www.amazon.co.jp/dp/4560071012

切ない気分になりたい時はこれ。

 

いつになってもモラトリアムで現実逃避したくてセンチメンタルな人への赦しが得られます。マッチョで右寄りな空気が漂ってきている今こそ読みたい一冊。

 

いちばんここに似合う人/ミランダ・ジュライ

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

 

水が一滴もない土地で、老人たちに洗面器一つで水泳を教えようとする娘(「水泳チーム」)。英国のウィリアム王子をめぐる妄想で頭がはちきれそうな中年女(「マジェスティ」)。会ったこともない友人の妹に、本気で恋焦がれる老人(「妹」)―。孤独な魂たちが束の間放つ生の火花を、切なく鮮やかに写し取る、16の物語。カンヌ映画祭で新人賞を受賞した女性監督による、初めての小説集。フランク・オコナー国際短篇賞受賞作。

https://www.amazon.co.jp/dp/4105900854

アウトサイダーたち、それも純粋無垢なアウトサイダーたちを描いた短編集。社会という器からこぼれ落ちるのは落ちる側のせいなのでしょうか、それとも落とす側のせい?


 『小説を書くことって不安で孤独なんです』とは吉田修一が言った言葉ですが、きっとミランダ・ジュライも孤独なんだろうなと思います。寂しさや切なさを隠しながら生きている人にぜひ読んで欲しい一冊です。

私はこれを読んで結構な衝撃を受けました。人生を変えた一冊、というもののような気がします。超おすすめ!

 

月の部屋で会いましょう/レイ・ヴクサヴィッチ

月の部屋で会いましょう (創元海外SF叢書)

月の部屋で会いましょう (創元海外SF叢書)

 

こうしてぼくたちは休暇を過ごすために、だれもが常に巨大な金魚鉢を持ち歩かねばならない世界へテレポートする―不思議なバカンスの顛末(休暇旅行)、肌が宇宙服になって飛んでゆく奇病に引き裂かれる恋人たち(僕らが天王星に着くころ)、彼女の手編みセーターの中で迷子になる男(セーター)…不世出の天才作家による、とびきり奇妙だけれど優しく切ない33編の奇談集、待望の邦訳。2001年度フィリップ・K・ディック賞候補。

https://www.amazon.co.jp/dp/4488014534

 『空中スキップ』ばりに奇妙な短編が並んでいる短編集。ですがこちらはダークではなく、どこか温かな空気が流れていて、落ち着いて読めます。

日常感と奇想天外なものの掛け合わせが抜群に上手いです。

 

夏のルール//ショーン・タン

夏のルール

夏のルール

 

きょうだいがいる人もいない人も大人も子供もみんなの心にじん、と残る『アライバル』『遠い町から来た話』のショーン・タンが描くあたらしい夏のものがたり。

https://www.amazon.co.jp/dp/4309274846

絵が最高に美しく、飾っておきたいぐらいです。 夏の終わりはとても切ない。子どもの心を持っていたいものです。

ちなみに、大人の絵本で有名なのはエドワード・ゴーリーですが、彼とは作風が随分違います。ショーン・タンは彩りが豊か。

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楽しい夜/ジェームズ・ソルター、ルシア・ベルリン、ミランダ・ジュライ他

楽しい夜

楽しい夜

 

メキシコの空港での姉妹の再会を異様な迫力で描いた、没後十余年を経て再注目の作家による「火事」(ルシア・ベルリン)、一家に起きた不気味な出来事を描く「家族」(ブレット・ロット)。アリの巣を体内に持つ女という思い切り変な設定でありつつはかなげな余韻が美しい「アリの巣」(アリッサ・ナッティング)、30代女子会の話と思いきや、意外な展開が胸をつく表題作「楽しい夜」(ジェームズ・ソルター)。飛行機で大スターの隣に乗り合わせてもらった電話番号の紙切れ…チャーミングでせつない「ロイ・スパイヴィ」(ミランダ・ジュライ)など、選りすぐりの11編です。

【収録作品】
「ノース・オブ」マリー=ヘレン・ベルティーノ
「火事」ルシア・ベルリン
「ロイ・スパイヴィ」ミランダ・ジュライ
「赤いリボン」ジョージ・ソーンダーズ
「アリの巣」アリッサ・ナッティング
「亡骸スモーカー」アリッサ・ナッティング
「家族」ブレット・ロット
「楽しい夜」ジェームズ・ソルター
「テオ」デイヴ・エガーズ
「三角形」エレン・クレイジャズ
「安全航海」ラモーナ・オースベル

https://www.amazon.co.jp/dp/4062199513

岸本佐知子翻訳作品の最新作です。 (2016年2月)

むちゃくちゃおしゃれな文章がズラリと並んでいます。お酒を片手に読むと、気分が高揚するんだけれども、センチメンタルな気分にもなって人恋しくなる。そんな大人のための小説たちです。

まだ読み返しが足りていないですが、自分の中でもかなり上位に入る短編集になりそうな予感がしています。

おわりに

 いかがでしたでしょうか。

記事を書くにあたって読んだ作品を思い返していましたが、岸本佐知子が選ぶ作品は、奇妙な恋だったり、たくさんの人が周りにいるけれど、ひとりぼっちで孤独だったり、空想に逃げこむような世界だったりと、普段味わえないところへ飛ばしてくれる作品が多いです。

読書はある種の旅行のようなものです。是非日常とは違った世界へと飛び立ってください。

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