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三浦しをんが変な題材を巧みに調理した13作を教える【おすすめランキング】

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三浦しをんの略歴と持ち味

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2000年4月に、自らの就職活動の経験をもとに3ヶ月かけて書きあげた処女小説『格闘する者に○』(草思社)を出版した。だが、「これは違う、書きたいものではない」と思い、その後もなかなか作家としての実感は持てなかった。2年後の2002年(平成14年)、4作目の『秘密の花園』で近づいた手応えをつかむ。その後、2005年には『私が語りはじめた彼は』で山本周五郎賞候補、同年7月には『むかしのはなし』で直木賞候補となった。この3作が最も試行錯誤した時期だった。

2006年8月に『まほろ駅前多田便利軒』で同年上半期の直木賞を受賞した。誕生日前の29歳での受賞であり、20代での直木賞受賞は、堤千代、平岩弓枝、山田詠美に続く4人目である。

2011年3月13日にボイルドエッグズとの契約が切れ、マネジメントも含めて自立する。
2012年、『舟を編む』が本屋大賞に選ばれる。2015年(平成27年)、『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞に選ばれた。

2004年から雑誌『Cobalt』にてCobalt短編小説賞の選考委員、2008年から太宰治賞の選考委員、2009年から手塚治虫文化賞の選考委員、2012年からR-18文学賞の選考委員を務めている。
三浦しをん - Wikipedia

20代で直木賞を取るという早咲きの作家です。直木賞と芥川賞ってなんなの?って方のために簡単な解説をどうぞ↓

  • 直木賞=エンタメ寄りの小説賞レースの登竜門。志茂田 景樹がとった賞
  • 芥川賞=純文学寄りの小説賞レースの登竜門。又吉が取った賞

すなわちエンタメ小説の名手ってことですね。20代で取ったのは3人しかいないのです。

三浦しをんの持ち味は、おもしろい題材を、軽い文体でエンタメに仕上げる技術です。林業、辞書編纂、駅伝、などなど、地味に見えがちな題材を、これでもかというぐらいにおもしろく調理しちゃいます。きっと何を書かせてもエンタメ力抜群の小説にしちゃうでしょう。

この記事ではおすすめ小説ベスト10+おすすめエッセイ1作を紹介します!

目次

 

13位 月魚

古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。
https://www.amazon.co.jp/dp/4043736029

雰囲気系の小説。 とはいっても純文学みたいに描写が尖っているとか、芸術的だとかそういうことではなく、ポップにオシャレにな読書体験が味わえます。
三浦しをんって懐古的なところがあるんですよね。若くから文壇の中で揉まれているからかな?そこを脱すればもっと高みにいきそう。期待を込めて。

12位 政と源

東京都墨田区Y町。 つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平(元ヤン)の様子がおかしい。原因は昔の不良仲間が足抜けすることを理由に強請られたためらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが――。 弟子の徹平と賑やかに暮らす源。妻子と別居しひとり寂しく暮らす国政。ソリが合わないはずなのに、なぜか良いコンビ。 そんなふたりが巻き起こす、ハチャメチャで痛快だけど、どこか心温まる人情譚! 
https://www.amazon.co.jp/dp/4086801353

空気を捉える力っていうのはやっぱり三浦しをんは天才的ですね。自由自在に表現できる技量は本当に羨ましい限り。こういうの、多分魂を削らずして、さらさらっと書けちゃうんだろうな。内容的に深く残るかと言えばnoだけど、しっかり楽しい作品集です。 

11位 光

島で暮らす中学生の信之は、同級生の美花と付き合っている。ある日、島を大災害が襲い、信之と美花、幼なじみの輔、そして数人の大人だけが生き残る。島での最後の夜、信之は美花を守るため、ある罪を犯し、それは二人だけの秘密になった。それから二十年。妻子とともに暮らしている信之の前に輔が現れ、過去の事件の真相を仄めかす。信之は、美花を再び守ろうとするが―。渾身の長編小説。 
https://www.amazon.co.jp/dp/4087451216

東日本大震災のあと、小説家は何を描くべきか、相当に苦悩したと言われています。この作品は津波を描いていますが、震災前に書かれた作品です。というか、震災前だから書けたに違いありません。
全くもって震災前の世界が描かれているという意味で興味深い。震災後にこれを書いているようでは、はっきり言って凡人以下です。そういう読み方をすれば面白いのでチャレンジしてみると良いかも。

10位 あの家に暮らす四人の女

 

謎の老人の活躍としくじり。ストーカー男の闖入。いつしか重なりあう、生者と死者の声―古びた洋館に住む女四人の日常は、今日も豊かでかしましい。谷崎潤一郎メモリアル特別小説作品。ざんねんな女たちの、現代版『細雪』。
https://www.amazon.co.jp/dp/4120047393

谷崎潤一郎『細雪』に捧ぐ小説であるかのような紹介文ですが、全くそんなことはありません。格も作風も違いすぎますし、谷崎のような文学性を期待している人は決して読まないでください。

もっとポップにエンタメに徹した作品です。現代の暮らしの可能性を軽く描いた作品です。

9位 格闘する者に○

 

これからどうやって生きていこう?マイペースに過ごす女子大生可南子にしのびよる苛酷な就職戦線。漫画大好き→漫画雑誌の編集者になれたら…。いざ、活動を始めてみると思いもよらぬ世間の荒波が次々と襲いかかってくる。連戦連敗、いまだ内定ゼロ。呑気な友人たち、ワケありの家族、年の離れた書道家との恋。格闘する青春の日々を妄想力全開で描く、才気あふれる小説デビュー作。
https://www.amazon.co.jp/dp/4101167516

デビュー作で斬新なタイトルを持ってきてます。初めっからセンスがあったんでしょうね。自信の体験が元になっているだけあって、作品そのものから熱のようなものを感じます。

私は青春文学であれば、どんなつまらないものでも、 読み切ってしまえる性質なのですが、この作品は、まさに青春が感じられて良いです。

8位 秘密の花園

私は、なにをしているんだろう。どうしたら「私」でいられるんだろう?カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。性格の異なる三人の「私」は、家族、学校、男たちの中にあって、それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靱な魂。自分を生き抜いていくために「私」が求めていたことは―。記念碑的青春小説。 
https://www.amazon.co.jp/dp/4101167540

ある種の青春小説です。登場人物と同じ境遇になったことなんてまったくないはずなのに、全ての女性の中に彼女(たち)は確かに存在するように思います。内面をえぐるように描いた陰鬱とさえいえる表現が苦しくて美しい。

小説を通して読者、人間が通じ合っていることを実感させてくれる一作です。

7位 私が語りはじめた彼は

私は、彼の何を知っているというのか? 彼は私に何を求めていたのだろう? 大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘――それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。だが、それは愛というようなものだったのか……。「私」は、彼の中に何を見ていたのか。迷える男女の人恋しい孤独をみつめて、恋愛関係、家族関係の危うさをあぶりだす、著者会心の連作長編。
https://www.amazon.co.jp/dp/4101167559

さわやかな青春小説だけ書いてるわけじゃない!と主張しているような小説。

作者の持ち味とはミスマッチな気がしますが、さくさく読める割におもしろい読後感が得られます。純文学ではないけれど、不思議な魅力が味わえる一作です。

6位 天国旅行

現実に絶望し、道閉ざされたとき、人はどこを目指すのだろうか。すべてを捨てて行き着く果てに、救いはあるのだろうか。富士の樹海で出会った男の導き、命懸けで結ばれた相手へしたためた遺言、前世の縁を信じる女が囚われた黒い夢、一家心中で生き残った男の決意――。出口のない日々に閉じ込められた想いが、生と死の狭間で溶け出していく。すべての心に希望が灯る傑作短編集。
https://www.amazon.co.jp/天dp/4101167621

天国旅行/THE YELLOW MONKEY にインスパイアされて書かれた作品となっています。イエモンの”天国旅行”というと、イエモンファンの間ではもはやド定番中のド定番です。

グラムロックに幻想的で重たいサウンドで、トリップしたような感覚になれる超名曲です。個人的にもむちゃくちゃ大好きな曲です。


天国旅行

狂ってる......!

で、正直この曲からインスパイアされた割にはパンチの弱い作品ばかりです。もっと狂ってくれないとこの曲は語って欲しくない。

イエモンの天国旅行が”文字通り命がけの片道切符の旅”ならば、この短編集は”格安パックの天国旅行”って感じの作品集。

まぁ、おもしろいんですけどね。

5位 きみはポラリス

どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている──。誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。
https://www.amazon.co.jp/dp/4101167605

三浦しをんの持ち味が存分に発揮された傑作短編集。

軽いエンタメを上手く書くことを芯から追求するとこうなるのか、という感じ。ぼんやり軽いものが読みたいときに。

4位 神去なあなあシリーズ

 

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。 
https://www.amazon.co.jp/dp/4198936048

林業に目をつけるっていう発想がすごいですよね。

というか、三浦しをんは、人生の楽しみ、喜びを見つけるのが抜群にうまい!感受性がものすごい高いんでしょうね。 

林業のリアルなのかどうかを聞かれると、もちろんリアルじゃないんでしょうが、こんな素敵な世界になる可能性だって無限にあるのだ、ということを感じさせてくれます。世界の捉え方を考えさせられる一作です。

3位 まほろ駅前シリーズ

 

 

東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。多田と行天コンビの魅力満点の連作集! 
https://www.amazon.co.jp/dp/4167761017

瑛太と松田龍平コンビの映画、ドラマで一躍脚光を浴びた一作です。

ドラマエンディングテーマ・坂本慎太郎の『まともがわからない』が最高なんですよね。 劇中音楽も坂本慎太郎ということで、なかなか尖った作品になってます。ちなみにオープニングはフラワーカンパニーズ。

幸福ってなんだろう、ぼんやりと考えたいときに。

2位 船を編む

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる長編小説。
https://www.amazon.co.jp/dp/4334768806

本屋大賞、映画の大ヒットということで脚光を浴びた一作。そのせいで、賛否両論あつまっていて、本人はちょっと煩わしいだろうなと。笑

そもそも、高い文学性だとか、人間の本質をえぐり取る、的なところを主戦場にしている作家じゃないので、そんなのを求めても無駄です。得られません。

三浦しをんは、『こんなとこ!?』っていう題材をおもしろく仕上げるのがうまくて、辞書編纂という地味そうな題材をものすごく美味しく料理しているところに注目してほしいんですよね。

暗いところに光を当てていて、すごく好感がもてます。 

1位 風が強く吹いている

箱根駅伝を走りたい――そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何? 走るってどういうことなんだ? 十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく……風を感じて、走れ! 「速く」ではなく「強く」――純度100パーセントの疾走青春小説。
https://www.amazon.co.jp/dp/4101167583

キャラクターのデフォルメがうざくて読んでられるか!って冒頭から思ってたんです。けど、煩わしいキャラ設定を抜きにすれば本当におもしろい。(自分自身がランナーだっていうところもありますが)

日々のトレーニングはすなわち内なる自己との語らいであり、たった一回のレースに比べるとすごく長くて苦しいものだけれども、それって人生と同じ、人生そのものなんじゃないか、レースが人生なのか、トレーニングが人生なのか?トレーニングが人生なんだ、風になるための時間こそが人生なんだ......etc

っていうようなことが直接書いてはないのに、なぜだか感じられちゃうんですよね。

でもひとつ文句があります。初心者ランナーたちのタイム早すぎ。私が1年かかって達成したタイムを、軽々超えられてイラっとしました笑 タイムの妥当性だとか、実現性だとか、そのあたりのリアリティは乏しいけど、間違いなく名作です!青春を感じたい人は必読! 

おまけ:おすすめエッセイ

 

口を開けば、本と漫画の話ばかり。2012年度本屋大賞に輝く著者が本と本を愛するすべてのひとに捧げる、三浦しをんの書評とそのほか。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00DQ66GWG

三浦しをんが本について語りまくる一作。エッセイはたくさんあるけれど、読書好きには間違いなく刺さる作品です。

三浦しをんの作品が気に入ったら、これを読むと読書の幅が広がります。

おわりに

三浦しをんのおすすめ作品13作+1を紹介しました。

意外な題材を、ライトなエンタメで料理させたら芯から驚く作品を作ってくれます。作品そのものから、たくさんのアイデアが膨らむんですよね。

軽い文体ですいすい読めるので、未読の方も気軽にトライしてみてください。

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