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酒・ドラッグに溺れた天才作家中島らもの厳選13作【おすすめランキング】

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中島らもって?天才or奇人?略歴

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酒やクスリから着想を得て小説を書く作家のイメージって、日本人作家だと絶対中島らもが思い浮かぶんですよね。そんな私はもう中年なのでしょうか?笑
文章書かせたら天才的で、サービスが超絶旺盛で(尼崎出身ってことでコテコテな関西人だしね)、やりすぎちゃうこともしばしば。発言や作品に賛否両論が集まる人気作家でした。
どんな人?って読者のために略歴をwikiからどうぞ↓↓

兵庫県尼崎市出身の小説家、劇作家、随筆家、広告プランナー、放送作家、ラジオパーソナリティ、ミュージシャン。

広告代理店社員のコピーライターとしてキャリアをスタートさせ、劇団・笑殺軍団リリパットアーミーを主宰し、俳優としても活動したほか、自主的団体「全国まずいもの連盟」会長を自称した。

ペンネームの由来は、無声映画時代の剣戟俳優、羅門光三郎から。一男一女の父で、長女は作家の中島さなえ。

7月、「有限会社中島らも事務所」を設立[し作家活動を本格化させる。宝塚の自宅には全く帰らなくなり、事務所で寝泊りするようになる。

戯曲、エッセイ、小説、新作落語、バラエティ番組の脚本やコントなどを、多数執筆する。その「ひねくれたユーモア感覚」で、「関西独特のおかしさ」や「市井の奇人や奇現象」などを描き、多くの読者、ファンを獲得。元来、責任感が強い上に営業マン時代のクセで依頼された仕事を片っ端から引き受けていたらもは「仕事を断る仕事」として女性を電話番に雇う。

多忙な人気作家となるも、飲酒や薬物の摂取がもたらす酩酊から着想を得ていたらもは、やがて連続飲酒を繰り返すようになる。アルコール依存を自覚していたらもは極度の疲労感、食欲の減退、体重減少、嘔吐、失禁、異常な尿の色、黄疸を自覚するようになり、1988年秋、アルコール性肝炎と診断され、大阪府池田市内の病院に50日間入院。後にこの体験を基に、小説『今夜、すべてのバーで』を書いている。

○受賞歴○

  • 啓蒙かまぼこ新聞(ビレッジプレス 1987年12月)TCC賞準新人賞、OCC賞受賞
  •  今夜、すべてのバーで(講談社 1991年3月)第13回吉川英治文学新人賞、第10回日本冒険小説協会大賞特別大賞受賞
  • ガダラの豚(実業之日本社 1993年3月)第47回日本推理作家協会賞受賞

中島らも - Wikipedia

生き様もドラマティックで、エッセイもおもしろい作家です。この記事ではオススメ小説と、エッセイを紹介します。おまけつき。

目次

 

おすすめ小説ランキング 

ランキングポリシー

  • 独自ランキング
  • エッセイは原則除く(おまけに含む)
  • 初心者が避けるべきものは明記

それでは早速ランキングどうぞ!

 

13位 空のオルゴール

「伝説の奇術師、ロベール・ウーダンの足跡を辿れ」教授の指令でパリを訪れた大学院生トキトモは、現地で後輩のリカと再会する。ウーダンに詳しいというマジシャン・フランソワを紹介され、調査は順調に進むかに見えた…。が直後、そのフランソワが死体となって発見された!残された犯行声明には「反奇術同盟」の文字が。次々と倒される奇術師。マジックを武器に、果敢に闘いを挑むトキトモたち。果たして、彼らは生き残ることが出来るのか?奇術と格闘の融合。全く新しいエンターテインメント、ここに誕生。
https://www.amazon.co.jp/dp/4104531014

あえて失敗作とも言われるこの作品を13位に。確かに完成度低いし、他の作品の残りカスみたいな展開だし、なんだけど、明らかにらもさんはこの作品で戦っている。格闘というテーマだからってことはないんだけど。
きっとこれを書いてるころには相当キマリきって、死が見えてたんじゃないかな。そう思いながら読むと怖いし、おもしろい。1作目に読むものでは絶対ないので中島らも未読者は手を出さないで。笑 

12位 永遠も半ばを過ぎて

「えっ。ユーレイが小説を書いたの!?」巨大タニシの母貝1個1億円の商談をしくじった三流詐欺師の俺にも、運がめぐってきたようだ。謎の原稿を出版社に持ち込んだところ、文壇の大事件に発展し…。うふふ。ここは腕の見せどころ。輪舞するコメディ。あふれ出る言霊。待ってましたの痛快らもワールド。
https://www.amazon.co.jp/dp/4167585014

タイトルはブラッドベリのオマージュかな?”とうに夜半を過ぎて”。ブラッドベリのタイトルが良すぎでしたが、らもさんのこちらもめちゃくちゃ良い。中島らもやっぱかっけーしセンスあるし、結局のところはナイーブなんだよな。
そういうところ、人間らしくていいと思いません?

11位 白いメリーさん

まっ白な帽子に白いスーツ、白いストッキングに白いハイヒール。髪もまっ白という「白いメリーさん」。誰を殺してもいいという年に一度の「日の出通り商店街 いきいきデー」――など、怖すぎて、おもしろすぎる9編を集めた珠玉の短編集。ナニワの奇才・中島らものユニークな世界に思わず引き込まれる一冊!
https://www.amazon.co.jp/dp/B00D2NFZV6

モラルとか、常識とか、一回取っ払って、放り投げてるんですよね。中島らもって。
だからこそ、常識とかモラルに対する発見があるし、ある種のありがたみさえ生まれうるんですよ。中島らものことを笑う人はたくさんいますけど、そういう人こそ笑われてたんだと思うな。中島らもに。

10位 ぷるぷる・ぴぃぷる

ホーソーンの短編に想を得た奇怪落語、家庭内宗教戦争に火花をちらす超常識プッツンホームドラマ落語。傑作二題。抱腹絶倒、ぷるぷるすることまちがいなしのラジオ、TVでの必殺コント脚本34本。二十世紀末期調査のため宇宙船に乗り込んだオトボケ隊員、妖怪研究博士、ロック英会話教師、代官と御用商人、謎の三老忍者、不気味な双子社長が縦横無尽にTV局内を駆巡る小説。豪華三本立て異能作品。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01ER702BI

短編小説ではありますが、中島らものエッセイが好きな人はめちゃくちゃ刺さります。サービス精神旺盛な中島らもの、”笑い”のエッセンスがふんだんに詰まった作品集。

でも、初めての人がいきなりこれ読んじゃダメなので10位。中島らもの他の作品を好きな人は必読!

9位 水に似た感情

人気作家・モンクは友人のミュージシャンたちとテレビの取材でバリ島を訪れる。撮影はスタートするが、モンク自身の躁鬱と、スタッフの不手際や不協和音に悩むが、呪術師を取材し超常現象を体験した後、モンクも落ち着きスタッフもまとまる。帰国したモンクは親しい友人たちを誘い再びバリを訪れるのだが。リアルに迫りくる幻想体験を通じ、なぜか読むほどに心安らぐ小説。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01DIKN6XG

中島らもの小説には実体験を元にしてるな、っていう作品がいくつもありますが、本作もそんなテイストの小説。

『人は意識の底でつながっている』というおもしろい概念が出てきます。作家では村上春樹も同じようなことを行ってますね。

中島らもの残した書物を通して、我々は彼と交信できているのかもしれない。そんなことを考えさせてくれる一冊です。

8位 人体模型の夜

一人の少年が「首屋敷」と呼ばれる薄気味悪い空屋に忍び込み、地下室で見つけた人体模型。その胸元に耳を押し当てて聞いた、幻妖と畏怖の12の物語。18回も引っ越して、盗聴を続ける男が、壁越しに聞いた優しい女の声の正体は(耳飢え)。人面瘡評論家の私に男が怯えながら見せてくれた肉体の秘密(膝)。眼、鼻、腕、脚、胃、乳房、性器。愛しい身体が恐怖の器官に変わりはじめる、ホラー・オムニバス。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00I8YGWXY

笑わせながら怖がらせる、という、超高度な技が楽しめる作品。

いやぁ、文章書かせたら本当にスゴイ才能ですよ。すごい長編を書いちゃったんで、長編のイメージが強い読者もいるかもしれません。

が、短編の切れ味もキレッキレです。

7位 ロカ

長らく文庫化されなかった、中島らも、最後の小説。天才が予見した自らの未来は。作家・小歩危ルカ、六十八歳。巨額の印税を得て以来、新宿のホテルで一人暮らし。相棒はWネックのギター「ロカ」。あとは酒と大麻と鮟鱇鍋。「IQが185もあると予知能力が備わる。だから私の予知したことは、ほぼ、九十六パーセント当たるんだ」。著者が急逝直前まで書いていた、問題の近未来の私小説。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00O2Z4LAE

突然の転落死により絶筆になってしまった一作。

こんな言い方しちゃ、あんまりですが、こんな良い作品書き上げてから逝ってくれよ、って多くの人が思ってますよ。無茶苦茶良い出来なんです。

まぁ十分おもしろいのだけれども、最後まで読みたかった。初めての人はこれから読んじゃいけません。。。なので7位。

6位 お父さんのバックドロップ

下田くんのお父さんは有名な悪役プロレスラーの牛之助。頭は金髪、顔は赤白の隈取り、リングでみどり色の霧を吹く。そんな父親が下田くんはイヤでたまらない。今度は黒人の空手家「クマ殺しのカーマン」と対戦することになったのだ。父を思う小学生の胸の内をユーモラスに描く表題作。ロックンローラー、落語家、究極のペットを探す動物園園長と魚河岸の大将。子供より子供っぽいヘンテコお父さんたちの物語。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00E4KX1U8

子ども向けの作品。

ですが、らもさんファンにもたまらない作品集。心温まるんだけど、尖った話がたくさんあって、中島らもにしかこんなの書けない!って物語なんですよね。

もちろんお子さんも、そして大人にも。

5位 バンド・オブ・ザ・ナイト

「悪夢を見るなら今のうちだよ」と誰かがおれの耳元でささやいた――。「悪魔の館」と呼ばれる家に入り浸るジャンキーたち。アルコールをはじめ、睡眠薬、咳止めシロップなどの中毒者たちが引きおこす悲喜劇を濃密に描いた衝撃作。そして、今夜も言葉のイメージが怒濤のように、混濁した脳裡に押し寄せてくる。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00D2NG2MW

自伝的小説とされている一作。ラリった描写がたくさん出てきます。笑

いわゆる”普通”の考え方だけが価値あるものだ!!と思っている人が読んでも苦しくなるだけなので止めといた方がいいです。アウトサイダーの心を持った人でないと楽しめません。

一部エッセイなどで書かれている内容とダブっていますが、中島らもの入り口として読んで損はないです。

4位 こどもの一生

瀬戸内海の小島をレジャーランドにするためにヘリを飛ばし下見に来た男二人は、セラピー施設に治療のためと称して入院し一週間を過ごすことになった。しかしすでにそこには女二人、男一人の患者――クライアントがいた。五人は投薬と催眠術を使った治療で、こども時代へと意識は遡る。三分の二は笑いに溢れ、最後の三分の一は恐怖に引きつる。鬼才・中島らもが残した超B級ホラー小説。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01DIKN6QS

タイトルが超秀逸。

こどもの一生ってどういう意味なんだろう、考えてみてください。 

鬼才って言葉がほんとよく似合う。頭の中どうなっているのか見てみたい作家の一人。どんな画・映像が見えていたんだろうでしょうか。もちろんヤクやってる時の脳内映像も見てみたい。笑

3位 今夜、すべてのバーで

薄紫の香腺液の結晶を、澄んだ水に落とす。甘酸っぱく、すがすがしい香りがひろがり、それを一口ふくむと、口の中で冷たい玉がはじけるような・・・・・・。アルコールにとりつかれた男・小島容(いるる)が往き来する、幻覚の世界と妙に覚めた日常そして周囲の個性的な人々を描いた傑作長篇小説。吉川英治文学新人賞受賞作。 
https://www.amazon.co.jp/dp/B00C1E2V82

自伝的小説。狂ってます。こういう作家現代いないですよね~純文学書く人に一人ぐらいこういう人いてもいいと思うんだけどな。単純におもしろいし。生き様までおもしろい人ってあんまいないですよね。

命を削って書いてます。というか書くために削った命ではないので、削れた命を書いている、でしょうか。笑

読書の本来的な目的:体験できない世界を体験できる、という意味で、おすすめです。

2位 頭の中がカユいんだ

何かワケありの僕は、ある日、突然、妻と子を残して家出する。勤める小さな広告代理店に、寝泊まりするようになった僕。TV局員をはじめ、いろんなギョーカイ人たちと、夜に、昼に、昭和最後のヒートアップする大阪を徘徊する日々。次々とトンデモナイ事件が起こる中、現実と妄想の狭間で僕は……。中島らも自身が「ノン・ノンフィクション」と銘うった記念碑的処女作品集。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01ER7029A

睡眠薬などで飛んでる状態で書かれたと言われる本作。ノンフィクションと言っちゃうのがもう狂っています。『勝手に生きろ!』のブコウスキーや、『ドグラ・マグラ』夢野久作が似てる作家で思い浮かぶところです。

いや、でも彼らとは全然違うんですよね。この中島らもデビュー作はかなりしょうもない。笑

それが良いんですけどね。いやぁ、ホント死ぬのが早いよらもさん。。。

1位 ガダラの豚

アフリカの呪術医研究の第一人者、大生部多一郎は、テレビの人気タレント教授。超能力ブームで彼の著者「呪術パワーで殺す!」はベストセラーになった。しかし、妻の逸美は8年前の娘・志織のアフリカでの気球事故での死以来、神経を病んでいた。そして奇跡が売り物の新興宗教にのめりこんでしまった。逸美の奪還をすべく、大生部は奇術師ミラクルと組んで動き出す。
https://www.amazon.co.jp/dp/B013FHI470

多くの人を魅了し続け、圧倒的存在感を放つ、エンターテイメント小説のトップオブトップに君臨するのがこれ。

人生のベスト小説10冊(エンタメ小説)あげてって読書家に聞いたら、多くの人がこれ挙げるんじゃないでしょうか。

学生の頃、オススメ小説ないかなって、ネット漁ったり、友人にオススメ聞いたりすると、高確率でこれが載ってたり、勧められたりしました。それこそ『もういいよ知ってるよ』ってなぐらい。

エンタメの最高峰です。

 

おまけ:おすすめエッセイ厳選3点

エッセイ・コレクション

没後なおカリスマ性を放つ著者のエッセイ集ベスト版!生い立ち。酒。ドラッグ。文学。ロック。生と死。そして恋。「低俗ではなくて反俗、高まいさを求めるのではなくてエンターテインメントを、ヒューマニズムよりはニヒリズムを、涙よりは笑いを」。ロマンチックな眼差しと、鋭い洞察、シュールな微笑みをたずさえたユーモアセンス。夭折の天才がここにいる。
https://www.amazon.co.jp/dp/4480432833

センスの塊ってこういう人のことだなって思うんですよね。文章がとにかくキレてる。おもしろいし、手が切れるように鋭い。

あまり小説家のエッセイって好きじゃないんですが、らもさんだけは別格なので、超おすすめです。

まずはベスト版のこれから読んでみてください。 

 

心が雨漏りする日には

 

30歳でうつに襲われ、40歳であわや自殺未遂、42歳で躁に転じて大わらわ…。奇才・中島らもが初めて自らの躁うつ体験を語る。誰もが心に不安を抱える現代に、読むほどに元気をもらえるあたたかなエッセイ。
https://www.amazon.co.jp/dp/4413093186

もはや知人にいない人はいないくらいにメジャーになった鬱ですが、当時は珍しく、偏見も多分にありました(今もあるけど)。

この本を読んで勇気づけられた人はたくさんいるんじゃないでしょうか。題名がたまらないですよね。心が雨漏りって。

全ての悩める現代人に読んでほしい一冊。

僕に踏まれた町と僕が踏まれた町

 

超有名進学校「灘校」に八番で入学。ギターを弾いたり、漫画を描いたり、学業以外に打ち込みすぎて成績は面白いくらいに下降線を辿っていく。超受験校のすみっこで底抜けの明るさと底無しの泥沼の間をさまよった「落ちこぼれ」の日々。60年代後半から70年の時代のフレイバーと神戸の街が交錯して中島らもの青春がモラトリアムの闇に浮かぶ。おかしくも哀しく、忌まわしくも愛しい至福のエッセイ。

https://www.amazon.co.jp/dp/4087486397

青春感が感じれられる本は無条件に好きになってしまうのですが、文章の天才にそんなもの書かれたらもうお手上げです。

ほぼ自伝のようなエッセイで、ずっとモラトリアムだったようなものだった、らもさんの愛憎入り混じった懐古が読めます。人生ってなんなんだろうって思っちゃいます。おすすめ。 

おわりに

中島らものおすすめ小説と、エッセイを紹介しました。

サービス精神がすさまじく旺盛なせか、ユーモアが溢れていてすごい読みやすい、かつ何故か知性が感じられるんですよね。酒でラリった、睡眠薬中毒、そんな話ばっかりなんですけどね。知的なんですよ。

読んだことない人は是非よんで見てください。底が知れないです。

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