熊野古道、世界遺産観光はトレーニングも兼ねて行くのがオススメ
世界遺産”熊野古道”。
日本でただひとつの信仰の道としての世界遺産です。
熊野古道がどんなところかというと......
- 熊野大社(本宮)、那智大社、速玉大社へ向かうためのたくさんの古道
- 各大社の周辺までバスで近づけば、歩きやすい
- 大社から離れると修行僧が旅した険しいルートが味わえる
- ”王子”と呼ばれる社がたくさんある。熊野権現の御子神を祭っている
- 中辺路・大辺路・伊勢路・紀伊路・小辺路に大別される↓↓↓
困難な道を通ってまず死に(儀礼的な意味で)、清められた体で聖域に入って詣でる。
ってことだったみたいですね。
私がこの旅を計画したもともとの目的は、フルマラソンに向けて、心・(技)・体を鍛えることでした。一人で山中を歩き、自分の限界と向き合って心身のスタミナをつけるぞ☆
っていう狙いでした。
結果的には、全身がパンパンにまりましたが、疲れの限界を突破すると、スピリチュアルな体験ができたんですよね。ほんと最高でしたよ。
あと、山の中で絶景を一人占めしたり、見たことないような満点の星空の下テント泊したりもして、超絶感動しました。
この記事では旅行記・冒険記を写真付きで載せます。また、このときは初めての野宿でしたが、終えてみてから色々学んだので、野宿に必要な準備についても伝授したいと思います。
目次
- 熊野古道、世界遺産観光はトレーニングも兼ねて行くのがオススメ
- 1日目 トレイルランでヘトヘト!野宿地での満点の星空は死ぬまでに見るべき絶景
- 2日目 熊野大社到着!達成感に浸りながら温泉&絶品居酒屋を巡る
- 3日目 海辺の道は最高。迷いまくって疲労困憊
- ノウハウ!アクセス/トレイルラン&野宿の基本戦略
- おわりに
- あわせて読みたい
1日目 トレイルランでヘトヘト!野宿地での満点の星空は死ぬまでに見るべき絶景
1日目は下記工程☆
- JR紀伊田辺駅着(10:00)
- バスで滝尻王子へトレイルラン&ウォーク開始!(11:00)
- 2時間おきぐらいに休憩しながら進む(7時間ぐらい)
- 小広王子近くの休憩ポイントでテント泊(19:00)
- 夜中の絶景~星降る夜~(翌1:00)
拠点は紀伊田辺駅(10:00)
旅の始まりは紀伊田辺駅から!南国感が感じられるのと、人が少ないので異国に来たようでいい気持ちなんですよね~。ひたすら歩きまくるので、腹ごしらえでおにぎりを3つほど。水も2L(500ml×4)調達しておきます。
バスも本数が少ないので注意。時間に合わせて歩く距離が調整できますが(数kmから数十キロまで)、日帰りの場合は朝イチで出かける方が良いです。
ちなみに、紀伊田辺駅へは、大阪からだとだいたい2時間半ぐらいかかります。関空からだと 2時間弱です。
バス停”滝尻”で降りて、聖域の入り口”滝尻王子”からスタート!(11:00)
トレーニングも兼ねたルートを選択しました。
滝尻王子から、1泊2日で40kmをトレイルウォーク&ランして本宮までたどり着く、ヘビーなルートです。
したがって、スタート地点にもあまり人はおらず、自分だけの世界を存分に楽しめます。まさに修行僧のようなイメージで、冒険心に心が躍るんですよね。
初めは歩きやすい(11:15)
スタート直後は山に入っていく途中なので、比較的歩きやすいです。日本を感じさせる繊細な木々が素敵でした。
歩きにくい道が雨で。。。(13:30)
しかし30分もすると、山です。しかも自然のままのような道もたくさんあるんですよね。
更に悪いことに、猛烈な雨も降ってきて、大変なことに。道なき道がぐちゃぐちゃで滑るし寒いし怖いしで大変です。自然に立ち向かうというワクワク感がなければ、メンタルがやられてましたね。
本当にきちんとした装備をしていて良かった。晩夏とは言え、濡れたまま宿泊なんかしてしまうと低体温症で命の危機ですから。。。
休憩所で簡易テント泊(18:30)
初日は休憩もしながら7時間で22kmぐらいは進めたでしょうか。川の水でタオルを絞って体を拭き、誰もいない山中の休憩所でテントを張ります。
水辺×木々=マイナスイオン最強!
ヘトヘトの体がむちゃくちゃ癒やされます。
ビショ濡れの肌着をかわかし、ひと眠り (19:00)
服を乾かしながら眠りに付きます。
トレイルラン(ウォーク)では、デコボコ道や木の根、石段飛ばしなど、不安定な場所をたくさん歩いて走るので、普段使わない筋肉が使われて体中が痛くなります。体全体でバランスを取っているんですよね。
この日は本を読みながら一瞬で眠りについてしまいました。快適な寝袋買っておいて良かった~。
外へ出ると満点の星空が!(01:00)
一瞬で眠りにつけたのですが、いったん夜中に目が覚めたあとは、ほとんど眠れなくなってしまいました。
暗闇怖い。 笑
いや、これホント予想外でした。なんか獣とか来たらどうしよう、とか考えちゃって寝れなかった(人の匂いがあるから寄ってこないんですけどね。笑)。
で、目が冴えちゃったし、思い切って外へ出てみよう!って出てみると・・・
最高の星空が!!写真じゃ伝わらないけどものすごかったです。星降る夜ってあるんだなって。
人生ベスト3に入りますね。(他はアラスカ、北海道とかもすごかった)
この星空を見てたら、なんて自分がちっぽけなんだろう、って思って、体の中でズキューーンって音がしました。覚醒した音だったんだろうか。とにかく特別で強烈な体験でした。
2日目 熊野大社到着!達成感に浸りながら温泉&絶品居酒屋を巡る
2日目は下記工程☆
- テントを畳んで出発(6:00)
- 発心門王子を過ぎると観光客が急激に増える(10:00)
- 遂に到着!熊野本宮(11:30)
- 大日越!急な斜面を上り下りして念願の温泉へ(14:00)
- 川下りを断念。バスで新宮へ(17:00)
- 居酒屋熊五郎は神ってる!(19:00)
早朝の森林浴は超贅沢(6:00)
満点の星空ですっきり眠れたあとは、明るい朝日で目覚めます。
テントが自然の光で白く輝いて目覚めるって、意外とテンション上がりますよ。無茶苦茶気持ちよく起きれます!
テントをさっとしまって、川の水で顔をあらって目を覚まして、クラッカーとおにぎり、粗末な朝食を済まして出発です。
発心門王子までは絶景を独り占め(8:00)
前日に引き続いて山の中を進みます。発心門王子まではずっと写真のような景色が楽しめます。
誰もいないので、絶景を独り占め。
発心門王子を超えると出店も(10:00)
発心門王子から熊野本宮までが、観光名所として有名です。すなわち、人が増えます。人が増えると、出店が増えます。
修行僧のような道のりから、幾分歩きやすい道も増えます。時間がない方、初心者の方は発心門王子からでも楽しめると思いますよ。
遂に熊野本宮大社へ!身も心も成長(11:30)
到着!
奈良育ちの私の感想...『意外と普通』笑
発心門王子から長く見て2時間歩けば本宮へ辿り着けます!
いやあ、本宮は壮大なんですが。東大寺に法隆寺、飛鳥の古墳を見て育った私にとってはそんなに大きな感動はありませんでした。笑
ただ、40km越えの山道を1日半かけて走破した達成感、やばいです。すんごい自信になります。この体験で根性がかなりついた気がします。
旧社地「大斎原」を経由して温泉へ(13:00)
本宮観光もそこそこに、昔の本宮である”大斎原”を経由して、向かうのは...
温泉!
そうなんです。熊野古道にはいくつか温泉地があるんですよね。本宮に最も近い湯の峰温泉へGO!
急激な坂でヘトヘト!大日越のあとは温泉でノンビリ(14:00)
距離的には短いんですが、”大日越え”と呼ばれる峠越えがあるんです。これがもうすんごいキツイ!
ただでさえ疲労がたまった身体鞭打って辿り着いたのが湯の峰温泉。
むちゃくちゃ素敵な温泉街でした。250円の公衆浴場にしっっっかり浸かって気持ちよかったーーー自分を追い込んだ後の温泉は極楽です。
新宮の居酒屋”熊五郎”は最強の居酒屋!(19:00)
山の中の本宮から一気に海側へ川下りするルートもあったんですが、スケジュールの都合上、一気にバスで新宮へ移動しました。
適当に街の人にヒアリングしたり観光ガイドを見たりして、何やら神がかった居酒屋があるらしいということがわかっていったのがここ、熊五郎。
もうね、最高ですよ。味よし、価格よし、おやっさんよし、お客さんよし。
新宮いったら是非寄ってみてください↓食べログ
https://tabelog.com/wakayama/A3005/A300501/30002964/
おやっさんの新鮮な魚とふるさとの味(21:00)
毎夏、東京からこの店に来ているという常連(といっても年1ですが?)のお客さんがいらっしゃいました。結構そういうお客さんもいるらしく、おやっさん含め、色々なお客さんとおしゃべりしながら飲んで、めちゃくちゃ楽しい時間でした。こういう店に出会えるのって、一人旅の醍醐味ですよね。
地元のお客さんもたくさんいました。愛されている店です。
3日目 海辺の道は最高。迷いまくって疲労困憊
最終日3日目は下記工程☆
- 二日酔いの中出発(10:00)
- 新宮駅からローカル電車に乗って大辺路海沿いを優雅に電車旅(11:00)
- 大辺路を飛び越えて紀伊路へ!切目駅スタート(13:00)
- 海に山に迷いまくる4時間
- 何とかゴールの南部駅到着。達成感と切なさに包まれる(19:00)
中辺路から大辺路・紀伊路へ(13:00)
二日酔いのまま新宮駅から海沿いのローカル電車に乗って白浜方面へ。
南側の海を望む大辺路、西側を望む紀伊路、いくつも熊野古道のルートがありますが、私が選んだのは、切目駅から南部駅までを海沿い、山中を歩きまくるコースです。
この日は疲労もたまっていたので12.1km。
砂浜を通るルートも(14:00)
砂浜を歩けるのがこのコースの魅力。
昔の人も同じ海を眺めていたのかな、なんて考えながら美しい潮騒を聞き、歩きます。
山中のルートも。人が少なくて迷う(15:00)
メジャーなルートじゃないので、ガイド・標識が少ないのでわかりにくい!!
何度も迷って下の↓ようなことに。↓
道を間違うとこうなります(15:10)
崖やん。無理やん。
マジで焦りました。30分同じ道を戻る。30分とはいえ辛かった。。。他にも迷いまくって合計1時間はロスりましたね。はい。
少ない電車をのんびり待ちながら旅の終わりを愛でる(19:00)
迷いながらもなんとかゴールへ。
早く終われ!って気持ちと、もう終わっちゃう。。。って気持ちが混ざりながら駅に辿りついた時は、夕日が沈んでいて、切なさに泣きそうになってしまいました。
全く人がいない山の中で過ごした1日半、新宮で出会った人々、海や山や星空の景色、全てが良い思い出になりました☆
ここからは初心者が始めて山中でソロ野宿をしながら修行をしてわかったことをまとめます。
ノウハウ!アクセス/トレイルラン&野宿の基本戦略
熊野古道の王道ルートは中辺路です。
上皇たちも歩いたメインルートで、一番メジャーかつ見どころもたくさんあります。大阪側から内陸へ歩いて行くのが基本ルートです。
熊野古道中辺路へのアクセス
大阪駅からJR特急を使えばだいたい2時間半ぐらい。
紀伊田辺駅が拠点です。
紀伊田辺駅からバスで40分の滝尻バス停のそばの滝尻王子が、熊野の聖域の入り口とされています。バス停側に地図や軽食が置いてある熊野古道館があるので立ち寄ると良いです。
*王子・・・熊野権現の御子神を祀った神社の総称のこと
トレイルランの基本戦略
覚えておくことはたった2つ!
- 山の中にいる時は交通手段はないものと思って野宿の準備をしておくべし
- 海沿いは電車があるから安心
ということで、野宿の基本装備。持ち物は少なければ少ないほど楽なんです。
しかし、快適に野宿するために必要なものもあるので、重さと快適さはトレードオフですので悩みどころ。ここでは最低限の装備だけ紹介します。
野宿に必要な装備
テント
雪山ではない野宿なので、ツェルトという簡易テントが良いです、軽いし、安い。浮いた分を寝袋に投資しましょう。ちなみに、寝袋は絶対安物はダメ!睡眠での体力回復は命!
安くて品質の高いモンベルがおすすめです。簡単に設置できます。
寝袋
寝袋の値段をケチるのはやめましょう。寝れないと死にます。寝れさえすれば相当回復できるので。
また、モンベルのダウンハガーシリーズは、数字が大きくなるほど上位モデルになり、マイナスの温度下でも使用でき、どんどんコンパクトに収納できるようになっていきます。
650は重さが1kgぐらいと軽く、大きさが2Lのペットボトル2.5個ぐらいに収納できる、コスパ抜群の寝袋です。
モバイルバッテリー
これも必需品ですね。写真を撮ったり地図アプリをずっと起動してたりすると、1日もすればバッテリーはなくなるでしょう。写真はともかく、GPSは絶対にあった方が便利なので、睡眠中や休憩中に充電できるようにモバイルバッテリーは必須。
防水の服(雨具)
山の中なので雨対策は必要。濡れると体力が無茶苦茶減り、最悪低体温症になってしまうので注意。
モンベルのゴアテックスまで装備すれば完璧ですが、廉価シリーズのサンダーパスでも十分対応可能です。本当に安くて高性能で、これさえあれば雨でも進軍できます。
水分と非常食
もし怪我で動けなくなっても、水と非常食、それにテントさえあれば人が来るまでじっとしていても大丈夫。自販機や売店は点々とですがあるので、常に1.5L-2Lの水は持ち歩いておく、アメやチョコレート、クッキーなど、カロリーのある食べものを常に手元に置いておくことを心がけましょう。
リュック
走るので体に密着できることは必須。あとは、正直これまで上げたものが入ればなんだって良いです。40Lあれば良いけど、25Lでも何とかなる。っていうか大きいリュックぐらい持ってると思うので、わざわざ買わなくてもOK。
どうしても新しく買うなら登山用のド定番。おしゃれブランドリュックのミレーがおすすめ。
その他普通のお泊まりセット
着替えは肌着と下着だけでOK。歯ブラシとか薬とかタオルとか、普通のお泊まりセットを準備しましょう。
絶対あった方が良いもの
絶対にカメラを持っていきましょう!スマホじゃなくて、ちょっと良いカメラがあると思い出の質が断然変わってきます。
ちなみにこの記事の写真のほとんどはレンズスタイルカメラで撮影しました。
超おすすめです。
おわりに
熊野古道の冒険記を写真付きでお届けしました!
トレーニングを兼ねた観光として無茶苦茶良かった。精神的にも鍛えられる場面もたくさんありました。それに、一人きりだと自分と向き合える時間がたくさんあってよりオススメですよ!
ぼっち旅、楽しい。
あわせて読みたい