はじめに:誰だってキレやすい
キレる17歳、という言葉が生まれてからかなりの時が立ちますが、現代の若者はどうなのでしょうか。おとなしくなってきているのでしょうか?どちらかと言うと大人の方がキレやすくなってる?キレる17歳がそのまま大人になりきれずに年を取った?ある意味正しそうな気もします。
きっと若者の心を忘れられてないんでしょうね。若者は誰だって不安定でしたから。そのまま大人になっちゃったのかもしれません。本作はそんな不安定な心を持った少女たちの姿を描いた映画です。
本作でそんな若者のうちの一人を演じるアンジーは、この映画でのクレイジーかつ細やかな演技が評価されアカデミー助演女優賞を受賞します。役柄も魅力的で、『カッコーの巣の上で』のジャック・ニコルソンを彷彿とさせます。アンジーの出世作的位置づけですが、私的には本作がアンジーのベストアクトだと思います。
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目次
あらすじ&作品概要
探しに行こう心にできた隙間を - 埋めてくれる何かを。自殺しようとしたんじゃない。消そうとしたの。
スザンナは自殺するつもりではなかった。何かに苛立ち、何かが不安だった。娘に手を焼いた両親は、精神病院への入院をスザンナに勧める。そこで“境界性人格障害"と診断された彼女はエキセントリックな患者リサと出会う・・・。
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:ジェームズ・マンゴールド、リサ・ルーマー、アンナ・ハミルトン=フェラン
出演:ウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー
アンジェリーナ・ジョリーの名演、リサに誰もが憧れる
アンジーはこの映画で、精神病院の圧政に負けず、自由を求めて度々脱走する、精神病院内のリーダー・リサ役を演じています。
序盤の対決の構図としては、精神病院内に押し込めておこうとする悪い看護師たちvs自由を求めてロックなリサたち(主人公含む)というもので、どう考えたってリサの方に感情移入していくのは当たり前です。それに、このリサですが、1962年公開『カッコーの巣の上で』で、患者の人間性までを統制しようとする病院から自由を勝ちとろうとする男を演じたジャック・ニコルソン、ばりにクールなんです。
でもそれだけでは物語が終わらないところがこの映画のおもしろいところ!『カッコーの巣の上で』の少女主人公版かよ~と思わせて、裏切ってきます。ちゃんと期待超えてきます。まぁそのまま少女を主人公にしただけだったら話題にならないですよね。
余韻を残す終盤
主人公のスザンナは最後にどうなったのか。治ったのか、治っていないのか、リサはどうなってしまうのか、涙の理由は突き詰めると、、、などなど、いろいろ考えることの多い映画です。ある程度は観客に結末を預けたものにはなっています。
思春期の多感な時期に、感受性が尖すぎて社会と折り合いがつけられるか不安だった、そんな経験は誰にでもあったはずです。今でも心のどこかにそんな気持ちが残っていて、リサやスザンナの姿によって、そんな自分を思い出させられる。そんな胸の詰まる映画です。
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