はじめに:子どもと大人で、脳のつくりに違いがある
当たり前といえば当たり前の事実ですね。ですが、我々はその事実に基づいて子育てをしているのでしょうか。
自分が成功した、大人向けの勉強方法をそのまま押し付けてはいませんか?脳の成長過程で、神経細胞が増える時期、不要なものを間引きされる時期、どんどん情報伝達回路が強化されていく時期、それぞれにあった鍛え方をすべきということを考えたことがありますか?
子どもには子どもの脳に合わせた鍛え方が必要です。もちろん脳科学については全貌が解明されておらず、諸説ある分野なので注意が必要ですが、基本的な知識を持って、子育てに望むことをオススメします。
子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!―脳を鍛える10の方法 (幻冬舎新書)
- 作者: 林成之
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/01
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 19回
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目次
5つのポイント
本書には10の方法が書かれていますが、それを参考に、私なりに5つのポイントにまとめたものを紹介します。
1. 脳の成長過程には、時期によって特徴がある
脳の成長過程には特徴があります。下記のポイントを押さえましょう。
- 0-3歳:脳神経細胞が増え続ける期間
- 3-7歳:脳神経細胞が微減していく、間引き期間
- 7-10歳:神経回路を鍛える期間
これを踏まえて、各年代で何をすればよいのか、考えていきましょう。
2. 0-3歳:耳を鍛えて、本能を磨く
大人もそうですが、子どものころというのは、興味のあること、好きなことに関しては吸収力、理解力、記憶力、思考力が大きくなります。この時期にはその本能、人やものを好きになる力、本能を磨きます。
方法は簡単です。愛情を存分に注ぐ。これが大きな幹をなす基本です。具体的には、明るい表情で笑いかけて、失敗を認めながらもよく褒め、生きる素晴らしさを伝えます。興味を持ったことはやめさせず、どんどん自由にやらせましょう。取り組む物事は関係ありません。成功体験を積ませる感覚で、手伝わずに自分の力でやることを応援しましょう。(ただし、不道徳なことはやめさせましょう)
逆に、無理に知識を詰め込む必要はありません。無理強いし、嫌々やらされることによって効率が悪いだけでなく、この先大切な愛し、尊敬する力が弱まります。
3. 3-7歳:悪い習慣を取り除く
この時期には、3歳までで大幅に増加した神経細胞が間引かれていき、次の7-10歳で脳神経伝達回路を強化して才能をのばす、その回路を選別するステップです。
悪い習慣の回路を間引き、良い習慣の回路を残すようにする期間が3-7歳の期間です。
悪い習慣とは具体的には下記です。
- 面白くない、どうでもいいという口癖
- できない、やりたくない、など、否定的な口調
- 話を聞き流す、人をバカにする
- 手を抜く、最後までやり抜かない
この記事の初めからお伝えしていることですが、好きなもの、楽しいことというのは理解も早く、記憶にも残りやすく、何をやるにも効果的なのです。しかし、この回路を働かせるには、そういうマインドセットを脳内につくり上げる必要があります。
なので、否定的な口癖や口調、人をバカにする、などの習慣はここで取り除くようにししょう。ただし、無理やり止めさせるのは逆効果です。まずはそういう思考になっている子どもの心を受け止めて、良い思考を促すように、普段から愛情を注いで、世界が素晴らしいのだ、ということを伝えましょう。
また、才能を発揮するために、『全力投球すること』も意識させましょう。才能をどんどん磨くには、常に自分を越えていく必要があります。
知識などの詰め込みは、この時期にも必要ありません。あくまで土台を作りましょう。
4. 7-10歳:自主的に取り組ませる
ここからは、これまで作ってきた土台を一気に花開かせる時期です。勉強にスポーツ、楽器演奏、絵画、なんでも構いませんが、どんどん取り組むようにしましょう。
ただし、絶対にNGなのが、努力の強要です。もうおわかりだとは思いますが、自主的にやるのと、やらされるのでは効率が全然変わってきます。
さらに、この時期では自己報酬神経群の働きが活発になってきます。この働きをうまく使えばどんどん成功するようになります。大切なのは、子どもに選ばせること、です。
放任するしかないってこと? と思った親御さん、それは違います。うまくお子さんを誘導すれば良いのです。例えば、この頃になれば、『勉強すること』はある程度大切なことだということは理解できるようになっているでしょう。(勉強だけすればよい、とは別問題ですが)。
なので『今日はたくさん宿題が出たね。宿題とゲーム、どっちからやるの?』など、子どもが自ら選びとる形で会話をしましょう。これまでしっかりと信頼関係を作ってきていれば、スムーズに進むはずです。
また、この時期はやはり母性というものが強く影響しており、母親への愛情が強いです。ですが、父親もできることはたくさんあります。日常を離れた息抜きの時に、経験を語ったり、成功へのイメージを持たせることで、子どもたちもより前向きになれるでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。基本は世界を愛せるように育てること、自主性を鍛えて、成功体験を積ませること、ですね。
子育てをされている時にはわからないかもしれませんが、おとなになった時に、自分の家庭で育てられて良かったな、と思われるような子育てをしたいものですね。
子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!―脳を鍛える10の方法 (幻冬舎新書)
- 作者: 林成之
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