はじめに:スクールカウンセラーが語る育児論
どの育児本を読んでも書いてある大切なことがあります。
それは、自己肯定感を持たせること、生きてて良いのだという安心感を与えること。
その方法論はたくさんありますが、どうすれば自己肯定感を持った子を育てられるのか。スクールカウンセラーで医者の明橋大二が語る育児論を紹介します。
目次
- はじめに:スクールカウンセラーが語る育児論
- 目次
- なぜ子どもの自己肯定感を高めることが大切なのか
- 10歳までは徹底的に甘えさせてOK
- 子どもの自己肯定感を高めるためにできる3つのこと
- おわりに
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なぜ子どもの自己肯定感を高めることが大切なのか
子どもの心の育ち方は、甘えと反抗の繰り返しだ、と言われています。
- 甘え=依存
- 反抗=自立
この2つが繰り返し繰り返し行われていくことで、最後に自立する時が来るのです。
十分に甘えて依存を満喫した子どもには、自然に自由を求める心が芽生えます。そうして自由を手に入れるため反抗をするのです。ただし、自由には困難がつきものです。子どもは完全な自由を謳歌できるほど強くはなく、そのうち不安が生まれてきます。
そこで存分に甘えさせてあげることで、また自由を求めます。その繰り返しで、次第に自立していくのです。
自立のためには、十分に自己肯定感を高めて上げて、帰っこれる場所を作ってあげることが大切です。
10歳までは徹底的に甘えさせてOK
甘えさせすぎるのはよくない、これは真実のように聞こえます。
もちろん甘やかすのはいけません。では、甘えさせるのと甘やかすの違いは何でしょうか?
それは、どちらが主導かで判断できます。
大人が主導して大人の都合で、先回りして何でもしてあげることを『甘やかす』。
子どものペースを尊重して受け入れることを『甘えさせる』。
そして、10歳ぐらいまでは、徹底的に自己肯定感を高めましょう。そのためには、子どもが甘えたいだけ甘えさせることです。自分が生きていても良いということ、自分が愛されるに値する人間なのだ、ということを根付かせるのです。
それは大きな成功体験となり、何事にもチャレンジする子に育つでしょう。
子どもの自己肯定感を高めるためにできる3つのこと
それでは具体的な方法を見ていきましょう。3つです。
赤ちゃん:スキンシップ
語りかける、笑顔で見つめる、そしてなにより抱きしめてあげることです。赤ちゃんの注意が向いている時に反応を返すと『大切にされている』と感じます。その感情こそが、生きていて良い、世界は素晴らしい、と信じられる源になるのです。
また、赤ちゃんが泣くのは甘えの感情が発露している場合も多いです。甘えられるからこそ泣く、ということは、存分に泣かせてあげて、存分に抱っこしてあげましょう。抱き癖、は気にしなくて良いと本書では言い切っています。それどころか、10歳までは甘えられるだけ甘えさせてあげるべき、とも言い切っています。
安心して赤ちゃんのうちは抱きしめてあげましょう。
小さい子ども:話を聞く
話ができるようになったら、真剣に話を聞きましょう。
大きく頷き、子どもの言った言葉を繰り返します。ここで大切なのは、共感しようとすることです。解決策を提示するのではありません。これは女性の扱い方と同じですね。
また、聞くのがメインです。ついつい昔話など、自分の話をしすぎてはいけません。相手のイライラをすっきりさせてあげることに加えて、真剣に話を聞いてくれる、受け入れてくれる、という安心感を与えてあげることが大切です。
『ありがとう』をたくさん使う、『がんばれ』より『がんばってるね』を使う
2つの言葉はともに、子どもを認める言葉です。
大人である自分の立場でもそうですよね。頑張っているところを見つけてもらったり、小さなことでも感謝されたりすると、それだけで頑張ることができたりしますよね。
子どもの場合は特に顕著です。かわいげのなかったりする子は特にナイーブな子多いので、認めてあげることが大切です(例え悪態が返ってきたとしても)。
積極的に認めてあげて自信を与えましょう。そうすれば、自ら良い方向へ勝手に育っていくことでしょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
子育てテクニックの書かれた本はたくさんありますし、どれもある意味正しいことを語っているとは思います。けれど、根本にある、最もエッセンシャルなこと、『子どもを愛し、生きていても良いのだ、ということを実感させてあげること』、それを忘れないでおきたいものです。
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