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カミュおすすめ小説!どんよりするけど人間洞察が鋭いベスト5作ランキング

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寡作のノーベル賞作家の闇は深い

フランス領アルジェリア出身。アルジェ大学卒業後ジャーナリストとして活動、第二次世界大戦中に刊行された小説『異邦人』、エッセイ『シーシュポスの神話』などで注目される。また『カリギュラ』『誤解』などを上演し、劇作家としても活動した。戦後に発表した小説『ペスト』はベストセラーとなったが、エッセイ『反抗的人間(フランス語版、英語版)』はその思想をめぐって毀誉褒貶を受けた。1957年、史上2番目の若さでノーベル文学賞を受賞している。1960年、交通事故により急死した。
カミュの著作は「不条理」という概念によって特徴付けられている。カミュの言う不条理とは、明晰な理性を保ったまま世界に対峙するときに現れる不合理性のことであり、そのような不条理な運命を目をそむけず見つめ続ける態度が「反抗」と呼ばれる。そして人間性を脅かすものに対する反抗の態度が人々の間で連帯を生むとされる。
タレントのセイン・カミュは従孫(兄の孫)にあたる。
アルベール・カミュ - Wikipedia

人類の道義心の問題点をえぐり取って照らしたことが評価され、若くしてノーベル賞を受賞するなど、人間の心の闇を読み取る力がスゴい作家です(なので、おのずと作品も暗くなりがちです)。盟友サルトルとのケンカもあったりして、晩年は孤独さが増し、作品もどんどん暗くなっていっちゃいました。
また、若くしてノーベル賞を受賞したので、たくさん作品が読める!というわけではないんです。寡作な作家で、戯曲なども手がる劇作家でもあったとはいえ、読める作品数が少なすぎです。。。46歳で亡くなってしまったのも惜しまれます。もっと読みたかったなぁ。
この記事では、戯曲は除く、カミュの小説に絞って5作をランキング形式で紹介します。  

目次

 

ランキング

  • 独自ランキング
  • 太陽が眩しすぎたから5作しか選べませんでした
  • 小説のみが対象。戯曲などは除く

 

それではランキングどうぞ!

5位 転落

 

パリでの弁護士生活を捨て、暗い運河の町・アムステルダムに堕ちてきた男、クラマンス。彼の告白を通して、現代における「裁き」の是非を問う、『異邦人』『ペスト』に続くカミュ第三の小説
https://www.amazon.co.jp/dp/4102114106

カミュの小説は暗い。 
あまりにも単純ですが、暗いんです。特にこのあたりの作品は、盟友サルトルとの論争の果てに、孤独に囚われているような印象さえ受けます。
『告白の本質は、”告白は不可能だ”ということだ』とは、三島由紀夫の言葉でしたが、彼の意味を考え直したくなるような作品です。

4位 追放と王国

 

不条理な現実、孤独と連帯といったテーマを扱った六篇の物語からなる、最初で最後の短篇集
https://www.amazon.co.jp/dp/4102114106

『転落』を加えて7編になるはずだった短編集の残りの6編が『追放と王国』です。7編を揃えた短編集も日本では出ているので、そちらがおすすめ。
すごく芸術性が高くて美しいのですが、息苦しくて胸が詰まりそうになるので、健康な時に読んで下さい。 

3位 幸福な死

 

平凡な青年メルソーは、富裕な身体障害者の“時間は金で購われる”という主張に従い、彼を殺し金を奪う。『異邦人』誕生の秘密を解く作品。
http://www.shinchosha.co.jp/book/211408/

未完の作品。死後に出版されたもので、カミュが発表を望んでいたのかどうかは疑問です。ただし、カミュの文章が読めるというのはGOOD! 
構成がまとまっていないところも多々あるので、散文として読むのもアリ。

2位 ペスト

 

アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。
https://www.amazon.co.jp/dp/4102114033

カミュの唯一と言っても良い長編小説。
熱病・ペストという圧倒的な存在の前になすすべなく次々に倒れていくまち人々、それでも連帯し、戦い続ける人々。両者の対比が感動的なまでに美しく描かれています。
読み物としてのおもしろさという点ではペストがNo.1で間違いなし!

1位 異邦人

 

母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。
通常の論理的な一貫性が失われている男ムルソーを主人公に、理性や人間性の不合理を追求したカミュの代表作。
https://www.amazon.co.jp/dp/4102114017

カミュといえば異邦人。
なぜタイトルが異邦人なのか、初読時にはわからなかったんですよね。なぜなら主人公ムルソーが異邦人とは思わなかったから。
今ではその意味がわかります。ルールや規律、意味付けを重んじる社会に生きる以上、それで縛ることのできない人については異邦のものとして排除するしかない。そんな世界に我々は生きているということなんです。
自分の人生のステージが変わるにつれて、読むたびに印象が変わっていく傑作小説です。

おわりに

カミュのおすすめ小説ベスト5をランキング形式で紹介しました!

芸術性は高いけど、暗くて読むのがしんどい、、、そう思われがちなカミュ。確かに暗い作品もあるんですが、基本的には短い話が多いので、さくっと読めちゃいます。
ただし、辛い時に読まないでください。思念の渦に巻き込まれて出られなくなっちゃいますよ。

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