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きゃすのキラキラブログ

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ドストエフスキーのおすすめ小説5大長編+α読みにくい順に紹介していく【日本人作家にも多大な影響】

小説
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はじめに:世界的大文豪の五大作品は難解?

イエスであり、ノーでもあります。

もちろん読むのが辛くなるほど難解なものもあります、ただ、およそ小説の全てが詰まっていると言っても過言ではない、楽しく読める大長編もあるのです。

また、ドストエフスキー作品を読んでおくと、現代小説を読む幅が広がります。というのも、ドストの作品に影響を受けた作品がたくさんあるからです。気に入った作品から派生する世界はすさまじく広いはずです。

日本人作家にも大きな影響を及ぼしています、というか昔は必読書だったと言っても過言ではありません。夏目漱石、太宰治、芥川龍之介、川端康成、遠藤周作、島崎藤村などなどは確実に影響を受けてるはずです。ドスト作品が古典と呼ばれていないであろう頃から必読でした。

現代でも、『カラマーゾフの兄弟』のような小説を書くことが最終目標と公言していた村上春樹はもちろん、平野啓一郎なんてもろ影響を受けてます。安部公房や三島由紀夫、大江健三郎なども存分に読んでいたでしょう。


ともかくおよそ全ての作家が通って行き、何かを得て(もしくは失って)いく大作家です。トルストイと並ぶロシアが誇る世界的文豪ですね。

この記事ではドストエフスキーのおすすめ作品を難解な順に紹介していきます。五大長編+αという構成です。それぞれ読みがたさは別枠です。

 

目次

 

ドストエフスキー五大長編

下へ行けば行くほど読みやすくなっていきます。早速どうぞ!

未成年 

未成年(上)(新潮文庫)

未成年(上)(新潮文庫)

 

 

未成年(下)(新潮文庫)

未成年(下)(新潮文庫)

 

富豪となり、権力を得ることによって自由を求めようとする私生児アルカージイ・ドルゴルーキー、信仰と不信、西欧とロシア、地上的な恋情と天上的愛に引き裂かれ、そのような自我の分裂を、「万人のための世界苦」に悩まなければならないロシア知識人の宿命と見る、実父ヴェルシーロフ――この分裂した人間像に、アルカージイの戸籍上の父である巡礼マカール老人の神を信じる素朴な精神が対置される。ドストエフスキー後期五大長編の一作。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01GJGMBF0

四大作品、という分類されると排除されてしまう、五大作品の崖っぷち作品です。 

 
最も難解で読みにくいです。ドスト作品はどれも名前が難解で、呼び方もコロコロ変わるので集中しないと読めないのですが、本作は物語を前に運ぶエネルギー、読者にページをめくらせる力が若干弱めではあるのです。

ただし、ドストエフスキーファンにはベストに挙げる人もいるほどで、青春小説としての景色が垣間見えたりする素晴らしい瞬間にも出会えるので、ファンは必読です。玄人向けではあります。

 

悪霊

悪霊(上)

悪霊(上)

 

 

悪霊(下)

悪霊(下)

 

巻頭に、悪霊にとりつかれた豚の群れが湖に飛びこんで次々におぼれ死んだという聖書の引用を置いた本書は、無神論的革命思想を中心に、さまざまな「悪霊」が破滅へと沈んでいくさまを壮大な構想で書き上げた作品。作者はこの作品について、「主人公は一生のあいだに無神論者、信者、狂信家、または異端者に、そしてまた無神論者になっている」と述べたが、知力・体力ともに傑出した悪魔的な超人スタヴローギンは、次々と友人を巻き込みながら「破滅への道」をひた走る。「悪霊」は欧米版では「憑かれた人々」というタイトルになっている。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00LGDVWJI

テーマ的には最も重苦しい物を扱っているのではないでしょうか。無政府主義、無神論、ニヒリズム、社会主義革命など、エンタメ的に頼むのはおよそ不可能のように思える物語です。ニーチェも人神思想について注目したとか。

その分読むのが辛い部分も多いです。

この小説の持つパワーはやはり主人公の魅力です。主人公のスタヴローギンは、善と悪に分けると完全な悪です。たくさんの人を殺し、陵辱した少女が自殺するのをほくそ笑むのです。それでも私たちはどこか彼に惹かれてしまうのです。誰しもが彼にどこか憧れ、我々の一部はどこか彼であるのです。


また、読書家に読んでほしいおもしろいポイントとしては、ツルゲーネフをパロった登場人物が出てきます。俗っぽい小物扱いされるなどして絶交することになるという逸話を持ちます。ツルゲーネフはツルゲーネフで、彼なりに良いもの書いてたんですけどね。ドスト大先生からしたら気合が入ってなかったんでしょうね。

 

白痴

白痴1 (河出文庫)

白痴1 (河出文庫)

 

 

白痴2 (河出文庫)

白痴2 (河出文庫)

 

 

白痴3 (河出文庫)

白痴3 (河出文庫)

 

『罪と罰』に続く長編で、他の『悪霊』、『未成年』、『カラマーゾフの兄弟』と共に後期五大長編作品と言われる。レフ・トルストイは本作について、「これはダイヤモンドだ。その値打ちを知っているものにとっては何千というダイヤモンドに匹敵する」と評したといわれる。
題名の『白痴』には2つの意味がある。主人公ムイシュキン公爵が文字通り知能が著しく劣っているというもの(現代ではこの意味での「白痴」は差別的意味に捉えられることもある)と、「世間知らずのおばかさん」という意味である。しかし、作者はどちらの意味においても否定的に描いていない。ドストエフスキーは、白痴であるムイシュキン公爵を、誰からも好かれる文句なしの善人として描いた。
ドストエフスキーは、文句なしの善人である主人公ムイシュキン公爵を造型することにより、そんな人物が当時のロシア社会に現れたとしたら、いかに周囲に波乱を巻き起こすかを描こうとしたという。 
https://www.amazon.co.jp/dp/B00UI68UEO

ドストエフスキーには珍しく、善人が主人公の作品。これが売りの小説です。恋愛小説でもあり、むちゃくちゃ魅力的なナスターシャがヒロインです。美しすぎるが故に、教養がある、それ以上に賢すぎるが故に、背中に大変な重荷を背負っているが故に、、、ここは本編を読んで欲しいですが、彼女がどうなっていくのか楽しみながら読めます。

物語の中でも外でも悪女扱いされることもある彼女ですが、『白痴』の主人公ムイシュキンとどのような絡みをするのでしょうか。その辺りに注目して読んで欲しいです。

本当に聖人です。主人公ムイシュキンはドストエフスキーのどこか一部でも反映しているのでしょうか?他の作品を読んでいるとそうは思えませんが。 

  

罪と罰

罪と罰 上 (岩波文庫)

罪と罰 上 (岩波文庫)

 

 

罪と罰 中 (岩波文庫)

罪と罰 中 (岩波文庫)

 

 

罪と罰 下 (岩波文庫)

罪と罰 下 (岩波文庫)

 

その年の夏は暑かった.大学を除籍になり,ぎりぎりの貧乏暮らしの青年に,郷里の母と妹の期待と犠牲が重くのしかかる.この悲惨な境遇から脱出しようと,彼はある「計画」を決行するが…閉塞した社会状況のなかでくすぶる人間性回復への強烈な願望を描いて世界文学史にドストエフスキーの名を刻みつけた不朽の作品.
https://www.amazon.co.jp/dp/B00QT9X7TM

思想小説と言われることもある『罪と罰』。確かに主人公ラスコーリニコフは自問自答します。内面に迫る描写がたくさんあります。

簡単に言うと、くよくよする夜神月(デスノート)が主人公です。実際に作中にはこんな言葉が出てきます。

一つの微細な罪悪は百の善行に償われる

(本文より)

『デスノート』は衝撃を持って人気を博した少年漫画でしたが、下敷きは『罪と罰』ですね。パクリとかそういうのではありませんが。

そして本家本元の『罪と罰』ですが、相当おもしろいです。思想小説と言いながらも、ミステリーのような展開がたくさん仕込まれていて、読ませます。探偵と犯人の対決、のような図式になっていて、その間に挟まれる深遠な葛藤もロシア文学の最高峰!

難解と言われるドスト作品の中でも読みやすいと思います。

 

カラマーゾフの兄弟 

カラマーゾフの兄弟(上)(新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟(上)(新潮文庫)

 

 

カラマーゾフの兄弟(中)(新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟(中)(新潮文庫)

 

 

カラマーゾフの兄弟(下)(新潮文庫)

カラマーゾフの兄弟(下)(新潮文庫)

 

物欲の権化のような父フョードル・カラマーゾフの血を、それぞれ相異なりながらも色濃く引いた三人の兄弟。放蕩無頼な情熱漢ドミートリイ、冷徹な知性人イワン、敬虔な修道者で物語の主人公であるアリョーシャ。そして、フョードルの私生児と噂されるスメルジャコフ。これらの人物の交錯が作り出す愛憎の地獄図絵の中に、神と人間という根本問題を据え置いた世界文学屈指の名作。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00QT9X7TM

世界文学史上最高傑作と言っても良いかもしれない、凄まじいボリューム、圧倒的なおもしろさ、濃く図太い人間ドラマに、初めて読んだ時は世界が変わる体験をしました。読書って素晴らしい、文字だけで、読者をどこまでも運んでくれるんだ、ということを体験しました。

すごいボリュームなのですが、ページをめくる手が本当に止まらない。ミステリー的な雰囲気もあるのでもう読ませる読ませる。次が気になって仕方なくなるんです。ボリュームに圧倒されてしまって読まず嫌いの人は絶対に読むべき。すぐ読めちゃいます。

村上春樹も『カラマーゾフの兄弟』のような小説を書きたい、と昔から言っており、どんどん作品の幅を広げていきました。一人称で、妄想だけで閉じていた世界から、どんどん世界が広がって『1Q84』を書き上げたのです。

『カラマーゾフの兄弟』も、ドストエフスキーの集大成で、文学界に燦然と輝く大文豪の持てる技術がつめ込まれています。絶対に読むべき一冊。

 

下へ行けば行くほど読みやすくなっていきます。早速どうぞ!

死の家の記録

死の家の記録(新潮文庫)

死の家の記録(新潮文庫)

 

思想犯として逮捕され、死刑を宣告されながら、刑の執行直前に恩赦によりシベリア流刑に処せられた著者の、四年間にわたる貴重な獄中の体験と見聞の記録。地獄さながらの獄内の生活、悽惨目を覆う笞刑、野獣的な状態に陥った犯罪者の心理などを、深く鋭い観察と正確な描写によって芸術的に再現、苦悩をテーマとする芸術家の成熟を示し、ドストエフスキーの名を世界的にした作品。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01IHG9QSA

小説というよりかは、強烈な獄中体験をしたドストエフスキーの見聞録と言ったところ。ただし、もちろん芸術的にも高められていて、のちの大作『罪と罰』や、『悪霊』、『カラマーゾフの兄弟』に出てくる悪役たちの原型も存在しているはずです。


それにしてもドストエフスキーがシベリア流刑、かつ死刑宣告という、絶望に近い状況から、恩赦のおかげで出られて良かった。それがなければ本書だって、『カラマーゾフの兄弟』だって読めなかったのですから。

不当に失われていった権利、命、時間、そういったものへの寄り添いが見られる作品です。

賭博者

賭博者(新潮文庫)

賭博者(新潮文庫)

 

ドイツのある観光地に滞在する将軍家の家庭教師をしながら、ルーレットの魅力にとりつかれ身を滅ぼしてゆく青年を通して、ロシア人に特有な病的性格を浮彫りにする。ドストエフスキーは、本書に描かれたのとほぼ同一の体験をしており、己れ自身の体験に裏打ちされた叙述は、人間の深層心理を鋭く照射し、ドストエフスキーの全著作の中でも特異な位置を占める作品である。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01IHG9R7A

ドストエフスキーその人こそが、賭博者としての気質を存分にもっていたとされています。 そのせいで無茶苦茶に小説を書いてお金を稼いだりしていたんですね。『グレート・ギャッツビー』の著者、スコット・フィッツジェラルドを彷彿とさせます。まぁ彼の場合は奥さんのヒルダのせいという面が大きいですが。

ギャンブルで身を滅ぼしていく様は、人間のある種もっとも弱い部分に光を当てており、テーマ的には重厚な五大作品とはかなり異なっていますが、非常に興味深い作品です

 

地下室の手記

地下室の手記(新潮文庫)

地下室の手記(新潮文庫)

 

極端な自意識過剰から一般社会との関係を絶ち、地下の小世界に閉じこもった小官吏の独白を通して、理性による社会改造の可能性を否定し、人間の本性は非合理的なものであることを主張する。人間の行動と無為を規定する黒い実存の流れを見つめた本書は、初期の人道主義的作品から後期の大作群への転換点をなし、ジッドによって「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」と評された。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01E6HG97U

ハイパー引きこもり小説。地下室に20年も引きこもった男の叫びが描かれます。『罪と罰』、『カラ兄』、『悪霊』に次ぐぐらいの勢いで、現代でも語られることが多いです

主人公は引きこもり、その名もネクラーソフ。笑 大金を受け継いだため、地下室でひっそりと暮らせるのです。思えば現代の引きこもりやニートもそういう目線で言うと裕福ですね。大金を受け継いでいるようなものかもしれません。

そして愚痴アンド愚痴アンド愚痴の嵐。しかもどこか読者は自分を見出してしまうのです。そうなるともう本当に苦しいです。人間の本質を妙に突いてくるので、感情移入してしまって、そのダメっぷりがとても苦しい。。。


また、娼婦を説教するエピソードなんかも載っていて、いつの時代でも、どこの国でも同じような男はいるのだな、と感慨深くなるものです(ならない)。

 

おわりに

いかがでしたしょうか 。

大文豪で重厚かつ難解な小説を書くドストエフスキーですが、作品テーマは普遍的なものを扱っています。いわば、誰しもがぶちあたる壁、あるあるな悩み、について書かれることも多いのです。

それに、『罪と罰』、『カラ兄』なんかはエンタメ要素も抜群なので、是非読んでみてください。世界が広がりますし、読書好きと話が広がりますよ。

 

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