はじめに:読み手に響く文章を自分の言葉で書く
文章を書く上で、常に考えておかなければならないことはなんでしょうか。
それは『読み手が主役』ということです。
価値のある文章、読まれる文章というのは、読み手が評価するものです。
それでは、読み手に評価される文章を書くために何をすべきでしょうか。三つあります。上から重要度が高い順です。
- 論理性のある文章を書く
- (全てでなくても)新しく鋭いアイデアがある
- 伝える、揺さぶるテクニックを使う
文章は論理が無くては成り立ちません。必要条件です。論理の一貫は言わば最低限のマナーです。でも意外と論理が破綻してしまっていたり、主観的で書くべきでないところに主観を入れてしまったりしますよね。(私も多々あります。)
そして、次に重要なのはアイデアです。読者が既に知っている情報をこれまでと全く同じ切り口では評価はされないでしょう
最後に、感情を揺さぶるテクニックです。これは論理性、アイデアを備えた後で効いてきます。例えば『記憶に残る選手』、とただ伝えるのではなく、『記録より、記憶に残る選手』と伝えることで、強さが増しますよね。ただし、小手先だけのテクニックにならないように、論理性、アイデアを基に使いましょう。
本記事では、上記3つの力を鍛えるために有用な本を紹介します!
目次
ロジカルシンキング&ライティング編
まずは論理性を鍛えるのに読みたい3冊です。
入門 考える技術・書く技術
著者の20年にわたる指導経験を生かし、主語や接続詞など、日本語ならではのポイントをきめ細かくフォロー。 ビジネス文書、eメールの書き方まで、すぐに使えるノウハウ満載。 1995年以来売れ続けるバーバラ・ミントの定番書 『考える技術・書く技術』の副読本としてもGOOD。
ロジカルシンキング・ロジカルライティングの入門書かつ決定版です。例も豊富でおすすめ。
【過去記事】
問題解決の授業
世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく
- 作者: 渡辺健介,matsu(マツモト ナオコ)
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2007/06/28
- メディア: 単行本
- 購入: 92人 クリック: 1,213回
- この商品を含むブログ (240件) を見る
日本発世界へ――米メディアでも話題沸騰
物事の本質を見極め、打ち手を考え、具体的な行動に落とし込む「問題解決力」がシンプルにわかる本として世界20カ国で出版決定! Business Week、USA Today、New York Post等、米主要メディアでも話題!
世界的な経営コンサルティング会社で使われている「問題解決能力」のトレーニングを、中学生向けにカンタンにブレイクダウン。世の中を生き抜くホンモノの思考力が身につきます!
論理的に書くということは、論理的に考えるということです。マッキンゼー流の問題解決能力は、ロジカルシンキングを徹底的に行うことで培われます。本書は中学生にもわかるように書かれています。ロジカルシンキングの入門書としてどうぞ。
【過去記事】
伝わる・揺さぶる!文章を書く
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、私たちは日々、文章を書いている。どんな小さなメモにも、読み手がいて、目指す結果がある。どうしたら誤解されずに思いを伝え、読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?本書では小論文指導のエキスパートが、「意見」「望む結果」「論点」「読み手」「自分の立場」「論拠」「根本思想」の七つの視点から、よい文章を書くための戦略をアドバイスする。自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、心を揺さぶる表現の技術。
読者を揺さぶるために必要な7つの視点 がかなり役立ちます。暗闇を照らす光のように、あなたを導いてくれるでしょう。ここでも重要なのは思考すること。7つの導きに沿って論理的に道を辿りましょう。
【過去記事】
アイデア出し編
論理性を身につけたら、アイデアを深めることを学びましょう。アイデア出しにオススメの本3冊です。
アイデアのつくり方
- 作者: ジェームス W.ヤング,竹内均,今井茂雄
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
- 購入: 91人 クリック: 1,126回
- この商品を含むブログ (379件) を見る
この小さくて薄い本は、1939年に大学院の講義で紹介され、
1965年の初版が刊行された半世紀の歴史を持つ不朽の名著である。著者のジェームス・W・ヤングは、前書きで次のように述べる。
「このテーマは本来専門の心理学者の手がけるべきものだが、私は心理学者ではない。従って私のこの小論は、人がアイデアと呼んできたものを作り仕事でくらしをたてる以外に能がなかった人間の個人的な経験談としての価値しかない。」
ヤングは、少年時代から数々の仕事を経験した後、26歳で広告業界に身を投じ、数々の斬新な広告のアイデアで頭角を表したが、42歳という若さで引退している。
本書は、「人はどのようにしてアイデアを手に入れることができるのか」
という疑問に正面から答えようとしており、2つの原理を出発点としている。
一つ目は、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」そしてもう一つは、「新しい組み合わせを作り出す才能は事物の関連性を見つけ出す才能に依存する」というものだ。
当たり前のようにも感じるが、原則なのだから当たり前で良いのだろう。
著者はこう論じる。アイデアは、「材料収集」→「材料の消化」→
「孵(ふ)化」→「誕生」→「検証と発展」という過程で作られる、と。この中では、「孵化」の部分が特徴的だ。つまり、あれこれと情報を加工して思考を巡らせた後で、問題を放り出し、できるだけ問題を心の外に追い出してしまうのである。
そして、十分に孵化した時点で、「ふとした瞬間」にあたるアイデアの誕生の時が自然にやってくるのだという。なるほど、確かに問題にぶち当たって、考えに考え抜いている時には、
ちっとも良いアイデアが浮かばない。が、その問題を忘れた頃、何気ない瞬間に不意に「わかった! これだ!」ということを多くの人が何度も経験しているのではないだろうか。
ところで、本書の解説を地球物理学者の竹内均氏が書いているが、その中にも興味深い記述がある。
「ある問題について本を書くには、その問題に関係した話題を約100集めればよい。一冊あたり原稿用紙の数約300枚を約100で割ると、1つの話題あたりの原稿用紙の枚数は約3枚になる。これは新聞の連載小説1回(1日)分の原稿量でもある。というわけで私は、ある問題に関係した1つの話題を原稿用紙3枚にまとめたものを断片と呼び、こういった断片をうまずたゆまず作り続けている」という“下り”である。
ちなみに、この本の紹介文も1冊の本あたりそれぞれ原稿用紙3枚程度となっている。1つの事柄を解説し、言いたいことを伝えるのに、長くもなく短くもない、丁度よい長さではないかと自分では思っているのだが、読者の皆さんはいかがだろうか。 --Nikkei BP Net/ 内山悟志http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484881047/casskirakira0-22/
アイデア本の元祖で本家本元。必ず読むべき一冊です。
アイデア発想フレームワーク
人や集団の創造性を高めるために達人たちが編み出してきたのが、アイデア発想フレームワークです。本書では、創造技法からデザイン思考関連まで幅広く取り上げます。情報収集、自由発想から評価決定と、アイデアを生み出し企画へと磨き上げる各ステップで活用できる、厳選した170手法を紹介します。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532119286/casskirakira0-22/
情報収集から始まってアイデア出し、企画化、形にするに至るまでの全ての過程に有用な手法が網羅的に載っています。
【過去記事】
言葉の技術
20年以上コピーを書いてきた著者が蓄えた著者なりのスキル。言葉を伝えるために言葉を強くする技術ではなく、人に伝えるだけの価値ある言葉を見つける技術。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4021009132/casskirakira0-22/
アイデア出しそのものに役立つというよりかは、アイデアの伝え方の切り口が見つけるための一冊。物の見方を変える、伝え方の切り口を変える時に読むと良いです。多角的な視点が見つかります。
【過去記事】
文章術編
最後に、人を揺さぶるためのテクニックについての4冊です。猛毒が自分に襲いかからないように、論理とアイデアをまず磨いてから使いましょう。
伝え方が9割
なぜ、伝え方で結果が変わるのか?この本で学べば、あなたのコトバが一瞬で強くなり、人生が変わります。
https://www.amazon.co.jp//dp/B00BHCM7HE?ie=UTF8&redirect=true&tag=casskirakira0-22
口下手な人こそ、考えられる。テクニックがないからこそ、学べる。そう思って本書を読んでみてください。読み終わる頃には素晴らしい武器を手にしているでしょう。
【過去記事】
小説の技巧
- 作者: デイヴィッドロッジ,DaVid Lodge,柴田元幸,斎藤兆史
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1997/06
- メディア: 単行本
- 購入: 24人 クリック: 328回
- この商品を含むブログ (57件) を見る
読者を小説世界に引きずりこむために作家は書き出しにどんな工夫を凝らしているか。サスペンスを持続させるにはいかなる妙技が必要か。登場人物の名前がもつ意味は。「エマ」「ユリシーズ」から「ライ麦畑」「日の名残り」まで、古今の名作を題材にその技法を解明し、小説味読の楽しみを倍加させる一書。
小説の技巧 | デイヴィッド ロッジ, DaVid Lodge, 柴田 元幸, 斎藤 兆史 | 本 | Amazon.co.jp
小説家というのは感情を揺さぶる天才です。様々なテクニックであなたに恐怖、喪失、高揚、多幸、憂鬱、歓喜、様々な感情を呼び起こします。それらのテクニックが網羅的に載った本書はあなたの文章力を高めるのに有用なはずです。
【過去記事】
必ず書ける「3つが基本」の文章術
文章を書くのは苦手ですか?簡単に書くコツは「3つ」を意識すること。これだけで小論文や仕事の報告書、ブログ記事などどんな文章も短時間で、しかも他人が唸る内容に仕上げることができます。「(1)遠景を描く(2)近景を描く(3)心模様を描く」「(1)体験(2)そこから気づいたこと(3)普遍性をもたせる」など、本書では今すぐ役立つ「3つ」を伝授。長年新聞、雑誌上で健筆を振るってきた名コラムニストが自らのメソッドを明かした、文章術の決定版!
ポイントを3つに絞って各章が構成されているので、すっきりと読みやすいです。ランダムに開いてそのページの3つのポイントを当てはめる、と言った使い方もできそう。
【過去記事】
伝える力
仕事のさまざまな場面でコミュニケーション能力は求められる。基本であるにもかかわらず、意外と難しい。相づちを打ったり、返事をしたり、目をジッと見たり、あるいは反対に目をそらしたり…。「伝える」には、「話す」「書く」そして「聞く」能力が必須。それらによって、業績が左右されることも往々にしてある。現代のビジネスパーソンに不可欠な能力といえる「伝える力」をどうやって磨き、高めていったらよいのか。その極意を紹介する。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569690815/casskirakira0-22/
現代の『伝える力』を持った人と言えば池上彰。(世間的には最近は林修も来ているのでしょうか?)池上彰の信条が書いてあります。
ただし、具体的なテクニックというよりは、勉強方法や課題への取り組み方の秘訣などが多めのため、用途を間違えないように注意です。
【過去記事】
おわりに
いかがでしたでしょうか。
文章力は才能で磨かれるものではない。努力で培える技術だ。