はじめに:変態、天才、どんな一単語も向井秀徳は表せない
祭りのリズムに合わせて超絶技巧のキメを合わせ、凶悪な鋭さを持ったリフと向井ラップと呼ばれる独特の日本語歌詞とリズムを組み合わせる天才。おまけに椎名林檎とまで仲が良いという意味不明な男です。凡人には理解不能なまでに独特な音楽性があります。自己陶酔しているだけに見えるのに、無茶苦茶惹きつけられてしまう。
ナンバーガールを結成して日本音楽界に衝撃的なインパクトを残し、絶頂期に解散。音楽性を深化させたZAZEN BOYSで実験的、前衛的なアルバムを発表し続けています。
圧倒的なライブパフォーマンスは誰も真似できません。極限まで肉体性、身体性を高め、『呼吸を合わせること』に重きを置いたライブは、唯一無二です。比べられるものがありません。メンバーは変われど異次元のライブバンドを率いてきているのです。
そんな向井秀徳のおすすめアルバムを、時系列にそって紹介していきたいと思います。
目次
NUMBER GIRL、OMOIDEの4枚
向井秀徳の音楽人生はNUMBER GIRLで花開きました。NUMBER GIRLは伝説的と言っていいほどのライブをいくつも残しています。怖いくらいに狂気的な4人の個性が重なったバンドです。くるり、スーパーカーらと並んで『'97世代』の代表でした。
初期の爽やかオルタナティブロック、歪んだギターと暗い都市生活を描いた世界観で破滅へと向かって行くかのようだった中期、そしてZAZEN BOYSへとつながりを見せる日本語のリズムや祭りのリズムを取り入れつつある後期。いずれも尖りに尖った音楽性で、リスナーの心を引き続けました。
複雑そうに見えますが、ハマると本当に抜けられなくなるほどの快感が待っている、そんなアルバムたちを紹介します。
【NUMBER GIRLメンバー】
向井秀徳
ボーカル、ギター担当。現在はZAZEN BOYS、KIMONOSでギター、ボーカル、キーボード担当として活動しているほか、向井秀徳アコースティック&エレクトリック名義でソロでも活動中。
田渕ひさ子
ギター担当。現在はLAMA 、bloodthirsty butchersでギター担当として、toddleでギター、ボーカル担当として活動している。
中尾憲太郎
ベース担当。現在は主にCrypt Cityや SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HER、younGSounds、ART-SCHOOLのサポートメンバーでベースを担当、MASS OF THE FERMENTING DREGS、dry as dust、The SALOVERS、撃鉄、快速東京、THE GIRL、コンテンポラリーな生活等のプロデュースも行っている。
アヒト・イナザワ
ドラムス担当。ナンバーガール解散後は一時ZAZEN BOYSのドラムを経て、現在はVOLA & THE ORIENTAL MACHINEでギター、ボーカル担当として活動している。
SCHOOL GIRL BYE BYE
日本のロックバンドナンバーガールが1997年にリリースした1枚目のオリジナル・アルバム。
SCHOOL GIRL BYE BYE - Wikipedia
収録曲
- omoide in my head
- 大あたりの季節
- センチメンタル過剰
- September Girlfriend
- IGGY POP FAN CLUB
- 水色革命
- 渚にて
- SUMMER of California '73
- mini grammer
- 我起立唯我一人
- 4 track Professional
おすすめポイント
インディーズ1stアルバム。メジャーデビュー後の狂気の匂いが、まだうっすらとしか感じられない、青いナンバーガールの一枚。ジャパニーズギターロックバンドとして普通に売れていく道筋さえも感じさせるアルバムです。
NUMBER GIRL時代を知らない現代の向井秀徳ファンもいるかと思います。そんな若者が聞いたらびっくりするような内容になっているのではないでしょうか。あまりにも爽やかで、青い。
ドラムス、アヒトイナザワ、でファンにはお馴染み『omoide in my head 』収録。
School Girl Distortional Addict
School Girl Distortional Addict 15th Anniversary Edition
- アーティスト: NUMBER GIRL
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2014/05/21
- メディア: CD
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ナンバーガールのデビュー15周年(2014年時)記念、3枚のオリジナル・アルバムをロック系プロデューサー、デイヴ・フリッドマンがリマスター。さらに未発表ライヴ音源を集めたライヴ・アルバムをつけた2枚組CD。第一弾の本作は、デビューを飾った1999年5月に当時アナログ8chで録音され、リーダー向井秀徳自身がミックスを担当した同年7月発表のファースト・アルバム。 (C)RS
「これねえ、もう、ひと言で言わしてもらいますけども……青春なんですよね。すいません、青春です」向井秀徳最新ロングインタビュー封入。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00IZESNFM
収録曲
- タッチ
- PIXIE DU
- 裸足の季節
- YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING
- 桜のダンス
- 日常に生きる少女
- 狂って候
- 透明少女
- 2ndシングル。
- 転校生
- EIGHT BEATER
おすすめポイント
メジャー1stアルバム。向井秀徳に『青春なんですよね』と言わせてしまう一枚です。アヒトイナザワのドラミングは突っ走りまくり、中尾憲太郎はしっかり支えようとしてるし、ひさ子は才能開花の片鱗が見られるし、もおうお腹いっぱいになれます。
一曲目『タッチ』の出音一発目で心を持って行かれた人も多いのでは。私の場合、初めて曲を聞いた時、無限再生してしまいました。何日も聞いてしまいましたね。
それに、何と言ってもデビューシングル『透明少女』。前作『SCHOOL GIRL BYE BYE』の流れを引き継ぐような爽やかな空気感がたまりません。
SAPPUKEI
SAPPUKEI 15th Anniversary Edition
- アーティスト: ナンバーガール
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2014/06/18
- メディア: CD
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オルタナティヴ・ロックバンド、ナンバーガールのデビュー15周年(2014年時)企画第2弾。本作は、奇才エンジニア・プロデューサー、デイヴ・フリッドマンとガッチリとタッグを組み完成させたセカンド・アルバム。殺伐とした都市の風景を描く向井秀徳の歌詞世界と、鋭角でソリッドなサウンドが融合した傑作。 (C)RS
「『SAPPUKEI』のレコーディングは本当に、自分の中で『これでいいんだ』って思えた、っていうことだったんですよね」「あらぬ方向からギターの生音が聞こえてくるような音像と完全にリンクする形で、デイヴ・フリッドマンのサウンドを体験したわけですよ。完全にウマが合ったっていう」
第一弾に引き続き、当時を振り返ったヴォーカル向井秀徳の最新ロングインタビュー封入。『SAPPUKEI』の制作過程とバンドの状況が語られる。
ファンにはたまらない、逃すことの出来ない一枚になること、間違いない。
収録曲
- BRUTAL NUMBER GIRL
- ZEGEN VS UNDERCOVER
- SASU-YOU
- URBAN GUITAR SAYONARA
- ABSTRACT TRUTH
- TATTOOあり
- SAPPUKEI
- U-REI
- YARUSE NAKIKO の BEAT
- TRAMPOLINE GIRL
- BRUTAL MAN
おすすめポイント
3rdアルバムにして、最高傑作。
何と言ってもサウンドが良すぎです。ナンバーガール、デイヴ・フリッドマンとの相性がとても良い。ひさ子のギターサウンドが鋭くて感傷的で、感動的です。
ライブでもキレキレで、ひさ子のギタリストとしての魅力が詰まっています。ライブ映像は必見、ライブ音源必聴の一曲です。↓後半にTATTOOあり。
[HD] NUMBER GIRL LIVE 京都大学西部講堂 2002.11.22 Part 2
『ZEGEN VS UNDERCOVER』、『brutal man』など、キャッチーでノリやすい曲も収録されています。インパクトもあり、キャッチーさも兼ね備えた、number girl の良さを知ってもらうのに最適な一枚です。
NUM-HEAVYMETALLIC
NUM-HEAVYMETALLIC 15th Anniversary Edition
- アーティスト: ナンバーガール
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2014/06/18
- メディア: CD
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オルタナティヴ・ロックバンド、ナンバーガールのデビュー15周年(2014年時)企画第2弾。本作は、最後のスタジオ・アルバムとなったサード・アルバム。再度デイヴ・フリッドマンと手を組み、これまでの鋭角サウンドにプラスして祭囃子的ビートやダブなどのアプローチでバンドの新しい方向性・新機軸を打ち出した作品。 (C)RS
「ひとりでスタジオに入ってたこともあったね、曲作りのために。今までそんなことなかったんやけど。ひとりでリハスタ借りて、ギター弾いてた……あ、これは苦情来たからか(笑)。そうだ、これ曲になってるわ(“INUZINI")。しかも、何をトチ狂ったか、三味線で曲作ってたから(笑)」「イラつきっていうのはありましたね。で、そのイラつきがMAXになって……解散したんでしょう。いや、イラつきがMAXになったから解散したわけじゃないけど、そのイラつきに『俺、もうちょっとこれいかんわ』って。『そんなイライラされてもしょうがないわ』ってなって、解散したんでしょう。そういうことだと思うんですよね」
トータル5時間にわたって語り尽くしたヴォーカル向井秀徳の最新ロングインタビューを、第一弾、第二弾に引き続き封入。
「1995年夏からの、自力を信じてやってきたナンバーガールの歴史を、今ここに終了する」
https://www.amazon.co.jp/dp/B00JMDXJ6I
収録曲
- Num-Heavymetallic
- Inuzini
- Num-Ami-Dabutz
- Tombo The Electric Bloodred
- Delayed Brain
- Cibiccoさん
- Manga Sick
- Fu・Si・Gi
- 性的少女
- Frustration In My Blood
- 黒目がちな少女
おすすめポイント
ナンバーガールとして最後となる4thアルバム。
オルタナティブロック的から、リズム強調、ラップ採用へ至るZAZEN BOYSへの道の途中にあるところのアルバム。日本語の語感のリズム、祭のリズム、そしてそれらに乗せた独特の向井ラップの片鱗が見られます。
初めて聞いた時は、唖然としました。『ロックなのか?向井?』こう思った人も多いはず。確かにギターサウンドはキレキレだし、アヒトのドラミングも中尾憲太郎のベースも健在なのですが、何せ向井のラップ(?)が強烈な『NUM-AMI-DABUTZ』が存在感ありすぎなんです。歌詞、独特のリズム、全てが異次元。
一度聞いたらやみつきになること間違いなし。
ZAZEN の5枚
向井について行けなくなった(?)中尾憲太郎の脱退希望がきっかけで解散が決まったNUMBER GIRLですが、向井は盟友アヒトイナザワとともに新バンドを結成します。
向井のスタジオであるMATSURI STUDIOを拠点としたハイパーストイックと想像される『MATSURI セッション』を経て、ソリッドで変拍子やキメを多量に取り込みながらも、日本のリズムを全面に押し出した楽曲をリリースし始めます。
メンバーの技量が高すぎて単純に上手いのと、メンバーの息がぴたりとあっていて、ストイックに完成度が高められたライブは、初見のリスナーたちをも圧倒し続けています。
いやぁ、どんだけキメがあるんだ、回数数えすぎじゃね、など、もうライブ観てたら笑けて来るんですよ。すごすぎ。
メンバー
向井秀徳
1973年生まれ- ボーカル、ギター、キーボード担当。吉兼聡
1974年生まれ- ギター、サンプラー担当。右手に施された刺青がトレードマーク。通称「カシオマン」松下敦
1969年生まれ- ドラム担当。2005年1月加入。通称「柔道二段・松下敦」吉田一郎
1982年生まれ- ベース担当。2007年3月加入。
◯元メンバー◯
アヒト・イナザワ
ドラム担当。2004年12月脱退。脱退後、VOLA & THE ORIENTAL MACHINEを結成。通称「アピート・イナザワンテ」。日向秀和
ベース担当。2007年2月脱退。以降はZAZEN在籍当時から並行して参加していたストレイテナー他、様々なバンドでの活動を継続。通称「町田のヤンキー」。
ZAZEN BOYS
- アーティスト: ZAZEN BOYS,向井秀徳
- 出版社/メーカー: MATSURI STUDIO
- 発売日: 2004/01/10
- メディア: CD
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真夜中の一人酩酊オンステージの奇跡を、もしポピュラーミュージックとして人様に聴かせられるに足るモノに出来るなら形にしてみたい…と向井が思ったかどうかは別にして、非常に不純物のない音源が上がってきた。もはや言わずもがな、元ナンバーガールの向井秀徳が狼煙(のろし)を上げたZAZEN BOYSの1stアルバムだ。
勝手気ままに四散するギターカッティングを求めた故のファンク、腹の底からしぼりだすからこうなったとでも言わんばかりのソウルフルなファルセット、ほぼワンコードの淡々としたビートに乗せ、世界と自分を交互に断罪する「自問自答」に至ってはTHA BLUE HERBすら震撼しそうな我流のヒップホップの消化だ。何もかもが生ぬるいと感じている人すべてに聴いてほしい。(石角友香)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00013F510
収録曲
- Fender Telecaster
- USODARAKE
- The Days Of NEKOMACHI
- YURETA YURETA YURETA
- COLD SUMMER
- 開戦前夜
- INSTANT RADICAL
- MABOROSHI IN MY BLOOD
- IKASAMA LOVE
- SI・GE・KI
- KIMOCHI
- WHISKY & UNUBORE
- 自問自答
おすすめポイント
未聴のリスナー向けにはじめに言っておくと、NUMBER GIRLファンからすると、かなりの方向転換を行っています。HIP HOP を取り込んだと言ってしまえば簡単なのですが、向井秀徳流に突き進んでいるので、もはやジャンル不明です。そして4thアルバムからは更に進化を遂げて、エレクトロニカ、打ち込みサウンドとの融合まで果たします。音楽世界を深めていくのです。
キャッチーさを持った曲が少なくなっているのでとっつきにくいんですが、リズムがはまってくるうちに強烈な快感が襲ってきます。向井秀徳が狙っているのは脳内をかき混ぜるほどの快感、快楽、感覚なのです。
このアルバムのハイライトと言えばなんといっても、『自問自答』です。唯一無二のラップが強烈な刺激を与えてくれます。こんな曲が書けるなんて、天才としか思えません。必聴。
ちなみに、向井秀徳アコースティックギター一本でもむちゃくちゃかっこいいんです。リズムがすごい気持ちいい。
ZAZEN BOYSII
- アーティスト: ZAZEN BOYS,向井秀徳
- 出版社/メーカー: MATSURI STUDIO
- 発売日: 2004/09/01
- メディア: CD
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衝撃のファーストアルバム『ZAZEN BOYS』からわずか8か月、はやくも2ndアルバム、その名も『ZAZEN BOYS Ⅱ』が完成。全国ツアーの興奮さめやらぬ全13曲を収録。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0002MOMB4
収録曲
- ZAZEN BO
- CRAZY DAYS CRAZY FEELING
- NO TIME
- 安眠棒
- You make me feel so bad
- COLD BEAT
- 黒い下着
- HARAHETTA
- ZAZEN BO II
- 最前線
- SEKARASIKA
- DAIGAKUSEI
- CHIE chan's Landscape
- 6本の狂ったハガネの振動
- MY CRAZY FEELING
おすすめポイント
向井秀徳を崇拝する椎名林檎がコーラスで参加しまくっていて興奮する一枚です。
マジで意味不明な歌詞がおもしろい。『安眠棒で殺された~』と椎名林檎が歌っていたのを聞いた時は笑ってしまいました。安眠棒ってなに。
あと、音色にめちゃくちゃこだわっているのがわかります。ギターのサウンドはまばゆいばかりに輝いて、ベースはブンブン丸のようで、ドラムは存在感強烈に放つアタック音になっています。グルーブがむちゃくちゃ気持ちいいです。
『CRAZY DAYS CRAZY FEELING』はキャッチーかつ、おなじみの向井ラップがリスナーに幻覚を見せるかのように襲いかかる名曲です。必聴。
ZAZEN BOYS_CRAZY DAYS CRAZY FEELING
ZAZEN BOYSIII
- アーティスト: ZAZEN BOYS,向井秀徳
- 出版社/メーカー: MATSURI STUDIO
- 発売日: 2006/01/18
- メディア: CD
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ZAZEN BOYS 3作目のアルバムがついに完成!
https://www.amazon.co.jp/dp/B000CBLPM4
収録曲
- SUGAR MAN
- Take Off
- Friday Night
- Tombo Game
- Pink Heart
- RIFF MAN
- This is NORANEKO
- METAL FICTION
- Don't Beat
- Lemon Heart
- Water Front
- Good Taste
おすすめポイント
『夜』をコンセプトに置いたアルバム。
メロディが軽視されている、なんて批評もたくさんありましたが、私はそうは思いません。ポップなメロディラインは健在です。曲の構成が無茶苦茶なんです。ただそれだけ。セッションしながら作った曲が多いのだろうと推察されます.
ちなみに、ドラムがアヒトイナザワから柔道二段・松下敦に変わりました。はっきりいって、個人的にはアヒト以上です。アヒトは手数も多く、ビートに疾走感、勢いがあってカリスマ的華があるドラマーでした。松下はどちらかというと地味ですが、リズム感/
ビート感は確実にアヒトより上です。ライブでの安定感が凄まじい。
この時期のライブは本当に圧倒的でした。フェスなんかでも、群を抜いて上手すぎるんです。いや、上手いというか、もう変態なんですよね。ロックバンドとはフィールドも違うし、もう比べようがなくなったのがこの頃。
ZAZEN BOYS4
- アーティスト: ZAZEN BOYS
- 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
- 発売日: 2008/09/17
- メディア: CD
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『ZAZEN BOYS 4』(ザゼンボーイズ フォー)は、日本のバンドZAZEN BOYSの通算4枚目のアルバムである。2008年9月17日発売。発売元はMATSURI STUDIO。新ベーシストとして吉田一郎を迎えて初となるアルバム。デイヴ・フリッドマン率いるタルボックス・ロード・スタジオ(Tarbox Road Studio)にて録音された。
ZAZEN BOYS 4 - Wikipedia
収録曲
- Asobi
- Honnoji
- Weekend
- Idiot Funk
- Memories
- Fureai
- Taratine
- The Drifting
- I Don't Wanna Be With You
- Sabaku
おすすめポイント
ZAZENの4枚め。注目すべきなのが打ち込みサウンドの大導入です。肉体的、修行的なまでにグルーブ重視だった向井が、大胆にも打ち込みでアルバムを作ってきたのです。もちろんバンドサウンドの楽曲も入っていてご機嫌ですが、打ち込みの楽曲も最高なんです。どこまで突き抜けていくんだ、どこまで音楽性が高められていくんだ、ってくらい常に進化していく姿勢は本当に崇拝に値すると思うんですよね。。
まずオープニングナンバーで、アルバムの顔でもある『ASOBI』、半端無くクールです。ピアノサウンドはアタックを効かせていて、delayを効果的に挟んでくる。打楽器としてシンセを扱いつつ、『繰り返す諸行は無常』を体現するかのようなディレイ。向井の信念が詰まった名曲です。初めて聞いた時はビビリましたね。何やらせてもすごい。
そして、向井ミュージックの新時代を予感させる『sabaku』。色んな意味で突き抜けてます。まず、イントロからサウンドが超メロウ。また、何といっても衝撃的な歌詞。『割と、、、さびしい』。あの向井が、あの向井が、ZAZEN BOYSではクレイジー丸出しだったあの向井が遂に吐露した心のうちですよ。センチメンタル通りを練り歩くアラフォーの向井がいた、in my head状態です。
ZAZEN BOYS - ASOBI @ りんご音楽祭2014
すとーりーず
- アーティスト: ZAZEN BOYS
- 出版社/メーカー: SPACE SHOWER MUSIC
- 発売日: 2012/09/05
- メディア: CD
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収録曲
- サイボーグのオバケ
- ポテトサラダ
- はあとぶれいく
- 破裂音の朝
- 電球
- 気がつけばミッドナイト
- 暗黒屋
- サンドペーパーざらざら
- 泥沼
- すとーりーず
- 天狗
おすすめポイント
原点回帰の5thアルバム。ZAZEN BOYS4でのメロウなシンセサウンドは影を潜め、ビート重視の一枚です。ただし、向井秀徳が打ち込みで作ったものをバウンドサウンドに変換するという過程を経ているので、ZAZEN BOYS4が好きだった人は、継続的に楽しめる作品です。もちろん初期のZAZEN BOYSが好きな人はいつも通りに楽しめます。
アヒトから松下敦に変わったという部分が今作でも強く出ています。ドラムが流れる流れる。変拍子やキメの嵐、というわけではありません。メロがありつつ、効かせどころの後ろで職人的にビートを刻んでいる姿が目に浮かぶのです。素敵。
『ポテトサラダ』は歌詞にも向井流ポップさが詰まっていて笑ってしまえます。ライブでも笑いが起きるほど。『すとーりーず』は向井の表現力の真骨頂。前作収録の『sabaku』を彷彿とさせる、静寂と広大な世界にたったひとりでいること、を思い出させるシンセサウンドに、センチメンタルなメロディが完成度高く共存しています。
最新の向井思想が感じられます。
おわりに
孤高の天才、向井秀徳の歩みをダイジェストでお届けしましたがいかがでしたでしょうか。ソロワークなどまで踏み込めていないところが心残りですが、メインで活動してきているバンドについては網羅できていますので、参考にしてください。
それにしても新作が待ち遠しい!
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