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梶井基次郎おすすめ小説!7短編のあらすじ付きランキング【文豪が認めた短命の天才小説家】

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玄人好み。夭折の天才作家

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梶井 基次郎(かじい もとじろう)は、日本の小説家。感覚的なものと知的なものが融合した簡潔な描写と詩情豊かな澄明な文体で20篇余りの小品を残し、文壇に認められてまもなく、31歳の若さで肺結核で没した。
死後次第に評価が高まり、今日では近代日本文学の古典のような位置を占めている。その作品群は心境小説に近く、散策で目にした風景や自らの身辺を題材にした作品が主であるが、日本的自然主義や私小説の影響を受けながらも、感覚的詩人的な側面の強い独自の作品を創り出している。
梶井基次郎は当時のごくふつうの文学青年の例に漏れず、夏目漱石や森鴎外、有島武郎や志賀直哉などの白樺派、大正期デカダンス、西欧の新しい芸術などの影響を受け、表立っては新しさを誇示するものではなかったが、それにもかかわらず、梶井の残した短編群は珠玉の名品と称され、世代や個性の違う数多くの作家たち(井伏鱒二、埴谷雄高、吉行淳之介、伊藤整、武田泰淳、中村光夫、川端康成、吉田健一、三島由紀夫、中村真一郎、福永武彦、安岡章太郎、小島信夫、庄野潤三、開高健など)から、その魅力を語られ賞讃されている。
梶井基次郎 - Wikipedia

作家からの評価がむちゃくちゃ高い梶井基次郎。
天才的としか言えない感覚を、詩的、かつ知性溢れる美文で表現するという、日本文学でも超重要な作家!になるはずだった早世の作家です。
残された作品はそう多くはありませんが、ずっと後世に残るものばかり。そんな作品の中から7つの短編をあらすじを交え、ランキング形式で紹介します!

 

目次

ランキング

選定にあたってのランキングポリシーと雑感を下記↓

  • 独自ランキング
  • 引用部分にあらすじ付きなので、ネタバレ注意
  • 角川短編集”檸檬”より厳選
  • シンプルなのに詩的で知的

 

それではランキングどうぞ!

 

7位 桜の樹の下には

満開の桜やかげろうの生の美のうちに屍体という醜や死を透視し、惨劇を想像するというデカダンスの心理が、話者の「俺」が聞き手の「お前」に語りかけるという物語的手法で描かれている。近代文学に新たな桜観をもたらした作品でもあり、「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!」という衝撃的な冒頭文は有名である。
櫻の樹の下には - Wikipedia

梶井基次郎の変態的な側面が味わえる名作短編です。
死に近い場所で書き続けていたからか、梶井基次郎の小説には死臭が漂うものが多いですが、これは特に直接的に死を連想させる描写が多くて不気味です。
語りかけてくる手法も、ふとした瞬間にゾッとしちゃいます。

6位 冬の蠅

序章と3章から成る。渓間の温泉地での療養生活の冬の季節、部屋の中に棲みついている蠅たちを観察する「私」の物語。好転しない病と将来への不安で、焦燥と倦怠の日々を送っていた伊豆湯ヶ島での2度目の冬を題材に、日向の中での欺瞞の安逸と、極寒の絶望と緊張の中での戦慄との相剋の心境が綴られている。数日間の彷徨の間に死んだ冬の蠅の運命から、人間の意志を超えた気まぐれな条件に命運が委ねられている世界に気づく新たな認識までを描いた作品である。基次郎の代表作の中でも評価が高く、近代日本文学の中でも名作の一つとして数えられている。
冬の蠅 - Wikipedia

冬の蠅にシンパシーを感じる、というこれまた感受性が鋭すぎる梶井基次郎だからこその着眼点で物語が進みます。
いわば、『病室の窓から見える今にも枝から落ちそうな葉っぱ』を、蠅が担っているわけですが、病人である主人公を通してみる世界の描写がたまりません。

5位 冬の日

6章の断片的挿話から成る。結核の病状が顕著となり、血痰が長く続き始めた時期の焦燥と絶望感を、真冬に移り変わる季節の風景と共に描いた心象的作品である。タイトルは執筆当時に愛読していた松尾芭蕉の『芭蕉七部集』の一集『冬の日』から取られた。 自らの宿命を見据え、その闇からあえて自覚的に自己の崩壊を描くことで冷静な作家の眼を会得しようとしていた転換点的な意味を持つ作品で、基次郎の代表作の中でもとりわけ文学的評価が高く、一つの頂点をなすものとして位置づけられている。
冬の日 (小説) - Wikipedia

梶井基次郎の小説を読むにあたって、作品そのものと、作者その人の人間性と切り離して読むことは不可能に近いです。あまりにも作者自身が投影されすぎているからです。
本作も、梶井基次郎が抱いていた、死への焦燥と絶望が痛いほど心に訴える作品です。

4位 Kの昇天

夜の海岸で満月の光に象られた自分の影から出現するドッペルゲンガーに導かれて昇天してゆく青年Kについて物語る書簡体形式の作品。自我の分裂と魂の昇天という神秘的な主題の中に、病死の運命を薄々感じ取っていた基次郎の切ない思いが籠っているファンタジックでミステリー風な短編である。月を題材にした詩的作品・幻想文学としても人気が高く、アンソロジー集で取り上げられる名作でもある。

Kの昇天 - Wikipedia

太陽が生とするならば、それと対になる月はやはり死、ということで、タイトル通り死をテーマです。いつもの通りか、と思いきや、少しファンタジーな世界観があったりして、梶井基次郎作品をいくつか読んだあとに読むと異化の作用があります。
短いですが、ファンからの評価は高い作品。

3位 城のある町にて

「ある午後」「手品と花火」「病気」「勝子」「昼と夜」「雨」の6章の挿話から成る。幼い異母妹の死を看取った後の不安定な感情や悲しみを癒すために訪れた、姉夫婦一家の住む三重県の松阪町での実体験を題材にした私小説的作品である。基次郎の代表作の一つでもあり、作中の「今、空は悲しいまで晴れてゐた」という一文は有名である。
城のある町にて - Wikipedia

個人的には数ある梶井基次郎作品の中でも、切なさランキングは1位です。梶井基次郎が切望した命の不確実性が全編を通して感じられる作品です。
今生きていることは特別なことだという、当たり前のことが、急に輝きを増して迫ってくる神秘的な感覚が味わえるはず。 

2位 交尾

「その一」「その二」の2話から成る。夜の物干し台から見えた猫の抱擁や、渓の瀬で鳴く河鹿の可憐な求愛行動を題材にした随想的短編で、初出掲載当時に多くの作家から絶賛された作品である。猫の方は大阪阿倍野の実家、河鹿の方は伊豆湯ヶ島での体験である。死が間近に迫り、幸福な結婚も望めなくなった基次郎の性(生)に対する郷愁が垣間見られる作品でもある。堺の水族館で目にしたすっぽんの交尾を題材にした「その三」も書かれたが、基次郎の死により未完の遺稿となった。
交尾 (小説) - Wikipedia

死の間際に、人間は性欲がみなぎると言われています。最後の力を振り絞って子孫を残そうという働きなのでしょうか。 
梶井基次郎の作品を読むと、人間の死の全てが詰まっているように感じられます。ノンフィクションは事実を描き、フィクションは真実を描くと言いますが、梶井基次郎の作品にはその両方がある気がしてならないのです。

1位 檸檬

代表的作品。得体の知れない憂鬱な心情や、ふと抱いたいたずらな感情を、色彩豊かな事物や心象と共に詩的に描いた作品。三高時代の梶井が京都に下宿していた時の鬱屈した心理を背景に、一個のレモンと出会ったときの感動や空想が描かれている。

檸檬 (小説) - Wikipedia

なんと言ってもコレは外せません!
初めて読んだとき、一切異物は登場しないのに、異世界にいるような感覚になったのを強く覚えています。死臭漂う雰囲気、たくさんの本、レモン、色鮮やかな描写。。。完成された短編。 ベストです。

 

おわりに

梶井基次郎のおすすめ短編7作をランキング形式で紹介しました!
重い病に苦しめられた梶井基次郎の死臭がそこかしこに漂う作品ばかりですが、詩的で美しい描写はどのページ・どの文を読んでも美しいです。
死を意識したコトのある全てのひとへ。

 

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