はじめに:名作映画から学ぶ
第52回アカデミー賞にて、この年の最多5部門受賞。ビリー役のジャスティン・ヘンリーは、助演男優賞にノミネートされ、史上最年少記録を樹立し、今でも名作映画として名高い『クレイマー・クレイマー』。
見どころがたくさんあって脚本にうならされると同時に、現代にも通じる女性の社会進出・離婚がテーマの今作。もう一度見なおしてみませんか?
目次
あらすじ&作品概要
パパもママもこれほどボクを愛しているのに・・・
自立に目覚めた妻と慣れない家事に四苦八苦する夫。離婚と子育て、そして家族の絆。現代社会が抱える家族の問題をヒューマンな視点で描いた傑作ドラマ。仕事第一の男テッドがある夜遅く帰宅すると、荷物をまとめた妻ジョアンナが彼を待ち受けていた。
「誰かの娘や妻ではない自分自身を見つけたい」と言い残し、彼女は去って行った。
息子と二人残されたテッドは、失意のなか家事に奮闘。数々の失敗やケンカを乗り越えて父と子の間に深い絆が生まれた頃、息子の養育権を主張するジョアンナがテッドの許を訪れた。
出演: ダスティン・ホフマン, メリル・ストリープ, ジャスティン・ヘンリー, ジェーン・アレクサンダー
監督: ロバート・ベントン
印象的な脚本
アヴェリー・コーマンの原作も恐らく素晴らしい出来なのでしょうが(未読です)、映画の脚本も本当に素晴らしいです。
まず視点の操作が抜群に上手い。感情移入を誘導するように、観客の心情を奥さん目線、旦那目線、そして子ども目線に変化させています。そこで使われるのが『仕事』、『家事』、そして『親権』に対する立場の変化です。主人公がどんどん変わっていく(あえて成長とは言わないでおきましょう)中で、印象的なそれらのモチーフに対する立場が変わっていく、その過程に濃厚なストーリーが乗っかってくるため、観る手は飽きる暇がありません。
有名なフレンチトースト(パンケーキ?)のシーンも本当に泣けますよね。観ていても、来る、来る、と予想はつくんですが、実際に来ると、涙が溢れてしまいます。
女性の自立と子育て
1979公開と、古い映画ですが、テーマは古びていません。女性の自立と離婚が根本のテーマにあります。
少し悪役寄りに描かれていますが、メリル・ストリープ演じるクレイマー元夫人は、女性の出産後の社会復帰、妻として、母としての悩みをある種代弁し続けています。
ハリウッド映画で、多くの人の心を揺さぶるような映画には、普遍的なテーマが多く隠されているように思います。
最近では『アナと雪の女王』が、王子に助けられる物語を下敷きに、実際は助けられることなく進めることで、自立する女性の姿を描かれていましたが、それもまた社会問題を強く反映した作りになっていると言えるでしょう。
女性の自立や、妻、母としての役割について考える題材として、ハリウッド映画を観るのもよいかもしれません。
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