はじめに:育児する時間ある?
忙しい会社員に、果たして育児をする時間はあるでしょうか。育児をしていて残業ができないと会社に居場所がなくなるのでは、スキルアップが間に合わずに出世が遅れるのでは、父親が稼げないと家計が支えられない、積極的な育児参加を阻む言い訳はたくさん出てきます。
ですが、忙しくても全く育児に参加しないのは、もったいない。人生の学びが詰まっているからです。子供にとっても父親から得るものはとても多いです。父親と母親、異なる価値観を持った人間が分かり合ってチームを作る、という社会の基本構成も学べるからです。
それに、子供というある種自分の分身に、(無理やり強いることなく)遺伝子を残すのって、壮大なプロジェクトみたいで、ロマンがあると思いませんか?
少しずつ始められる、忙しいパパのための子育て本を紹介します。
目次
父親が育児をするメリット
まずは、父親が育児をすることによるメリットを挙げていきます。
- 母親が楽になる
- 父親からの愛情を受けた子供の自己評価が高くなる
- 父親が褒めると子供に勇気が出る。社会性がつく
- 体を使って遊ぶと体が丈夫になる
- ちゃんと叱るとルールが守れるようになる
- ジョークで家の中にゆとりができる
子育てで大切な項目、『自分は生きてても良い、生きるのって素晴らしい』という感情は、無条件に誰かから愛されることによることで満たされると言われています。母親だけではなく、父親からも愛されることは、自己肯定感につながり、成功体験になります。
また、母親が楽になり、体も鍛えられ健康になり、家の中がどんどん雰囲気がよくなるサイクルが生まれます。
そして、母親=家庭から一歩飛びだした存在が父親です。父親との関係が、子どもの社会性に影響があることが知られています。
父親の役割
スクールカウンセラーで医者でもある著者が重要視しているのが、子どもの社会性についてです。
不登校や引きこもりの原因と言われる対人恐怖症が挙げられます。人前に出ることに強い緊張感が出る症状で、敏感なその人の性質によることもあります。ですが、中には厳しすぎる父親に強い緊張感を常に与えられていた場合や、父親との関係性が希薄だった場合にも症状が出ることがあると言われています。
そこで大切になってくるのが、自己肯定感です。子どもを認め
父親と母親が良い関係性でいることは、子どもにとって良いことづくしです。社会の一番小さな単位で、異なる性別、異なる考えを持った人間が上手く協力し、愛し合ってより良い成果を生んでいる姿を見ることで、みんな違って良いのだ、色んなものがある世界は素晴らしいものなんだ、という事実をすんなりと受け入れられるからです。
ということで、大切になってくるのは母親との関係性です。子どもがまだ小さいうちは特に、肉体的な結びつきもあり、母親と子どもの関係性というのは強く、それだけに母親の負担がすごく大きいです。
この時期に母親と父親の関係性が悪くなることは良く知られていることですが、ここでポイントをあげておくと、後々、良好な関係性が復活できることも実証されています。
母親との関係性を良く保つためのテクニックを紹介します
- 感謝の気持ちは『口に出す』
- 傾聴する(解決策はいらない)
- 黙らない(無視していると思われる)
- 否定語を使わない
当たり前のポイントですが、男性と女性は考え方が違うということを意識しましょう。これまでの経験をフルに使って、母親をケアしましょう。
最も願われていること:自ら命を絶たないこと
日本では毎年約3万人の自殺者の数があり、これにより親を失う子が約1万人いると言われています。本書ではそんなお子さんのエピソードが載っています。
父親がいないことがいけないのでしょうか?そういうことではありません。人間である限り、いつ病に倒れてしまうこともあるかもしれません、不慮の事故だって毎日起こっています。
ですが母親のみで育てられたお子さんで、素晴らしい方もたくさんいらっしゃいますし、父親という存在が必要不可欠だ、ということはありません。
ただし、どうか、自分で自分の命だけは絶たないで欲しい、という願いがあることは覚えておくべきです。
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