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究極にナンセンスで前衛的な円城塔の芸術的な9作について

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知的なのにナンセンス!円城塔ってどんな経歴?

複雑系の研究者である金子邦彦の書いた短編小説「進物史観」[1]に登場する物語生成プログラムの一つ「円城塔李久」に由来する。公式のローマ字表記はEnJoeToh。

北海道札幌市出身。東北大学理学部物理第二学科に入学。大学生時代はSF研究会(現・東北大学SF・推理小説研究会)に所属。この時期の東北大学には、薬学研究科に瀬名秀明、文学研究科に佐藤賢一、法学部に伊坂幸太郎、理学部に松崎有理など、後に小説家となる人物が複数在学していた。

SFや前衛文学などの意匠が混在する作風である。独特の論理展開、奇妙な理論を真面目に突き詰める文章が特徴のひとつである。「つぎの作者につづく」、「烏有此譚」、「後藤さんのこと」などの作品には注釈やカラーリングなどの奇妙な仕掛けを用いており、日経エンタテインメント!は、「数理的小説の第一人者」と称した。

芥川賞選考委員の黒井千次は「普通の小説とは違っている。読んで楽しい、面白い、ハラハラするという小説ではありません。一種のフィクション論ではないかと」、「それ(=芥川賞選考の際に評価された点)を説明すること自体が難しい小説」と評した。

影響を受けた作家として安部公房を挙げている。またほぼ同世代・同時期にデビューして早世した伊藤計劃について「大変優れた書き手であって、大変僕も影響を受けた作家」と語り、伊藤が遺した約30枚の未完成原稿を引き継いで完結させる意思を表明していたが、その作品は『屍者の帝国』として2012年8月に出版された。

●受賞歴●

文學界新人賞(2007年)”オブ・ザ・ベースボール”
野間文芸新人賞(2010年)”烏有此譚”
早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞(2011年)
芥川龍之介賞(2012年)”道化師の蝶”
咲くやこの花賞(2012年)

円城塔 - Wikipedia

瀬名秀明、佐藤賢一、伊坂幸太郎、松崎有理、円城塔。同じ時期に東北大学に在籍していたんです。『スタンド使いは惹かれ合うッッ』と言いますが、すごい才能が集まったものです。

また、安部公房に影響を受けたとありますが、円城塔の方がより大幅にナンセンスな小説を書きまくっています。

文学的価値はあるのか?と言われると疑問ですが、無意味・無駄なことにかける時間こそが最高の贅沢という考え方もありますし、そういう意味では最高の贅沢かなって思います。

そんな円城塔のおすすめ小説9作をランキング形式で紹介します!

目次

 

ランキング

  • 独自ランキング
  • 読みやすさ、初心者へのオススメ度もある程度加味
  • SFも純文学系の作品もあわせて紹介

 

それではランキングどうぞ!

9位 烏有此譚

 

灰に埋め尽くされ、僕は穴になってしまった―目眩がするような観念の戯れ、そして世界観―。不条理文学のさらに先を行く、純文学。
https://www.amazon.co.jp/烏有此譚-円城-塔/dp/4062159333

まず、読みにくすぎ。笑

予備知識無しの方は絶対読んじゃいけません。実験小説、前衛文学好きな人は良いですけどね。

注釈までおもしろいっていう、ありそうでなかなかないところをついてくるのがおもしろい。

8位 シャッフル航法

 

ハートの国で、わたしとあなたがボコボコガンガン支離滅裂に。『屍者の帝国』より3年、新時代のほら吹きがおくる待望の作品集。
https://www.amazon.co.jp/dp/4309023983

SF×純文学という言葉がしっくりくる。すなわちわけのわからない短編集。装丁、なかなかいかしてますよね。

円城塔好きにオススメの作品なのでハマったら読みましょう。

7位 後藤さんのこと

 

さまざまな「後藤さん」についての考察が、やがて宇宙創成の秘密にいたる四色刷の表題作ほか、百にもおよぶ断片でつづられるあまりにも壮大で、かつあっけない銀河帝国興亡史「The History of the Decline and Fall of the Galactic Empire」、そしてボーイ・ミーツ・ガール+時間SFの最新型モデル「墓標天球」など、わけのわからなさがやがて圧倒的な読書の快楽を導く、さまざまな媒体で書かれた全六篇+αを収録。
https://www.amazon.co.jp/dp/4150310629

意味不明だけどおもしろい。これってすごく難しいと思うんですよね。何故って、それは人間の根源的なものを揺さぶってるから。

小さな子どもが”うんち”や”おなら”で笑うように、本能的にツボをついてくるんですよね。本作も、ただ意味不明なことを書いてるだけじゃないんです。どちらにしたって意味はわからないけれど。笑

6位 プロローグ

 

小説の書き手である「わたし」は、物語を始めるにあたり、日本語の表記の範囲を定め、登場人物となる13氏族を制定し、世界を作り出す。けれどもそこに、プログラムのバグともいうべき異常事態が次々と起こり、作者は物語の進行を見守りつつ自作を構成する日本語の統計を取りつつ再考察を試みる……。

プログラミング、人口知能、自動筆記…あらゆる科学的アプローチを試みながら「物語」生成の源流へ遡っていく一方で、書き手の「わたし」は執筆のために喫茶店をハシゴし、京都や札幌へ出張して道に迷い、ついにはアメリカのユタ州で、登場人物たちと再会する……。

情報技術は言語の秘密に迫り得るか? 日本語の解析を目論む、知的で壮大なたくらみに満ちた著者初の「私小説」であり、SFと文学の可能性に挑んだ意欲作。
https://www.amazon.co.jp/dp/4163903585

作品紹介↑を読んで、あらすじが理解できる人っているんでしょうか。笑

知性が発達しすぎたいびつな人間をイメージしてしまって、読みにくいんじゃね?って思われがちですが、文章が読みやすいのが救いです。物語を与えられるだけじゃなく、自分で咀嚼する、というか参加する必要があるので、その覚悟がある人だけどうぞ。

あとで出て来る『エピーソード』は必読。読んでから臨みましょう。 

5位 エピローグ

 

オーバー・チューリング・クリーチャ(OTC)が現実宇宙の解像度を上げ始め、人類がこちら側へと退転してからしばらく―。

特化採掘大隊の朝戸連と相棒の支援ロボット・アラクネは、OTCの構成物質(スマート・マテリアル)を入手すべく、現実宇宙へ向かう。いっぽう、ふたつの宇宙で起こった一見関連性のない連続殺人事件の謎に直面した刑事クラビトは、その背景に実存そのものを商品とする多宇宙間企業イグジステンス社の影を見る…。

宇宙と物語に、いったい何が起こっているのか?
https://www.amazon.co.jp/dp/415209561X

円城塔はSF作家であるべき!という読者も多いと思います。理系の知識も豊富で博士号取って、計算でこんなの書けるんだからスゴイっす。

尖ったSF小説、それも特にエッジが効いた作品が好きな人はどうぞ。

4位 道化師の蝶

 

無活用ラテン語で書かれた小説『猫の下で読むに限る』で道化師と名指された実業家のエイブラムス氏。その作者である友幸友幸は、エイブラムス氏の潤沢な資金と人員を投入した追跡をよそに転居を繰り返し、現地の言葉で書かれた原稿を残してゆく。幾重にも織り上げられた言語をめぐる物語。芥川賞受賞作。
https://www.amazon.co.jp/dp/4062930072

芥川賞受賞作。

どんな話なのって説明されてもわからない。知性が鋭すぎて、凡人にはついていけないのか、あらすじなんて無意味なのか。考えちゃう人もいるかもしれませんが、もっと本能的に”読むこと”を楽しませようとしてるのかなって思います。

知的にトリップしたい方にオススメ!

3位 バナナ剥きには最適の日々

 

どこまで行っても、宇宙にはなにもなかった―空っぽの宇宙空間でただよい続け、いまだ出会うことのないバナナ型宇宙人を夢想し続ける無人探査機を描く表題作、淡々と受け継がれる記憶のなかで生まれ、滅びゆく時計の街を描いた「エデン逆行」など全10篇。

円城作品はどうして「わからないけどおもしろい」のか、その理由が少しわかるかもしれない作品集、ついに文庫化。ボーナストラック「コンタサル・パス」を追加収録。
https://www.amazon.co.jp/dp/4150311501

通常の私のランキングならばこれが一位です。

なぜなら読みやすくておもしろい、十二分に楽しめる作品。そしてなおかつその作家の持ち味がよくわかる、いわゆる”入門書”として最適だからです。

初めての人はこれから読むのがオススメ!

2位 これはペンです

 

叔父は文字だ。文字通り。文章自動生成プログラムの開発で莫大な富を得たらしい叔父から、大学生の姪に次々届く不思議な手紙。それは肉筆だけでなく、文字を刻んだ磁石やタイプボール、DNA配列として現れた――。

言葉とメッセージの根源に迫る表題作と、脳内の巨大仮想都市に人生を封じこめた父の肖像「良い夜を持っている」。科学と奇想、思想と情感が織りなす魅惑の物語。
https://www.amazon.co.jp/dp/410125771X

芥川賞候補作。ただし、多くの選評者に反対された曰くつきの作品。笑

個人的にも、文学的に価値があるとは全く思いません。ただ、価値がないものこそ贅沢だと思いませんか?無駄なものに時間をかける、というその行為こそが贅沢だと思いませんか?そもそも文学なんて無駄なものだとは思いませんか?

円城塔もきっとそんな気持ちで書いてるんじゃないかな?

才能の無駄遣いを真剣にしている感じ、大好きです。

1位 オブ・ザ・ベースボール

 

「道化師の蝶」で第146回芥川賞を受賞した円城塔氏のデビュー作が登場。ほぼ一年に一度、控えめに見ても百人を下ることのない人間が空から降ってくる町、ファウルズ。

単調で退屈な、この小さな町に流れ着き、ユニフォームとバットを身につけ、落ちて来る人を「打ち返す」レスキューチームの一員になった男の物語。奇想天外にして自由自在な文学空間。表題作は文學界新人賞受賞。
https://www.amazon.co.jp/dp/B009A494E0

これから読んじゃダメです。

これから読んじゃダメなんです。SF作家として読んで欲しい作品がいっぱいあるんです。でもやっぱりこれが1位なんです。

ナンセンス・無意味で時間の無駄で理解できない。笑えない。けど、おもしろい。

この感覚、読まなきゃ伝わりませんが、一方読んでも伝わらないかもしれません。

私は好きです。『つぎの作者に続く』を読むのはもう苦行。笑

 

おわりに

ナンセンスでひねくれたユーモアが持ち味の円城塔のおすすめ小説9作をランキング形式で紹介しました。

意味とはそもそも無意味である。突き詰めるとそういうことなのかもしれません。

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