はじめに:筆者のビジネス書愛が伝わる一冊
ビジネス書、毎月のように大量に出版がされていて、どんな本を読めばいいのかわからない。amazonのレビューはセルフレビューの疑いがあるし信用できない......など、悩んでいる方も多いと思います。そんな方が頼りになるのは、ビジネス書愛に溢れる人たちのレビューではないでしょうか。
本書は、アクセンチュア出身の大賀康史と、UBS証券出身の苅田明史が、転職先の経営コンサルティング・ファームにて、
『本の魅力が時代に合った形で、それも自分達の力で世の中に広まったら、マジで熱いね……起業して、自分たちでやってみる?』
(本書より)
と、語り合った勢いで立ち上げた株式会社フライヤーによる、起業家のための一冊です。つまり、ビジネス書愛溢れる者たちが書いた、ビジネスの本です。
構成的には、
- 著者の経験に基づいた起業ノウハウ
- 先輩起業家からの生々しいアドバイス
- 起業家必読と言える名著の要約・紹介
が、7つのチャプターごとに紹介されています。
最も熱いと感じたのが、名著の要約・紹介の部分です。この部分からは、著者のビジネス書愛が強烈に伝わってきて、ついつい興味がなかったはずの分野のビジネス書にまで手が伸びてしまいます。
やはり人を動かすのは、理屈ではなく、熱意であり、感情なのだ、ということが実感として理解できました。とにかく熱いビジネス書を読みたい方に是非読んでみて欲しいです!
目次
ビジネス名著、必読28冊の要約・紹介が熱い!
ビジネス名著には不変の真理とも言える、ビジネスの本質が詰まっています。そのエッセンスを抽出し、後述のインタビューとも呼応しあうことにより、著者自身の起業経験から来るノウハウに、なんとも言えない説得力を生んでいます。
書籍紹介は7つの項目にそれぞれ4冊ずつ程度、計28冊です。
- 起業について、人生についての考えを深めてくれる本
- 起業を見据えた会社員のための本
- 事業の核となる「アイデア」を導く本
- はじめての会社設立のプロセスで参考にしたい本
- 仲間を集め、強いチームを作る方法を学べる本
- 事業の「価値」を導いてくれる本
- サービスの普及局面で参考にしたい本
ラインナップは、『起業の技術』、『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました』、『不格好経営』、『起業家はどこで選択を謝るのか』、『ファシリテーションの教科書』、『さあ、才能に目覚めよう』、『キャズム』、『アイデアの作り方』、『スティーブ・ジョブズ脅威のプレゼン』、『リーン・スタートアップ』、『人を動かす』、などなどなどなど、超有名ビジネス書の名著から、こんな本があるんだ、という意外な本まで、幅広いラインナップで紹介がされています。
この本をスタートに、自分に今必要な本を見つけ出すこともできます。詳細は、是非本書を読んでみてください。
先輩起業家 7名のインタビューが熱い!
錚々たるメンバーの起業にまつわるエピソードが書かれています。成功者たちも、はじめから成功者だったわけではないのだな、ということがわかるだけでも素晴らしいです。
何かの運がなければ、こんなに有名になっていなかったのかもしれない、と思うほど、初めから成功者というわけではないのです。
同時に、有名になるくらい成功するまで、この人達は諦めないだろうな、という人たちばかりでもあります。
- 前田佳宏(リンカーズ)
- 出口治明(ライフネット生命)
- 南章行(ココナラ)
- 佐々木大輔(freee)
- 仲暁子(ウォンテッドリー)
- 元榮太一郎(弁護士ドットコム)
- 吉田浩一郎(クラウドワークス)
すごい。炎上した人もいるけれど、一旗揚げた人たちばかりですね。
おわりに
『勢いで起業した』と言ってはばからない著者が、自らが経験したような苦難を味合わさないように書かれたという側面も持った一冊です。
ということもあり、成功者の体験だけではなく、気をつけるポイントや、外してはいけないポイントもたくさん書かれており、かなり実用的だと思います。
更に、繰り返しになりますが、ビジネス書要約・紹介がひたすら熱い!自分が求めるビジネス書に出会えるのはもちろん、知らなかった分野の、興味がなかったはずの名著にまで手を伸ばしたくなる=新たな自分に出会える、という副次効果もあるので、名著要約・紹介はマジで必見です。
起業を目指している人だけでなく、サラリーマンの自己啓発書としてもオススメです。
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大量の情報をコンパクトに。キンドルがお勧め。