あらすじ
ジョージ・H・W・ブッシュ政権下、湾岸戦争のころのロサンゼルス。ジェフリー・リボウスキこと“デュード”は同姓同名の金持ちと間違えられ、闖入してきた暴漢たちに部屋の敷物に小便をかけられてしまう。敷物の弁償を求めて金持ちの“ビッグ・リボウスキ”を訪れるデュード。しかしビッグ・リボウスキは彼を穀潰しの怠け者と見なして、けんもほろろに追い返す。去り際にデュードは屋敷から立派な敷物を持ち帰る。
その後、デュードはビッグ・リボウスキから呼び出され、彼の豪邸に再び向かう。そこでデュードは、ビッグ・リボウスキの誘拐された妻バニーの身代金の引渡し役をして欲しいと頼まれる。依頼を引き受け、自宅でまどろむデュード。彼は新手の侵入者たちに気絶させられ、ビッグ・リボウスキの家から持ち出した敷物を奪われてしまう。
*以下ほぼネタバレなし
2016.3.5追記
洒落てる。本当に洒落てる
BGM、導入の語り口、そしてヒッピー系イケ男風な主人公。デュード、と呼ばれる彼が出てきて、洒落た雰囲気で映画は始まります。サングラスめっちゃ似合ってる!
監督:コーエン兄弟が何を仕掛けてくるのかまだわからず、本当にオシャレ映画なのではないかと思うほどです。
奇人しかいない!!脚本すげえ・・・
もちろん、オシャレ映画のままいくわけがありません。ひっきりなしに新しい奇人たちがデュードの前に現れ、彼(と仲間)を巻き込んで去っていく、この繰り返しで映画は進みます。シーンごとに積みあがっていく層のぶあつさ、絡み具合は本当にすげーです。全員おもしろい。全員狂ってる。出てくる登場人物でまともな人はいないといっても良いでしょう。
ただひとりをのぞいて。
くそ(ファッキン)ださくてかっこいい
ただひとり、それはデュードです。
ただ便所に頭突っ込まれるわ、スーパーでミルク盗み飲みするわ、酒は女子大生みたいなの(ホワイトルシアン)飲んでるわ、絨毯に異常な執着を見せるわ、汚いボウリング場でボウリングしかすることないわ、車もオンボロのうえ、女っ気も皆無、困ったら親友にすぐ頼るくせに、その親友もハイパークレイジーでいつも面倒に巻き込まれちゃう。
デュードに起こっていることだけ見ていると、めちゃくちゃださいんです。もう絶望的。自分にもしどれかが起こったら、這い上がる術はないな、って感じです。
しかし、デュードは逃げない。殴られても、刀を向けられても、望んでもいない子供を受胎されようとしてもアソコを切り落とされそうになっても。立ち向かうんです。しかも無駄に堂々と。
笑いたっぷりの中に、熱い要素を隠して盛り込んできて、憎いです。台詞回しも超かっこいい。ダレ場なんてほとんどなくて、あっという間に終わってしまいます。
それほど良くできすぎてて、狙いすぎ感はあるけど100%楽しめるエンタメ映画。スカッと笑っていい夢みましょう。
これもオススメ。休みのお供にエレン・ペイジ↓