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きゃすのキラキラブログ

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山内マリコの6冊をここではないどこかへ憧れる人のために捧ぐ

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ファスト風土にマイルドヤンキー

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山内マリコの出現で、『ファスト風土』という言葉が流行りました。

画一化されて均一な国道沿いや、マイルドヤンキーと呼ばれるような地方・郊外雰囲気を、都会人が哀れんで呼ぶような風土です。TSUTAYA、ドンキ・ホーテ、ユニクロ、スーパー銭湯、イオン......etc 国道沿いの雰囲気ですね。山内マリコが脚光を浴びた小説『ここは退屈迎えに来て』で登場するのは個性がない上記のようなものを消費する人たちの暮らしです。

とにかく山内マリコは地方や郊外の空気感、時代感を掴み取るのが上手い。ほとんどの場合、読者は共感しちゃいます。

たとえば、、、
輝いていた(と思いたい)青春時代を懐かしんで昔に戻りたいと思ったりすることありますよね。
また、東京での華やかな生活から一転、地方へ帰ってきた閉塞感に襲われたりする人も多いですよね。

そんな人が読むと確実に刺さります。痛みを伴うという意味で。


他にもとにかく的確に時代や空気を捉えた作品などを幅広く書いています。この記事ではランキング形式でオススメ作品を紹介します。

 

目次

 

山内マリコ略歴

大阪芸術大学芸術学部映像学科を卒業後、京都府でライター活動をしていたが、25歳の時に仕事を辞めて上京。

上京から約1年半後の2008年、短編「十六歳はセックスの齢」で第7回R-18文学賞・読者賞を受賞。

2012年、受賞から4年を費やし、同作を含む短編集『ここは退屈迎えに来て』を幻冬舎より刊行。デビュー作ながら樋口毅宏、海猫沢めろん、加藤ミリヤ、大根仁、坂井真紀といった様々なジャンルの著名人から称賛を受け、話題を呼んだ。

映画に造詣が深く、名画座で観た映画の感想を綴るブログ「The world of maricofff」を開設している。
山内マリコ - Wikipedia

 

 

ランキング

  • 独自ランキング
  • エッセイは除く
  • 6位までのランキングを下位から紹介

 

それでは早速ランキングどうぞ!

 

6位 東京23話

街は、とってもおしゃべり。 東京23区それぞれが、自身の歴史や街の様子、そこで生まれた悲喜こもごものドラマを「自分語り」する小説集。 お堅い学級委員タイプの千代田区が、ザ・ビートルズが来日した時の思い出を振り返ったり、イマドキの女子高生風の渋谷区が、恋文横丁の甘酸っぱい成り立ちを語ったり……。 思わずくすりとさせられたり、時にはほろりとさせられたりする物語を、23区+武蔵野市+東京都の全25話収録。

巻末に区のイラストと著者によるユーモア溢れる解説も収録し、小説集としてはもちろん、お散歩本としても楽しめる。 東京在住の人はもちろんのこと、そうでない人にも、東京の新旧の魅力をお伝えする一冊。

* 「なにしろわたし、千代田区なもんですから。スクエアな考え方しかできないんです。だからビートルズに武道館を使わせるのには反対でしたよ」(千代田区) 「ほら、ぶっちゃけあたしって谷じゃん? 銀座線とか超ヤバくて、地下鉄なのに地上三階に到着すんの。あたしどんだけ高低差あんの、みたいな。キャハハ!」(渋谷区) 「井伏鱒二の荻窪の家に、可憐な女性が訪ねてきたのは、昭和十四年ごろのことでした。真摯な勉強家で、志のある職業人で、子どもたちのために身を捧げるこの女性を、わたしはすぐに好きになりました」(杉並区)  (本文より抜粋)

* ジェーン・スーさん推薦!! 『わかる…!! 23区がしゃべり出したら、絶対こんな感じ』 ジェーン・スー(文京区出身)
https://www.amazon.co.jp/dp/4591146111

地方都市や、衰退していく国道沿いを書かせたらむちゃくちゃ上手い山内マリコですが、東京を書かせてもやっぱりうまい!


23区が順番にアピールを繰り広げていきます。特徴を捉えていて、関東在住者には究極の”あるある”体験ができます。『昔は良かった』って懐かしむところが何とも言えず、切なくていいんですよね。逆に言えば現代の東京に東京らしさってあるんだろうか。田舎者が集まる場所でしかないような。。。

渋谷なんかがギャルギャルしくしている中盤までと違って、終わりに東京都が語りだすと、一気に物語が意味を持ち出すんですよね。これは体験して欲しいです。
 

5位 アズミ・ハルコは行方不明

 

地方のキャバクラで働く愛菜は、同級生のユキオと再会。ユキオは意気投合した学と共にストリートアートに夢中だ。三人は、一ヶ月前から行方不明になっている安曇春子を、グラフィティを使って遊び半分で捜し始める。男性を襲う謎のグループ、通称〝少女ギャング団〟も横行する街で、彼女はどこに消えたのか? 現代女性の心を勇気づける快作。
https://www.amazon.co.jp/dp/4344424050

ポールオースターを超ポップにしたような固有名詞の羅列、 若者、時代性を全面に押し出したハイコンテクストな文体がむちゃくちゃ新しい山内マリコ。

本作でもその片鱗が随所に見られます。女性に特化して、語りかけているのがわかります。

人生がどん詰まりだと感じている人の背中を更に突き落とすような本なんだけど、何故か読後はすがすがしい。

 

4位 パリ行ったことないの

パリに行けば、自分が見つかるの? あゆこは『フィガロジャポン』を10年も定期購読しているのに、パリに行ったことがない。 人生に臆病なまま35歳を迎えたある日、まぼろしの映画『ディディーヌ』に魅せられて、ついにフランス行きを決意する――。 『フィガロジャポン』好評連載に書き下ろし「わたしはエトランゼ」をあわせて完結。すべての女性に贈る、10人の物語。
https://www.amazon.co.jp/dp/4484142325

まず、他の山内マリコの小説に比べて 、対象とする読者が若干広いです。主人公も若者からお年寄り(?)までいるので感情移入もどちらかと言えば様々な人がしやすいのかなと。こればっかりは想像ですが。

でも、テーマ的には実はいつもとあまり変わってなくて『ここではないどこかへ』憧れる女性の話なんですけどね。笑

何をやっても華になる都市、パリが好きな人は必読。

3位 さみしくなったら名前を呼んで

いつになれば、私は完成するんだろう。 踊る十四歳、孤高のギャル、謎めいた夫妻、故郷を置いてきた女…… 律儀に生きる孤独な人々の美しさをすくうショートストーリーズ <書き下ろし3編を含む、11編を収録した短編小説集>
https://www.amazon.co.jp/dp/4344026330

いやぁ、山内マリコはどの小説も題名がめちゃくちゃ秀逸なんですよね。『さみしくなったら名前を呼んで』ですよ。『ライ麦畑でつかまえて』ばりに良いですよね。

で、登場するどのキャラクターも、絶対に現実世界に存在にしているんです。モデルとなる人物がいる、というわけではなく、実際にそこらじゅうにいるんです。都会に憧れる地方(郊外)の女子元ヤンキーだけど歳を取るにつれて丸くなって、結婚して子どももいる会社員。誰も彼もがめちゃくちゃリアルです。


時代の空気を掴むのがむちゃくちゃ上手い。共感させられます、読ませられます。

2位 かわいい結婚

 

毎日毎日洗濯して、掃除して、ごはんを作る。それがゴールなら、わたしは誰とも恋なんかしない――。 地方在住・無気力主婦の孤独をコミカルに描く「かわいい結婚」、ある朝目覚めたら女になっていた男が遭遇する世界を描く「悪夢じゃなかった?」ほか、男と女と世界のギャップを可笑しくも痛切に描きだす、注目作家・山内マリコの新境地! 2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞、2012年、初の著書『ここは退屈迎えに来て』(幻冬舎)で地方生まれ・在住女子の閉塞感と希望をリアルに描き、大きな共感と話題を集めた山内マリコの最新小説集。家事嫌いの専業主婦の日常や、男が女に変身するハプニングから見えてくる新たな世界をコミカルなタッチで描きながら、男女関係の「見えないルール」に対する痛烈な皮肉が伝わる快作!
https://www.amazon.co.jp/dp/4062194058

ジャンルで言うなら男女関係を描いたブラックコメディでしょうか?現代の地方(郊外)の暮らしを書かせたら右に出るものはいないと言われる彼女の中では異色作です。

いずれにせよ、やはり観察眼が尖すぎる。

描かれるのは東京最先端のエッジの効いたリベラルな男女関係ではありません。家事がしない男がいる、など地方に根強く残る少々レトロな価値観を、理想と現実のギャップを鋭く皮肉りながら描いています。

女性が読むと、『あーわかる』が連発される小説です。もちろん男性が読んでも楽しめますよ。女性蔑視しない人ならね。笑

1位 ここは退屈迎えに来て

 

地方都市に生まれた女の子たちが、ため息と希望を落とした8つの物語。 フレッシュな感性と技が冴えわたるデビュー作は、 「R-18文学賞」読者賞受賞作「十六歳はセックスの齢」を含む連作小説集。 
https://www.amazon.co.jp/dp/4344421884

山内マリコはどの題名もグッとくるんですけど、 この小説ほど題名にグッとくるものはあまりないはず。そして、小説全体のエキスが濃縮されていると言っても過言ではない。もうこの辺のセンスは心底脱帽です。

書きたいこと、書けることを全て計算し尽くした上で表現しているんだなっていうのが伝わります。

とにかく読んでいると『あの頃は良かった』的な地方の閉塞感、青春がいつの間にか終わってしまった切なさにクラクラすること間違い無し。人生の残りなんて、もう消化試合かも、なんて思っちゃっている人が読めば心を締め付けられるはず。

 

おわりに

ファスト風土を描かせたら右に出るものはいない山内マリコのおすすめ小説を紹介しました。

郊外と言えば、アーケイド・ファイアもアルバム”suburbs”(郊外) で狂った世界観を表現してグラミー賞を取りました。郊外にはどこか文学的で詩的な、ある種の感情を揺さぶる魅力があるような気がします。

何か楽しいことが起きるように、そんな気持ちを思い出させてくれる小説たちです。

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