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きゃすのキラキラブログ

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堀江敏幸おすすめ小説!抑制されているのに心が震える小説ベスト8+αランキング形式で紹介

小説
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 美しい日本語を緻密に使って少しの言葉で多くを語る

岐阜県多治見市生まれ。岐阜県立多治見北高等学校を経て、早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒業。東京大学大学院人文科学研究科フランス文学専攻博士課程単位取得退学。その間にパリ第3大学博士課程留学。
1994年より、フランス留学経験を随筆風に綴った『郊外へ』を白水社の雑誌『ふらんす』に連載。1995年に単行本化され、小説家デビューを果たす。 2001年、『熊の敷石』で第124回芥川龍之介賞受賞。2004年より明治大学理工学部教授、2007年に早稲田大学文学学術院教授に就任。2009年に早稲田大学短歌会会長に就任。

●受賞歴● 
三島由紀夫賞(1999年)おぱらばん
芥川龍之介賞(2001年)熊の敷石
川端康成文学賞(2003年)スタンス・ドット
木山捷平文学賞(2004年)雪沼とその周辺
谷崎潤一郎賞(2004年)雪沼とその周辺
読売文学賞(2006年・2010年)河岸忘日抄・正弦曲線
伊藤整文学賞(2012年)なずな
毎日書評賞(2013年)振り子で言葉を探るように
中日文化賞(2013年)
野間文芸賞(2016年)その姿の消し方
堀江敏幸 - Wikipedia

エンタメ小説ではよく”死”が使われます。病気で死にゆく恋人との半年間を描いた作品、死んでしまった人が蘇ってくる作品、両親が惨殺されて遺された子どもの話......etcいいんです。テクニックとして、使い勝手が良いんですよね。
重要な人を死なせておけば物語って盛り上がるんですから。 
堀江敏幸はそんなことをしなくても人の心を動かします。淡々と普通の人々の生活を描いているようなのに、何故だか涙が出てくる、ぐっと日々の暮らしに感謝したくなってしまう。もちろん一流のテクニックで狙ってやっているのですが、読後はいつもその職人芸に驚きです。日本語を操るのが本当にうまい!

この記事では、職人の技が光る堀江敏幸おすすめ小説ベスト8作+αをランキング形式で紹介します。

目次

 

ランキング

  • 独自ランキング
  • 小説、散文集が対象
  • +αとしてエッセイを1作紹介

 

 

それではランキングどうぞ! 

8位 めぐらし屋

 

長く疎遠だった父、その遺品の整理中に見つけた大学ノートには、表紙に大きく「めぐらし屋」と書かれていた。困惑する娘の蕗子さんに、折も折、当のめぐらし屋を依頼する見知らぬ客からの電話が舞い込む。そして、父の独居暮らしに淡い輪郭が与えられるたび、蕗子さんの遠い記憶は小さくさざめくのだった。
地方都市を舞台に、温かで端正な筆致で描く、飾りない人びとの日常光景。
https://www.amazon.co.jp/dp/4620107115

堀江敏幸の魅力は、激しい毒を描かずとも、人の心を動かすことができる芸術性の高さです。大都会ではない、”ありそうな町”を描くのもとても上手い。本作でもその片鱗が伺えます。 
蕗子さん(すごい名前。笑)を観ていると、温かい気持ちにきっとなれる。

7位 河岸忘日抄

 

ためらいつづけることの、何という贅沢──。ひとりの老人の世話で、異国のとある河岸に繋留された船に住むことになった「彼」は、古い家具とレコードが整然と並ぶリビングを珈琲の香りで満たしながら、本を読み、時折訪れる郵便配達夫と語らう。
ゆるやかに流れる時間のなかで、日を忘れるために。動かぬ船内で言葉を紡ぎつつ、なおどこかへの移動を試みる傑作長編小説。
https://www.amazon.co.jp/dp/4101294739

ひとりで河岸の船に住む。そんな主人公は悟っている隠者、または自由を得た遊び人のようでいて、実は何かから逃れているのかもしれません。
モラトリアムの時期の感覚に近い何かを感じられたらさいご、虜にされてしまえます。

6位 バン・マリーへの手紙

 

ユセンにしないと出てこない味なのよ、と先生は言うのであった。直接火にかけないことで逆に奥深くまで火を通しうる「湯煎」のようにゆっくりと、彼方に過ぎ去った思い出や、浮いては沈む想念をやわらかな筆捌きでつづる最新散文集。
https://www.amazon.co.jp/dp/4000244361

散文集と言えば、 フェルナンド・ペソア『不穏の書』が思い出されますが、堀江敏幸の本作も、どこか異国情緒が感じられる一作です。物語という箱を取っ払って、ただ文章を味わいたい時、ほのかな酔いとともにどうぞ

5位 なずな

 

とある事情から弟夫婦の子、なずなを預かることになった私。独身で子育て経験のない四十半ばの私は、周囲の温かい人々に見守られながら、生後二ヶ月の赤ん坊との暮らしを始める。第23回伊藤整文学賞受賞作
https://www.amazon.co.jp/dp/4087452484

まず相変わらず名付けのセンスがおもしろい。赤ちゃんの名前『なずな』って、センス良すぎ。めぐらし屋での『蕗子さん』と並んで良い名前だと思いますね。
赤ちゃんがいると世界が変わる、周りが変わる、大人がみんな笑顔になる、その喜びと驚きが、体験できる素敵な小説。 

4位 おぱらばん

 

とりすました石畳の都会から隔たった郊外の街に暮らす私。自らもマイノリティとして日を過ごす傍らで、想いは、時代に忘れられた文学への愛惜の情とゆるやかにむすびつきながら、自由にめぐる。ネイティブのフランス人が冷笑する中国移民の紋切型の言い回しを通じ、愛すべき卓球名人の肖像を描いた表題作をはじめ、15篇を収録した新しいエッセイ/純文学のかたち。三島賞受賞作。
https://www.amazon.co.jp/dp/4101294747

散文集として読めば良いです。堀江敏幸は場面の切り取り方が尋常じゃなく上手い。なんでもない(であろう)景色や場面が、すごく愛しいものであるように感じられるのです。
どこのページを開いても発見がある、感覚が研ぎ澄まされる、そんな散文集です。

3位 熊の敷石

 

「なんとなく」という感覚に支えられた違和と理解。そんな人とのつながりはあるのだろうか。フランス滞在中、旧友ヤンを田舎に訪ねた私が出会ったのは、友につらなるユダヤ人の歴史と経験、そして家主の女性と目の見えない幼い息子だった。芥川賞受賞の表題作をはじめ、人生の真実を静かに照らしだす作品集。
https://www.amazon.co.jp/dp/4062739585

綿密に繊細な計画を持って仕事をしているのが伝わる堀江敏幸の芥川賞受賞作品。日本語の美しさ、言葉少なく多くを語る、職人の技が光ります。語らないほうが色っぽいと思いませんか? 
文庫版には川上弘美の解説も収録。

2位 その姿の消し方

 

フランス留学時代、古物市で手に入れた、1938年の消印のある古い絵はがき。廃屋と朽ちた四輪馬車の写真の裏には、謎めいた十行の詩が書かれていた。やがて、この会計検査官にして「詩人」の絵はがきが、一枚、また一枚と、「私」の手元に舞い込んでくる…。戦乱の20世紀前半を生きた「詩人」と現在を生きる「私」。二人を結ぶ遠い町の人々。読むことの創造性を証す待望の長篇。
https://www.amazon.co.jp/dp/4104471054

 まず題名が素晴らしい。私はゆらゆら帝国、坂本慎太郎を偏愛しているのですが、彼のの楽曲『ソフトに死んでいる』『君はそう決めた』『幻とのつきあい方』などの歌詞・タイトルを思い浮かびました。
堀江敏幸も坂本慎太郎も、個人的で内省的な空気感を漂わせているのに、多くの人々の心を動かすしかけがたくさんしてあるんですよね。そこに痺れます。

1位 雪沼とその周辺 

 

小さなレコード店や製函工場で、時代の波に取り残されてなお、使い慣れた旧式の道具たちと血を通わすようにして生きる雪沼の人々。廃業の日、無人のボウリング場にひょっこり現れたカップルに、最後のゲームをプレゼントしようと思い立つ店主を描く佳品「スタンス・ドット」をはじめ、山あいの寂びた町の日々の移ろいのなかに、それぞれの人生の甘苦を映しだす川端賞・谷崎賞受賞の傑作連作小説。
https://www.amazon.co.jp/dp/4101294720

文句なしの1位は『雪沼・その周辺』です。
悲しい物語ではないのに、誰も不幸になんてなっていないのに、切ない気持ち、哀しい感情がじっとりじっとりと胸の中に流れ込んできます。
プロットに起伏も何もないのだけれど、読む手が止まらない小説に出会うのは難しいですが、この小説にはその力があります。全ての読書家におすすめです。

【エッセイ】振り子で言葉を探るように

 

再生装置である「私」の数だけ本は存在する―。三百冊の本。数多の書き手と著者の言葉が響き合う幸福な書評集
https://www.amazon.co.jp/dp/4620320870

良い小説に出会うための方法の一つに、感覚の一致する人にオススメを勧めてもらう、というのがあると思います。自分の目線だけでなく、他者の目線も加わることで、ぐっと幅が広がるのです。 
本作は、堀江敏幸の書評集のようなものです。新しい本を探していて、堀江敏幸の文章が好きな方は絶対に読んだ方がいい!良い作家にかならず会えます。

おわりに

堀江敏幸のおすすめ小説8作+αをランキング形式で紹介しました!
プロットに抑揚が少なく、エンタメとしての楽しみは抑えられているので、売れないんじゃ......って感じですが、私は堀江敏幸の文章が相当好きです。
良質な日本語文学をお探しの方には超おすすめ!職人の仕事に知らず知らずのうちに感動させられているはず。

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