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川上弘美おすすめ小説!幻想的な空気感がたまらない小説20作をランキング形式で紹介

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 日本文学版マジックリアリズム?幻想的な空気感が素敵な短編の名手

大学在学中よりSF雑誌に短編を寄稿、編集にもたずさわる。高校の生物科教員などを経て、1994年、短編「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞。1996年「蛇を踏む」で芥川賞受賞。
幻想的な世界と日常が織り交ざった描写を得意とする。作品のおりなす世界観は「空気感」と呼ばれ、内田百閒の影響を受けた独特のものである。
俳人でもあり、小澤實主宰の『澤』に投句しているほか、長嶋有らとともに句誌『恒信風』で句作活動をしている。

●受賞歴など

1994年 『神様』でパソコン通信を利用したASAHIネット主催の第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞。この回の選考委員は、井上ひさし、小林恭二、筒井康隆。
1995年 『婆』が第113回芥川龍之介賞候補作品
1996年 『蛇を踏む』で第115回芥川龍之介賞を受賞
1999年 『神様』で第9回紫式部文学賞、第9回Bunkamuraドゥマゴ文学賞(審査員久世光彦)
2000年『溺レる』で第11回伊藤整文学賞、第39回女流文学賞を受賞。
2001年 第37回谷崎潤一郎賞を受賞した『センセイの鞄』では、中年女性と初老の男性との淡い恋愛を描きベストセラーとなった。同作品はWOWOWのオリジナルドラマ制作プロジェクト『ドラマW』により、久世光彦監督の演出、小泉今日子・柄本明の共演でテレビドラマ化されている。
2007年 『真鶴(まなづる)』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
2013年発表の2012年マン・アジア文学賞(Man Asian Literary Prize)において『センセイの鞄』の英訳(The Briefcase)が、ノーベル文学賞受賞者のオルハン・パムクのSilent Houseなど4作品と共に最終候補に残ったが、受賞は逃した。
2007年 第137回芥川賞選考会から、選考委員として参加。谷崎潤一郎賞と三島由紀夫賞の選考委員も務める。
2015年 『水声』で第66回読売文学賞を受賞
2016年 『大きな鳥にさらわれないよう』で第44回泉鏡花文学賞を受賞。

川上弘美 - Wikipedia

何でもない日常のはずなのに、突然言葉を話す動物が出てきたりなんていうのは当たり前、幽霊だって宇宙人だって普通に出てきます。
しかし、エンターテイメント・娯楽系の小説家と言われると全く違います。どちらかというと純文学寄りの、芸術性の高い小説を書き続ける女流作家です。
話す動物とか、奇妙な生物、宇宙人なんて、違和感丸出しのはずなのに、川上弘美の小説のなかでは、まるで当たり前みたいに存在する。 その空気感がたまらなく素敵で、ずっとその世界にいたいと思わせられてしまいます。
お守りみたいにして本棚に持っておいて、ちょっと疲れた時だったり、失恋した時、嫌なことがあったときに、読むと最高なんです。
そんな、ちょっと不思議な純文学作家、川上弘美のおすすめ小説ベスト20をランキング形式で紹介します。

目次

 

おすすめランキング

  • 独自ランキング
  • エッセイは除く
  • 長編・短編の区別なくおすすめしたいランキング

 

それではランキングどうぞ! 

20位 椰子・椰子

 

時空が静かによじれ、ヘンなモノたちが息づく日々。芥川賞作家川上弘美が綴る、しみじみシュール日記と短編を、山口マオのほのぼのポップなイラストが彩る。ドライで可憐で明るく切ない「椰子・椰子な世界」へようこそ!
https://www.amazon.co.jp/dp/4093861110

普通の人の暮らしを映すようなお作法で非日常を描きます。
たとえば、もぐらと写真を取ったり、乳房や耳が二倍になったり、鳥が話しかけてきたり。山口マオの挿絵も不気味なのにかわいくて良いです。
夢を小説にした、とあとがきでありますが、他人の夢の中に入るのって本当におもしろい。現実が嫌になったら飛び込んでみてください。 

19位 ニシノユキヒコの恋と冒険

 

ニシノくん、幸彦、西野君、ユキヒコ…。姿よしセックスよし。女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう。とめどないこの世に真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、傑作連作集。
https://www.amazon.co.jp/dp/4101292345

ニシノ、絶対ガールズトークのネタにされてるだろうなって感じの男です。女性は必ず昔付き合って、ダメだなと思った感覚、その残滓をこの小説で感じることができるはず。名字がニシノっていうのもまた乙ですね。 

18位 風花

 

夫に恋人がいた。離婚をほのめかされた。わたしはいったい、どう、したいんだろう―。夫婦の間に立ちこめる、微妙なざわめき。途方に暮れながらも、自分と向き合い、夫と向き合い、少しずつ前へ進みはじめた、のゆり、33歳の物語。
https://www.amazon.co.jp/dp/4087712079

川上弘美はルーツがSFとかにあるということと、ユニークな文体が合わさっているので、英米文学のノリに近い作品も多いんですよね。本作もそんな感じ。
岸本佐知子が翻訳してそうなイメージ。そういう作品が好きな方は要チェック!

17位 天頂より少し下って

 

“ふたたび恋を始めたのは、三十代の半ばころからだったか。その夏はじめてのプールにつかるときの感じだったな、あれは、と真琴は思う。まだ濡れていない体と水着でもってプールの中へ入ってゆくときの、気持ち悪いような、でも思い切って水に入ればすぐにやってくる解放感、久しぶりに男の人のくちびるを自分のくちびるに感じたときの、違和感と安心感が混じりあった感覚は、それにそっくりだった。
”奇妙な味とユーモア、そしてやわらかな幸福感。少女から大人の女まで、多彩な主人公たちが登場する傑作ぞろい―川上マジックが冴えわたる、極上の恋愛小説全七篇。
https://www.amazon.co.jp/dp/4094060634

浮ついた恋愛小説が苦手な方に読んで欲しい小説。
激しく求め合う愛、みたいなのではなく、ゆるーく、じんわり温かくなうような、大人のための恋愛小説です。ありますよね、成就しなくっても素敵な恋。 

16位 猫を拾いに

 

恋をすると、誰でもちょっぴりずつ不幸になるよ。いろんな色の恋がある。小さな人や地球外生物、そして怨霊も現われる。心がふるえる21篇。傑作短篇小説集。
https://www.amazon.co.jp/dp/4838726198

川上弘美お得意の不思議な世界観の短編集。数ページ~数十ページぐらいの短編が21作も楽しめます。どのページを開いても楽しい。
 

15位 このあたりの人たち

 

町ができていく。8年の歳月をかけ、丹精込めて創り上げた、“このあたり”をめぐる26の物語。
https://www.amazon.co.jp/dp/4884184505

 『このあたり』の人たちの数々のエピソードが、乾いてからからになった心を満たしてくれます。
こんなところに住みたい。こんな人たちと出会いたい、そう思わせてくれる川上弘美作品の集大成かも!

14位 おめでとう

 

忘れないでいよう。今のことを。今までのことを。これからのことを。 小田原の小さな飲み屋で、あいしてる、と言うあたしを尻目に生蛸をむつむつと噛むタマヨさん。
「このたびは、あんまり愛してて、困っちゃったわよ」とこちらが困るような率直さで言うショウコさん。
百五十年生きることにした、そのくらい生きてればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうし、と突然言うトキタさん……ぽっかり明るく深々しみる、よるべない恋の十二景。
https://www.amazon.co.jp/dp/4101292329

私たちが学校で習ったり、テレビで観たりするような価値観とは違ったものを提供する、それが文学の素晴らしいところだと思います。でも肩肘張った文学ってしんどいもの。
そんななか、川上弘美はゆるーく大人な空気で書き切ります。いつも虐げられている人に是非読んで欲しい。彼女の本には救いがあります。

13位 光ってみえるもの、あれは

 

ああ、やっぱり僕は早く大人になりたい-友と、彼女と、規格はずれの「家族」。春から夏へ、不自由でよるべない、16歳の日々が過ぎていく。川上弘美にしか書き得ない、家族小説の最高傑作。
https://www.amazon.co.jp/dp/4120034429

川上弘美には珍しい青春モノ。 青春者だけど、いわゆる青春小説とは違う感じ。
お決まりの少しおかしな世界観は家族が表現してくれているのですが、主人公の少年の葛藤や成長が描かれているのが、他の作品とは違うところ。
こんな少年いないし、全然リアルではないのだけれど、心の奥底に響く物語です。

12位 夜の公園

 

「申し分のない」夫と、三十五年ローンのマンションに暮らすリリ。このまま一生、こういうふうに過ぎてゆくのかもしれない…。そんなとき、リリは夜の公園で九歳年下の青年に出会う―。
寄り添っているのに、届かないのはなぜ。たゆたいながら確かに変わりゆく男女四人の関係を、それぞれの視点が描き出し、恋愛の現実に深く分け入る長篇小説。
https://www.amazon.co.jp/dp/4122051371

正しいとか正しくないとか、そういうことを取り払ったところに何が残るのか。ルールとかマナー、法律や規則を離れて、心にどんどん近づいていくと、何が起こるのか、そんなことに興味がある人は読んでみてください。答えはないけど、ヒントになるはず。

11位 これでよろしくて?

 

38歳の主婦菜月は奇天烈な会合に誘われて……日々の「?」をまな板に載せ、老若女女が語らえば--人との関わりに小さな戸惑いを覚える貴女に贈る、コミカルで奥深いガールズトーク小説。
https://www.amazon.co.jp/dp/4122057035

題名が秀逸。シュールな作品っていうのが一発でわかるかと思います。
ゆるい空気の中に隠れた、男性や、姑、その家族への静かなる皮肉がとても楽しい一作。 

10位 龍宮

 

霊力を持つ小柄な曾祖母、人間界に馴染めなかった蛸、男の家から海へと帰る海馬。日常と非日常を行き来する玉手箱のような作品集
https://www.amazon.co.jp/dp/4167631040

日常と非日常を組み合わせる作家というと、日本人作家では村上春樹を挙げられる人が多いでしょう(ノルウェイの森などは例外的にリアリズム小説ですが)。

しかし、川上弘美もとてつもなく詩的なものを小説に組み込むのが上手いです。彼らはもう本当に自然に”そこにいる”のです。本当にいるのです。

9位 なめらかで熱くて甘苦しくて

 

少女の想像の中の奇妙なセックス、女の自由をいまも奪う幻の手首の紐、母の乳房から情欲を吸いだす貪欲な嬰児と、はるか千年を越えて女を口説く男たち。やがて洪水は現実から非現実へとあふれだし、「それ」を宿す人々を呑み込んでいく……。
水/土/風/火の四大元素と世界の名をもつ魅惑的な物語がときはなつ、愛し、産み、老いていく女たちの愛おしい人生と「性欲」の不思議。
https://www.amazon.co.jp/dp/4101292434

物語を楽しむというよりかは、奥の方にある思念を楽しむ小説です。

読むのが少し苦しいような、どこか恐ろしいものを読んでいるような気がしてくるはず。それはきっと、みんなが知らない重要なものに触れているから。

8位 いとしい

 

「好きになるということは、好きになると決めること」母性より女性を匂わせる母と、売れない春画を描く義父に育てられた姉妹ユリエとマリエ。温かく濃密な毎日の果てに、二人はそれぞれの愛を見つける。高校教師になった妹マリエは教え子のミドリ子の兄と恋に落ちるが、ミドリ子の愛人は母の恋人だった…。
https://www.amazon.co.jp/dp/4344400062

タイトルがいいんです。『いとしい』って。
川上未映子『あこがれ』もとてもいいタイトルでしたが、これもまた良い。読むと救われます。

7位 水声

 

過去と現在の間に立ち現れる存在「都」と「陵」はきょうだいとして育った。だが、今のふたりの生活のこの甘美さ! 「ママ」は死に、人生の時間は過ぎるのであった。
https://www.amazon.co.jp/dp/4163901310

川上弘美本気出したな!って感じの小説です。
構成も上手いしテーマも重厚、それでいて軽やかな文体は健在。素晴らしい小説です。 川上弘美が視るこの世界と、私たちが観ているこの世界はきっと違うんですが、小説を読んでいる間だけは彼女の視る世界が感じられるのです。

6位 大きな鳥にさらわれないよう

 

何人もの子供を育てる女たち。回転木馬のそばでは係員が静かに佇む。少女たちは日が暮れるまで緑の庭で戯れ、数字を名にもつ者たちがみずうみのほとりで暮らす。遙か遠い未来、人々は小さな集団に分かれ、密やかに暮らしていた。生きながらえるために、ある祈りを胸に秘め―。滅びゆく世界の、かすかな光を求めて
https://www.amazon.co.jp/dp/4062199653

震災後、多くの小説家は何を書くべきか、どう書くべきか、悩んだことでしょう。川上弘美もそのうちの一人だと思いますが、すごい力で書ききってくれました。読めることに感謝。

物語の持つ力、文章の力がみなぎった渾身の一作です。震災後文学としては、もちろん、ある種のSFとしての魅力もみなぎる傑作です。筒井康隆も絶賛。

5位 蛇を踏む

 

藪で、蛇を踏んだ。「踏まれたので仕方ありません」と声がして、蛇は女になった。「あなたのお母さんよ」と、部屋で料理を作って待っていた…。若い女性の自立と孤独を描いた芥川賞受賞作「蛇を踏む」。“消える家族”と“縮む家族”の縁組を通して、現代の家庭を寓意的に描く「消える」。ほか「惜夜記」を収録。
https://www.amazon.co.jp/dp/4167631016

『うそばなし』の傑作小説。芥川賞受賞。

理屈、言葉で理解できないことを表現する一つの方法として、小説や物語があると思います。その可能性を存分に発揮した傑作です。

ふと疲れた時に旅する気持ちで。

4位 真鶴

 

12年前に夫の礼は失踪した、「真鶴」という言葉を日記に残して。京は、母親、一人娘の百と三人で暮らしを営む。不在の夫に思いをはせつつ新しい恋人と逢瀬を重ねている京は何かに惹かれるように、東京と真鶴の間を往還するのだった。京についてくる目に見えない女は何を伝えようとしているのか。遙かな視線の物語。
https://www.amazon.co.jp/dp/4167631067

代表作のうちのひとつ。もうこのあたりの作品になってくると甲乙つけがたいです。もはや好みの問題だし。
女性というのは絶えず変化しつつも、安定感が男性よりも高いものとされています。それは身体的特徴からも明らかです。 
女性が喪失を経て移ろいながら、ひたすら死に向かっていく。川上弘美の本気の一作。

3位 センセイの鞄

 

ひとり通いの居酒屋で37歳のツキコさんがたまさか隣あったご老体は、学生時代の国語の恩師だった。カウンターでぽつりぽつりと交わす世間話から始まったセンセイとの日々は、露店めぐりやお花見、ときにささいな喧嘩もはさみながら、ゆたかに四季をめぐる。
年齢のはなれた男女の、飄々として、やがて切々と慈しみあう恋情を描き、あらゆる世代をとりこにした谷崎賞受賞の名作。
https://www.amazon.co.jp/dp/4167631032

初読者の川上弘美には一番入門として良いかも!っていう作品。これが一番読みやすくて、純文学的だけでなく、物語的にもエンターテイメントとしておもしろい。
優しく温かいと当時に寂しく悲しい。すごい感情を抱かせてくれる神業のような作品です。

2位 神様

 

くまにさそわれて散歩に出る。川原に行くのである―四季おりおりに現れる、不思議な“生き物”たちとのふれあいと別れ。心がぽかぽかとあたたまり、なぜだか少し泣けてくる、うららでせつない九つの物語。デビュー作「神様」収録。ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞。
https://www.amazon.co.jp/dp/4122039053

デビュー作『神様』 も、もちろんすごいのだけれども、どの短編もすごく良質。川上弘美の短編にハズレ無し、とは読書家の間でもよく言われていますが、それにしてもすごい。
笑って、じわじわ泣けて、読書の世界から戻りたくなくなるほどハマっちゃうはず。

1位 溺レる

 

二人で何本も徳利を空にして、ゆらゆらと並んで歩く暗い夜の情景―「さやさや」。ちょっとだめな男とアイヨクにオボレ、どこまでも逃げる旅―「溺レる」。もっと深い仲になりたいのに、ぬらくらとすり抜ける男―「七面鳥が」。恋愛の過ぎて行く一瞬を惜しむ、傑作短篇集。女流文学賞・伊藤整文学賞受賞。
https://www.amazon.co.jp/dp/4167631024

1位は『溺レる』。どちらかというと小粒の作品ですが、やっぱり川上弘美は短編がものすごく良い!
ダメな人間がたくさん出てくる小説って素晴らしいと思うんですがどうですか?良いと思うアナタは必読です。

 

おわりに

川上弘美のおすすめ小説20作をランキング形式でしょうかいしました!

現実にちょっと疲れた時、夢の世界に一瞬でも逃げ込みたい時読んでみてください。笑って泣けてじわじわ温かくなれる小説だらけです。

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