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きゃすのキラキラブログ

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ヘルマン・ヘッセのおすすめ小説 13作ランキング形式で紹介する

小説
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はじめに:ノーベル賞作家は常に悩める者の味方

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20世紀文学を代表する世界的大作家のヘルマン・ヘッセ。『車輪の下』の作者でご存知の人も多いはず。でも『車輪の下』だけじゃないんですよね。ノーベル賞を取ったのは『ガラス玉演戯』だし、他にも名作がたくさんあるんです。

ヘルマンヘッセの売りは何と言っても感受性に訴えかける描写と深い精神世界の表現です。自分の心を内側から覗かれて、物語にされたかのように感じる小説がたくさんあります。時を超え、国籍を超えて人びとの心を惹きつけ続けています。生きる意味とは、平和に生きるには、心を失わなずに美を愛し続けるには。。。大人になって失ってしまった大切なものがヘッセの小説には描かれています。

人生で本当に何が大切なのか見失ってしまった時に立ち止まって読みたい物語がたくさんあるんです。

 

それでは早速独自ランキングどうぞ!

 

目次

   

13位 メルヒェン

メルヒェン (新潮文庫)

メルヒェン (新潮文庫)

 

おとなの心に純粋な子供の魂を呼びもどし、清らかな感動へと誘うヘッセの創作童話集。「アウグスツス」「アヤメ」など全9編を収録。
https://www.amazon.co.jp/dp/4102001174

ヘッセの心の温かさが全面的に出ている短編集です。

美しい涙を流せること間違いなしです。ふとした時に手にとって、読み返すたびに発見があることでしょう。それは子どもの視点で読むのか、大人の視点で読むのか。親としての目線で読むのか、死の間際に読むのかによって変わるかもしれません。

とにかく美しい涙が流せます。

 

12位 荒野のおおかみ

荒野のおおかみ(新潮文庫)

荒野のおおかみ(新潮文庫)

 

物質の過剰に陶酔している現代社会で、それと同調して市民的に生きることのできない放浪者ハリー・ハラーを“荒野のおおかみ”に擬し、自己の内部と、自己と世界との間の二重の分裂に苦悩するアウトサイダーの魂の苦しみを描く。本書は、同時に機械文明の発達に幻惑されて無反省に惰性的に生きている同時代に対する痛烈な文明批判を試みた、詩人五十歳の記念的作品である。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01E6HG8VC

文明批判や、社会の堕落に耐えられないヘッセ自身の気持ちが溢れ出ている実験的作品。

戦争に再び戻ろうとする愚かさや、人生の些末な刺激に惑わされて、真理を追い求めない人びとへの自分の苛立ちと向き合って書かれているのです。第一次世界大戦後のドイツという、時代が時代なだけに、出版当初は痛烈な批判を浴びたという記録が残っています。

自分が本当に心から真剣に生きているのか疑問に思っているあなたへオススメです。

 

11位 知と愛

知と愛(新潮文庫)

知と愛(新潮文庫)

 

本来官能の子でありながら精神の人になろうとして修道院に入った美少年ゴルトムントは、若く美しい師ナルチスの存在によって、自分は精神よりもむしろ芸術に奉仕すべき人間であることを教えられ、知を断念して愛に生きるべく、愛欲と放浪の生活にはいる――。二つの最も人間的な欲求である知と愛とが、反撥し合いながら互いに引かれ合う姿を描いた多彩な恋愛変奏曲。一九三○年作。 
https://www.amazon.co.jp/dp/B01E6HG8TO

愛と芸術と平和と知と。生涯のテーマを描いたヘッセ晩年の傑作。全ての描写が抜群に、美しく、小説全体のテーマを細部にもふんだんなく宿している筆力は健在です。

『Love and Peace』というテーマには様々な表現方法があるということを思い知らされます。

 

10位 クヌルプ 

クヌルプ(新潮文庫)

クヌルプ(新潮文庫)

 

年上の娘への初恋が裏切られた時から、クヌルプの漂泊の人生が始まる。旅職人となった彼は、まともな親方にはならなかったが、自然と人生の美しさを見いだす生活の芸術家となり、行く先々で人々の息苦しい生活に一脈の明るさとくつろぎをもたらす。最後に雪の中で倒れた彼に神さまはクヌルプは彼らしく生きたと語りかける……。永遠に流浪する芸術家の魂を描いた作品である。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01E6HG8LM

ヘッセの作品は時を超え、場所を超えて、私たち読者一人ひとりに直接語りかけることのできる作家です。

自分の行きている道は正しいのか、他の方法があったのではないか、何の意味もない人生なのでは。。。普段は隠れているけれども、いつも自分の内にある不安や自信のなさをそっと包んでくれるのです。

読後には、心の内側を射抜かれたような感覚が味わえます。

 

9位 幸福論

幸福論(新潮文庫)

幸福論(新潮文庫)

 

あらゆるものから自由であり得た子ども時代の貴重な体験を回想しながら、真の幸福とは何かを語る『幸福論』。バーデン湯治中にめぐり会ったユーモラスなはぐれ者のからすに自画像を重ね合せて、アウトサイダーとしての人生を描く珠玉の短編『小がらす』。人間として文学者として、幾多の危機を越えてきたヘッセが、静かな晩年の日々につづった随想と小品全14編を収録する。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01E6HG8X0

エッセイや詩的な文章が含まれる散文集のような作品。

自分自身の生活や考えを吐露していて、ヘッセの老いの肌触りが感じられます。ファンにとってはとても良い作品です。というかむしろ必読でしょう。ただし、初心者は、ヘッセのメジャー作品を読んでから臨んだほうが良いと思います。

 

 

8位 ガラス玉演戯 

ガラス玉演戯(上)

ガラス玉演戯(上)

 

 

ガラス玉演戯(下)

ガラス玉演戯(下)

 

精神的なユートピア「カスターリエン」にあこがれ、その指導者となる運命に導かれるクネヒトの伝記というかたちをとって、戦争と雑文文化の20世紀に対する文明批判を盛りこんだ未来小説。だが、「ガラス玉演戯名人」という最高位に昇りつめたクネヒトは最後に、現実遊離の精神性だけの生活に疑問をいだき、現実の世界のなかでの「教師」という奉仕の道を選びとる。……作家ヘッセの最後の長編。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00C0NTM3G

ノーベル賞を取る直接的なきっかけとなった作品です。これ以降は長編小説と呼べる作品は出していません。


入手困難とされていましたが、Kindleで読めるようになりました。 大作家の最後の長編をぜひお試しください。

 

7位 春の嵐

春の嵐(新潮文庫)

春の嵐(新潮文庫)

 

少年時代の淡い恋が、そりの事故を機に過ぎ去り、身体障害者となったクーンは音楽を志した。魂の叫びを綴った彼の歌曲は、オペラの名歌手ムオトの眼にとまり、二人の間に不思議な友情が生れる。やがて彼らの前に出現した永遠の女性ゲルトルートをムオトに奪われるが、彼は静かに諦観する境地に達する……。精神的な世界を志向する詩人が、幸福の意義を求めて描いた孤独者の悲歌。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01E6HG8LC

ヘッセの詩人的要素がふんだんに詰まった名作小説。

いわゆる中二病的な要素を、高度に煮詰めていくとこうなるのかなと思ったり。というのも、鋭い感受性が強引に物語を進めるのです。酸いも甘いも噛み分けた渋さ、みたいなのからは程遠い。悲劇的なところがそれに当たるのでは、という見方もあるにはあるのですが、現実とは違う、詩人のお話でしかないのです。


決してそれが悪いと言っているのではなく、それこそがヘッセの素晴らしいところです。愛と平和と芸術と、幸せの真理を求めていくのは現実とは離れたところにあるのですから。そう言った点が若者の感性に鋭く共鳴し続けているのでしょう。

何度も読み返して、自分の成長、或いは汚れ具合を確かめるのも良いかもしれません。

 

6位 少年の日の思い出

少年の日の思い出 ヘッセ青春小説集

少年の日の思い出 ヘッセ青春小説集

 

日本の中学校教科書に長く掲載されてきた『少年の日の思い出』の昆虫学・蝶に詳しい岡田朝雄さんの手による新訳を中心に、青春小説の傑作『美しきかな青春』など四作品を収録。 『車輪の下』と同時期に書かれた青春小説集。
https://www.amazon.co.jp/dp/4794217919

中学の国語の授業で唯一無二と言っていいほど印象に残っているのがこの『少年の日の思い出』です。眠りがちだった国語の授業にあって、この話だけは好きすぎて何度も読んでいましたね。読んだ回数とテストの結果は比例するわけではありませんでしたけど。。。


『車輪の下』ばりの青春文学 が味わえます。元来、少年っていうのは残酷ですよね。

 

5位 郷愁

郷愁(新潮文庫)

郷愁(新潮文庫)

 

豊かな自然に囲まれて育ったペーターは故郷を離れ、文筆家を目指すため都会生活を始める。彼はそこで多くの人と出会い、多くの事を学ぶが、心の底では常に虚しさを感じていた。文明の腐敗に失望し、故郷に戻った彼を待っていたのは、シンプルな暮らしと新たな出会いだったが……。叙情にあふれた美しい自然描写、青春の苦悩、故郷への思いを見事に描いた、著者の処女作にして出世作。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01E6HG8QM

処女作でこれを書けるというポイントが大いに反映されていますが、郷愁が個人的ランキング5位です。 

ノスタルジーってすごい感情だと思いませんか?もう戻ってこない日常を思って切なくなる。どういう理由でこの感情は備わっているのでしょうか。過去には戻れないということを刻みこんで今を大切にするためでしょうか?そのために過去は思い出されるのでしょうか。 


草の匂いや陽の光加減、友人の懐かしい口癖や、生まれてきた子どもの親との類似性、昔聞いた音楽や、名前の響き方。

私たちは様々な切り口でノスタルジーを感じますが、本書はヘッセの類稀な感受性が爆発し、私たちの郷愁を誘います。

 

 

4位 青春は美わし 

青春は美わし(新潮文庫)

青春は美わし(新潮文庫)

 

何年ぶりかで家族の住む故郷に帰ってきた青年は、昔恋したことのある美しい少女に再会する。しかしその愛は実らず、その上、妹の友達への恋にも破れる。彼は孤独な、しかし清らかな思い出を胸に故郷を去って行く……。ふるさとを懐かしみながら放浪に心ひかれ、地道に生きようと願いながら浪漫的な憧れに駆られる青春の心を抒情性豊かに謳いあげた表題作。他に、「ラテン語学校生」。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01E6HG8M6

青春文学が大好きな人には絶対読んで欲しい一冊。

個人的にはポールオースター『ムーン・パレス』、やサリンジャー『フラニーとゾーイー』あたりが大好物なのですが、そう言ったアメリカンな青春文学とヨーロッパの青春文学、というかヘッセの青春文学はアメリカ文学とは違います。

洗練されていて、美しい貴族的生活、もしくは貴族の心が溢れていて、描かれ方が美しいのです。それでも根本的な悩みは一緒だったりするからおもしろいんですよね。同じ主題をこうも違う形で描けるのか、と。

 

3位 デミアン

デミアン(新潮文庫)

デミアン(新潮文庫)

 

ラテン語学校に通う10歳の私、シンクレールは、不良少年ににらまれまいとして言った心にもない嘘によって、不幸な事件を招いてしまう。私をその苦境から救ってくれた友人のデミアンは、明るく正しい父母の世界とは別の、私自身が漠然と憧れていた第二の暗い世界をより印象づけた。主人公シンクレールが、明暗二つの世界を揺れ動きながら、真の自己を求めていく過程を描く。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01E6HG8MQ

ヘッセファン100人に質問したら、何人がこの小説をベストだと言うでしょうか。ファンにとっては『車輪の下』もよりもこちらが上位に来る人も多いはず。読書好きにとっては思い出深い作品でしょう。 

私が考える、良い小説家の条件とは、本当に素晴らしい常に弱い者の側にいる、ということです。強い者=社会が間違っているとは言いませんが、様々な矛盾を孕んでいて、大多数を救えはしつつも、かならずあぶれる者達が出てくるようになっているのです。それは悪意の問題だけではありません。システムの限界です。


悩める若者だけでなく、全ての悩める人びとに向けられた救いの一冊。 超おすすめ。

2位 シッダールタ

シッダールタ(新潮文庫)

シッダールタ(新潮文庫)

 

シッダールタとは、釈尊の出家以前の名である。生に苦しみ出離を求めたシッダールタは、苦行に苦行を重ねたあげく、川の流れから時間を超越することによってのみ幸福が得られることを学び、ついに一切をあるがままに愛する悟りの境地に達する。――成道後の仏陀を讃美するのではなく、悟りに至るまでの求道者の体験の奥義を探ろうとしたこの作品は、ヘッセ芸術のひとつの頂点である。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01E6HG8US

人の真理、悟りを開くに至るまでの道程を具体的かつ詩的に、かつ知的興奮を伴う形で描き切った超大作。こんな芸術を書き上げられる人を、私はヘッセの他に数名しか知りません。

手塚治虫も『ブッダ』を描いていて、あれも相当な大作です。ただ、ヘッセの『シッダールタ』の読後感はむしろ宇宙の真理を描こうとした『火の鳥』を読んだ時の衝撃に近いかも。

人間の謎、脳内宇宙の謎に迫っていくその描写は、体験していないのにも関わらず、凄まじいリアリティを持って読者に語りかけます。知的興奮が味わえる最高峰の劇薬小説。超絶おすすめ。

 

1位 車輪の下

車輪の下(新潮文庫)

車輪の下(新潮文庫)

 

ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通った。だが、そこでの生活は少年の心を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆りたてられた彼は、学校を去って見習い工として出なおそうとする……。子どもの心と生活とを自らの文学のふるさととするヘッセの代表的自伝小説。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01GJGMAGK

『デミアン』の紹介のところで、通はやっぱり『デミアン』だ、というような書き方をしながらランキング1位は『車輪の下』という。個人的には『車輪の下』が好きなんですよね。これはもうどうしようもない事実で、波長のような問題なのだと思います。

 

これを読んで規則なんてクソ食らえ、学校なんて、会社なんてクソ食らえ。自由と芸術を愛して平和に生きる。ぼんやりとそんなことを思った若者はどれほどいるのでしょうか。私もそのうちの一人です。

暗くて救いがないように思える物語そのものが、思春期の感受性を揺さぶります。思春期が遠ざかったあとに読み返しても、もう戻れない青春がノスタルジーを呼び覚まします。

一生忘れることのできない小説になるでしょう。超おすすめ。

 

おわりに

 

 

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大量の情報をコンパクトに。キンドルがお勧め。