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老人版ボニー&クライドの愛が美しい『人生に乾杯!』

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はじめに:老人版ボニー&クライド

 アーサー・ベン監督『俺たちに明日はない』の老人版と言うような内容です。

 

ただし、誰も殺さず、穏やかな愛に溢れるほっこりしまくる映画です。ジャケットの色合いもシニアですねぇ。 

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目次

 

 

あらすじ&作品概要

運命的な出会いを機に結婚したエミルとヘディも、今では81歳と70歳。互いに恋に落ちていた頃のことなどすっかり忘れていた。年金だけでは暮らしていけず、借金取りに追われる毎日の中、ついに二人の出会いのきっかけだったダイヤのイヤリングまで借金のカタに取られてしまう。

高齢者に冷たい世の中に怒りを覚えた夫のエミルは、イヤリングを奪い返すために持病のギックリ腰を押して20年ぶりに愛車のチャイカを飛ばし、なんと郵便局を紳士的に強盗!それを皮切りに次々と紳士的強盗を重ねていく。一度は警察に協力した妻のヘディも、奮闘する夫の姿にかつての愛しい気持ちを思い出し、手を取り合って逃げる決心をする。二人の逃避行は、やがて民衆を巻き込んで思いもかけない展開に―。

出演:エミル・ケレシュ テリ・フェルディ ユディト・シェル ゾルターン・シュミエド 
監督:ガーボル・ロホニ

 

ハンガリー文化はロック

ハンガリー映画が日本公開って珍しいですよね。そこからも名作感が漂っています。ハンガリー映画、ハンガリー文化と言えばアゴタ・クリストフ『悪童日記』が真っ先に浮かびます。かなり尖った、反体制色の強い文化でしたが、この映画もかなり根本にあるものはロックです。

 

年金だけでは暮らしていけず、夫婦の愛の象徴であるダイヤをかたに取られてしまったおじいさんが銀行強盗をする、という、言わば、体制に対する反骨精神なのです。更に興味深いのが、大衆たちもこのお爺さん(84歳)を支持するところ!めちゃくちゃロックです。


国民性として反体制の意識は強さが見られます。

 

ボニー&クライド

 夫婦が協力して銀行強盗、となると当然思い浮かぶのは『俺たちに明日はない』でも有名なボニーとクライドでしょう。

 

本作でもかなり意識はされていて、細かいところまでオマージュが散りばめられています。例えばボニーとクライドはフォードV8という当時最新型のエンジン搭載の車で、警察車両を圧倒する速さで逃げまわっています。

 

本作では打って変わって旧ソ連のボロ車で逃亡をするのですが、これまた馬力だけはものすごく、警察車両が登って来られない砂利坂道を登って逃げていくのです。この辺りは見てて唸りましたね。すげえっす。このような細かい演出がどこまでも効いているのです。大作ではありませんが、名作映画です。

 

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