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友達はいらない。必要なのは師匠と仕事仲間、そして家族だけ【押井守の友達論】

押井守の友だち論がぶっ飛んでておもしろい

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”友達が必要なのは中坊までです”
まえがきで初っ端からこう言い切る押井守監督。押井守を知らない人のために略歴をwikiより↓↓

1977年、竜の子プロダクションに入社し、アニメーション業界へ。 1979年、スタジオぴえろに移籍。『うる星やつら』のテレビシリーズのチーフディレクターを担当し、1983年『うる星やつら オンリー・ユー』で劇場映画初監督。以降『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』、『機動警察パトレイバー the Movie』、『機動警察パトレイバー 2 the Movie』などの劇場作品を手がける。 1995年に発表した『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』 は米ビルボード誌のビデオ週間売り上げで1位を獲得した。 2004年に発表した『イノセンス』は、日本のアニメーション映画としては初のカンヌ国際映画祭オフィシャル・コンペティション部門出品作品となった。
押井守 - Wikipedia

レジェンド級のアニメ監督ですね。攻殻機動隊とか、むちゃくちゃかっけえんですよね。士郎正宗原作は混沌としたSF的設定が神がかっていますが、押井版はよりハードボイルドだけれどもポップな展開がたまりません。
その他にもサンサーラ・ナーガというゲーム監督したりと、ゲーマーな一面も。


最近では”Fallout4”をひたすら邪道変態プレイをした様子をレポートしたりしています。

jp.automaton.am

もうね、本当に変人ですよ。でも、確固たる哲学を持った変人だからクソかっこいいんです。普通にプレイするんじゃなく、自分の哲学をゲームで表現しようとするんです。詳しくは語りませんが、世界大戦が起きている中、群れずにたった一人で戦い続けるっていう感じ。もうすごいですよ。

この記事では独特の哲学を持った押井守が語る友達論について、まとめます。

 

目次

友達がいないなんて悩む必要はない。友達とは幻想にすぎない

友達=イイモノと言う決めつけが、世界を狭めているのだ、そもそも友達なんて幻想にすぎない。押井守の考えを簡単にまとめるとこうです。
友達がいない、ぼっちのことを悪だと決めつける風潮はおかしい、努力・友情・勝利なんていうけれど、友達がいなければ負けなのか?友達というのは、本当に必要なのでしょうか?友達とは、いなければ、生きていけないほど大切なのでしょうか?
そんなことで悩む必要はない、友達なんて幻想みたいなものだ、と押井守は言い切ります。

では、あえて定義するならそもそも友達とは何なのか?押井守はたとえとしてこう言います。
”イラクで失踪したときに、後先考えず、すぐに飛行機に飛び乗って現地に来てくれる人”
あなたにはそんなことをできる人がいますか?もしくは、そんなことをしてくれる友達は?
ほとんどの”友達”は上記は当てはまらないのではないでしょうか。笑 

じゃあ誰が必要なの?

押井守は3種類の人間さえいればいい!と言い切ります。それは

  1. 自分を導いてくれるマスター
  2. 自分がバカというのを思い出させてくれる家族
  3. 一緒に何かを成し遂げる仕事仲間

これらさえいれば、友達なんていらない、そう言い切ります。なぜなら個人的には、③が、友達の上位概念なのかなと思ったりします。
1つずつ見ていきましょう。

必要な人①:自分を導いてくれるマスター

押井守は自らの師として、アニメ監督の鳥海永行を挙げています。
”監督とは何か”ということ以外は何も教えてくれなかったけれど、一緒に生きることができた、それが最も大切なことで、求めていたもの以上のものを授かった。という趣旨のことを言います。
とにかく”自分で考える””考える基礎となるべく教養を持っておく”ことの大切さが繰り返し説かれています。
マスターは導いてくれるだけで、決して目的地へ引っ張って連れて行ってくれるわけではない、ということが読み取れます。。。このあたりの禅問答はかなりおもしろいので詳しくは本を読んでみてください。

必要な人②:自分がバカというのを思い出させてくれる家族

これはもう個人的には超納得です。笑 バカになれる場所、甘えられる場所、気を休めて(ある種)ありのままになれる場所がないと、人って死んでしまうのではないでしょうか?笑
孤独を逃れ、自分らしくいられる場所を一つ持つことはとても大切です。家族との空間は、自分の位置の相対化ができる基地のようなものです。

必要な人③:一緒に何かを成し遂げる仕事仲間

実はここが一番熱い部分なのではないかなと。
押井守は、仕事仲間についてはかなり肯定的なコメントを残します。

”黒澤のように、『天皇』扱いされるのが凄いと思ってるの?”

”僕はスタッフを手足として使うんじゃなく、頭脳を使いたい。頭脳を使わせてくれと常々言っている”

”麻紀さんは仕事仲間だよ。決まってるじゃん。映画を作る僕たちがいて、それを上映してくれる配給さんがいる。そして麻紀さんのようにその作品を紹介してくれる人がいる。映画はそういう『仲間』の力で世に出ているのです”

(麻紀さんとは渡辺麻紀=本書のインタビュアー)

”仲間”というワードが”友達”よりもなんだか素敵な気分ですよね。そもそも友だちって、何かを一緒に頑張れば頑張るほど、濃い時を過ごせば過ごすほど、絆が深まりますよね?そう考えると友達の上位概念が仲間なのかなって気がしてきます。

押井守にとっては師匠こそが人生でもっとも必要な存在だ、と言いますが、仲間に対しても、なかなか熱い想いを持っていることが伝わります。

おわりに

リア充=友達が多くて勝ち組、ぼっち=負け組 みたいな風潮が強い世の中ですが、友だちなんていらないっていう考え方、全然アリだと思いませんか?
ただ騒ぐだけ、うわべだけの友達よりも、一緒に何かを成し遂げる仲間や、本当に実現したいことへ導いてくれる師匠が大切だなと。

 

 

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